読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

マグダラのマリアが現代の人々に語りかける、「マリー~もうひとりのマリア~」(米/2005年)

2008-05-04 11:22:03 | 映画;洋画
原題:Mary
監督:アベル・フェラーラ
脚本:アベル・フェラーラ、マリオ・イサベラ、シモーヌ・ラジェオレス、スコット・パルド
音楽:Francis Kuipers
撮影:Stefano Falivene
出演:ジュリエット・ビノシュ、フォレスト・ウィテカー、マシュー・モディーン、ヘザー・グラハム、マリオン・コティヤール、ステファニア・ロッカ

邦題に「もうひとり」とつけられていますが、もともとの「マリア」をどう見ているのかがわかりにくいです。いわゆる「マグダラのマリア」は、新約聖書中福音書に登場するイエスに従った女性である。マリヤ・マグダレナとも転写され女性。彼女については、クリスチャンではない国の人々にはちょっとわかりづらい存在ですね。

マグダラのマリアは、イエスの死と復活を見届ける証人であるとともに、「悔悛した罪の女」として多くの伝説に色どられ、永く人々を魅了してきたといいます。2004年のメル・ギブソンの監督作品「パッション」では、モニカ・ベルッチが演じていましたね。小説「ダ・ヴィンチ・コード」は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」でキリストの右隣には女性らしき性別の人物が座っており、マグダラのマリアではないかとする説を紹介していました。

また、マグダラのマリアはキリスト教美術において、「聖母と並ぶ重要な聖書の登場人物である。聖母は超越的な奇跡的存在であり、多くの宗教画家は最大級に理想化された聖母像をつくった。対して、マグダラのマリアはエモーショナルな存在を象徴する女性として描かれた。聖母とともにマグダラのマリアを常に重要な場面に登場させるキリスト教美術は、そうすることでキリスト教における人間の愛のありようを相互補完的に表した」ともあります。

ウィキペディア英語版によれば、本作品のテーマがフェミニズムと聖三者であると、次のように記されています。

<Feminism>
One of the central concerns of Mary is the examination of the feminine within the Catholic tradition. Like The Da Vinci Code the film puts forward the theory that Mary Magdalene is much more significant than the Catholic Gospels would suggest. However while The Da Vinci Code suggests that Mary Magdalene was the lover or wife of Jesus, Ferrara's film presents the theory that she was in fact one of the disciples and a trusted confidante of Christ.

<Holy Trinity(聖三者)>
Mary presents three narrative threads which represent the three elements of the Holy Trinity.
Marie Palesi on her spiritual quest and her relationship with Mary Magdalene represents The Holy Spirit.
Ted Younger whose wife has just given birth represents The Holy Father.
Tony Childress (literally Childress) represents The Holy Son.


監督は、アベル・フェラーラという人ですが、よく知りません。これまで撮った作品リストを見ると、「ボディ・スナッチャー」(1993)がありました。ジャック・フィニイの小説「盗まれた街」が原作ですが、「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」(56)、「SF/ボディ・スナッチャー」(78)を経ての3度目の映画化による作品。これは見た記憶があります。

そして、「スネーク・アイズ」(1993)。これ観たことがあると思っていたら、私が観たのはニコラス・ケージ主演の1998年のブライアン・デ・パルマ監督作品でした。アベル監督作品は、「Dangerous Game」という副題がついたマドンナ主演作でした。

アベル・フェラーラ(Abel Ferrara、1951年7月19日-)は、「アメリカ合衆国の映画監督。ニューヨーク市ブロンクス出身のイタリア系。10代のころからSuper 8 mm filmを使って映画を撮り始め、1979年のスプラッタ映画『ドリラー・キラー』で注目されるようになる」。

