女性の美意識とダイエット
健康や美容関連の情報誌、インターネット、テレビ番組を見ると、ダイエットという言葉が必ずと言って良いほど目に付きます。また、食品、飲料水、酒などスーパーの食料品売場に行けば、低カロリー、低脂肪、糖質ゼロなどとうたわれた商品が溢れています。健康で美しい=スリムな体=低カロリー食という図式が完全に定着してしまっているようです。こういった事情は、お隣 韓国でも同様です。
韓国の15才から24才までの女性500人に対する調査で、半数以上の女性が自分は太っていると感じており、ダイエットを試みたことがある人は74%に上りました。しかし、実際に標準体重値以上の人は10%にも満たなく、標準体重以下の人まで自分は太っていると感じているのでした。
女性のこの様な、やせていることが美しいというイメージは,一部メディアが作り上げたファッションモデル的イメージからきているところと考えられます。欧米を中心とした先進国において女性の体重が、その社会的・経済的地位と反比例するという調査結果が確認されています。それだけに、ある意味 欧米的な流行、ファッションに憧れを持つアジアの女性がその影響を強く受けているともいえましょう。(世界の女子大生を対象にした調査では、日本の女性は自分を肥満と考える割合が韓国よりさらに高く調査国中一位でした。)
しかし、アメリカのような肥満大国と違い、統計的には、肥満程度の低い日本、韓国といったアジア諸国で、スリムビューティというイメージからの過剰なダイエットは、美意識を歪曲するのみならず、健康を害する危険まであります。むしろ飢餓と戦い続けてきた人類の進化の過程では、脂肪を蓄えることが生き残る条件であり、やせた体系が理想とされた歴史はないでしょう。生物的な必要性と社会的なイメージは後どちらが淘汰されるのでしょうか。
大学時代はややぽっちゃり体型の韓国人の女医が、アメリカに住むようになって周囲からスマートであると言われて、もう韓国に戻れないと笑っていました。
『東洋経済日報2008.6.6掲載』
やや太めであっても、均整のとれたカラダは美しいと思うと同時に、痩せてはいても…ということもあるのではないでしょうか〓
痩せてさえいれば良いとか白人であればかっこいいというのはプロパガンダに乗せられているだけなのかもしれないと思う少数派(?)の人間です。
東洋人だって充分美しいと思っています。逆に何故、ファッション誌のモデルは白人だらけなのでしょう。