美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

インターネットとパンドラの箱

2010-07-14 13:44:52 | Weblog

 

インターネットとパンドラの箱 

サッカーワールドカップも始まり、私同様 深夜までの観戦で、寝不足のご同輩もいるのではないでしょうか。しかし、この時世、試合結果だけなら、インターネットにて、いつでも世界の裏側の出来事まで知ることができ、その上、画像、動画まで検索し、見ることができます。つくづく便利な世の中です。個人的には、ここ数十年の間で、最も人間社会に影響を与えたシステムは、インターネットではないかと考えます。

1961年アメリカのユタ州で、3ヵ所の電話中継基地が爆破され、一時的に国防回線も完全に不通になるというテロ事件が起こりました。これをきっかけに、アメリカ国防総省が、核戦争などを想定し、様々な状況下でも耐えうる新しい通信システムの研究に着手したのがインターネット開発の始まりだと言われています。インターネット通信の基本原則は、①通信系を一経路でなく複数から可能にする分散型ネットワークと②情報を小分けにすることで、一時的に中断しても残りを続けて送ることができるバケット(小包)通信化です。軍事目的で開発研究された技術が、様々な分野で利用されることは少なくありませんが、インターネットもその一つであったわけです。

今日では、世界中で人々の生活に浸透し、なくてはならないものとなったインターネットですが、その通信網は、ある意味、社会と社会、人と人をその空間的距離を感じさせないほどに繋げ、その範囲、方向は無限大に広がっていく観があります。インターネットにより、決して知ることのなかった情報を得、決して出会うことのなかった人間同士が出会うことになりました。自分が必要な知識を選別して検索することができれば、すばらしい魔法の図書館ですが、一つ間違えば情報の海の中に飲み込まれ、溺れてしまう可能性もあります。実際にネット中毒という病名が登場し、韓国、中国、オランダなどでは数年前から、専門の治療センターが運営されています。私たちは善悪混沌とした無限の知識が詰まったパンドラの箱を、開けてしまったのかも知れません。

 

アジアン美容クリニック

 

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