読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

ジェームズ・キャメロンが築いた映像技術~世界を魅了する「アバター」の魅力~

2010-01-27 19:56:31 | 映画監督
ジェームス・キャメロン監督の話題の映画「アバター」。制作費2億7,300万ドルで現在まで18億6,000万ドルの興行収入をあげ、自身の前作「タイタニック」が制作費2億ドルで18億4,000万ドルであった記録を公開39日目で破ったことが報じられました。

<「アバター」が「タイタニック」の記録を破り、全世界興収歴代1位に>
http://eiga.com/buzz/20100126/22/



さて、キャメロン監督は、1954年8月16日生まれで55歳。15歳の時に、「2001年宇宙の旅」(1968年/スタンリー・キューブリック監督)で映画に憧れ、途中で夢を諦めますが、「スター・ウォーズ」(1977年/ジョージ・ルーカス監督)を見て、それまでの仕事を辞めて監督の道を歩むことを決めたといいます。以来、次のような作品で世界を魅了しました。

「ターミネーター」 The Terminator (1984年)
「エイリアン2」 Aliens (1986年)
「トゥルーライズ」 True Lies (1994年)
「タイタニック」 Titanic (1997年)
「アバター」Avatar (2009年)

「エイリアン2」は、リドリー・スコット監督の1979年の「エイリアン」の続編ですが、全作品をキャメロン監督自らが脚本まで手がけた作品です。現在、映画界も分業制がとられ、脚本は脚本家が書くという作品が少なくありませんが、監督が脚本を手がけた作品には質の高いものが多いと思います。キャメロン監督の場合、感動する名作というよりもその映像世界に驚嘆させられるという印象が強いですね。

今回も画期的な3D映像が話題を呼んで済ます。映像技術の開発にかけるその情熱は先輩格のジョージ・ルーカス監督やスティーヴン・アラン・スピルバーグ監督を凌駕します。キャメロン監督はデジタル・ドメイン社を1993年に協同で設立し1998年まで関与しています。本作では、デジタル・ドメイン社と同じ年に設立されたWETA(ウェタ)デジタル社がVFX(Visual Effects)担当していますね。


本作の3D技術は映像が前に飛び出すのではなく、その奥行きにありますね。身を引くような映像よりも、観るものが入り込んでいくような演出が画期的です。12年ほど前にニューヨークに行ったときに観たソニープラザの「ソニーワンダー」の3D映像には驚きましたが、この技術は今はどうなっているのでしょうか。



現在メイド・イン・アメリカで売れるものは、金融商品、農産物、武器、そして、音楽と映画といわれます。前者三つの製品群は風前の灯状態の中にあって、今回のこの「アバター」はハリウッドの面目躍如というところでしょうか。とはいえ、キャメロン監督はカナダ人で、デジタル・ドメイン社はニュージーランドの会社ですが・・・。とにかく、孤軍奮闘するキャメロン監督であります。

<12年ぶりに動いたハリウッドの巨人――ジェームズ・キャメロン監督に聞く>
http://eiga.com/movie/53184/interview/3/


<ジェームズ・キャメロン - Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A1%E3%83%AD%E3%83%B3


最新の画像もっと見る

コメントを投稿