出演陣のジュリエット・ビノシュについては、昨年10/24付けの記事「責めるべきは男の身勝手と描かれる、『こわれゆく世界の中』(イギリス・アメリカ/2006年)」で、フォレスト・ウィテカーについては、同じく10/18付けの記事「アフリカで最も血にまみれた独裁者を描く、『ラストキング・オブ・スコットランド』(英/2006)」で、マシュー・モディーンについては12/13付けの記事「ルールを破ってこそドラマが生まれる、『トランスポーター2』(仏・米/2005年)」で、オスカー女優、マリオン・コティヤールは先月16日付けの記事、「名曲『愛の賛歌』ができるまでと込められた想いを描く、『エディット・ピアフ』(仏/2007年)」で取り上げましたので割愛します。

ここで取り上げるのは、妊婦を演じたヘザー・グラハム。「オースティン・パワーズ:デラックス」(1999)で印象に残り、「フロム・ヘル」(2001)、「キリング・ミー・ソフトリー」(2001)、「ボビー」(2006)などの作品を観ています。

ヘザー・グラハム(Heather Graham,本名Heather Joan Graham,1970年1月29日-)は、「アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー出身の女優・モデルである。カリフォルニア州アゴーラ・ハイスクール→カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)演劇科中退。身長176cm、体重49kg、瞳はブルー、髪はブロンドである」。

「アイルランド家系で厳格なカトリック教徒の家に生まれる。父ジム・グラハムはFBI捜査官、母ジョーンは児童書の作家、妹エイミーはアメリカで人気上昇中の女優兼作家である。バージニア州で育ち同州ノース・スプリングフィールド小学校に入学、その後家族と共にカリフォルニア州コンジョヴァレーに引越しスマック小学校を卒業後、リンデロキャニオン中学校で学び、アゴーラ高校を卒業後デビューした。カリフォルニア大学に在学中に、後の恋人となる俳優ジェームズ・ウッズと出会う」。

「彼女が女優を志した当初は両親も献身的に応援していたが、彼女の仕事がなかなか軌道に乗らず、また出演したとしても彼女の性的魅力ばかりが注目される状況になるにつれ、次第に両親と彼女との溝が深まっていった。彼女は、高校卒業後の1988年にデビューしたが、人気が出始めたのは1997年の『ブギーナイツ』であり、やや時間がかかった」。

「大きな目に青い瞳、ブロンドで長身という抜群のルックスを持ちながらも、人気は中程度。日本では映画通でない限り、あまり知名度は高くはない。アメリカでは知名度は並にあるもののハリウッド女優というよりもTVドラマ女優やモデルとして見方が強い。TVドラマツインピークスにウェイトレス役で出演していた」。

「また濡れ場を抵抗無く演じることができる女優でもあり、チェン・カイコー監督の『キリング・ミー・ソフトリー』ではポルノとも捉えられる大胆なセックス・シーンを演じた。(しかしながら、この作品は経済的な問題により、アメリカでは劇場上演されなかった)」。

「アメリカの芸能誌『ピープル』が選ぶ、「世界で最も美しい女性トップ50」には常連となっている。また恋多き女性であり、これまで俳優ジェームズ・ウッズ、監督クリス・ウェイツ、俳優ジョシュ・ルーカス、俳優エリス・コーティス、俳優キリー・マクラーレン、俳優エドワード・バーンズ、俳優ヒース・レジャー、監督スティーヴン・ホプキンズなどと交際したことがあると報じられている」。

最後に、ちょっと神経質なテレビ局のディレクター(?)を演じていたのが、ステファニア・ロッカという女優さんで今回初めて知りました。

ステファニア・ロッカ(Stefania Rocca,1971年4月24日-)は「イタリア・トリノ出身の俳優。1994年に映画デビューし、主にイタリア映画で活躍しているが、アメリカ映画『リプリー』やイギリス映画『恋の骨折り損』にも出演している」。(ウィキペディア)


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1 コメント

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イタリアの女優ステファニア・ロッカ (台湾人)
2010-07-01 23:56:43
イタリア人女優ステファニア・ロッカですか。彼女はフランス映画や英語の映画にも出演しています。

モニカ・ベルッチ、アーシア・アルジェント、ステファニア・ロッカなどの女優はフランス語も話せるので、フランス映画にも出演しているので、感心します。

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