荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

遊子水荷浦の段々畑ー2

2017年06月09日 | 散文
登り口の案内板に従って段畑へ行ってみます。


民家の間の狭い道を上がって行きます。




水路に水はありません。


城壁のようですが、約1m幅の畑の集合体です。


膨大な量の石を組み上げています。
暮らしの年月の集積です。
このレールはモノラックという作物や農機具を運ぶモノレールです。


この石垣が太陽光を吸収する保温効果で、作物の育ちが良く甘くて美味しいと言われています。


この畑は主要作物ジャガ芋を収穫した後に薩摩芋を植えていますが、この時期殆どの段畑は何も植えていません。


段畑の中段辺りから集落を眺めます。


この石段を上がってみます。
狭くて怖いです。
日常的に石段を使う暮らしは常に危険と背中合わせです。


石段の上です。
1m幅位の狭い畑が1~1.5mの高さで続いています。


遊歩道(地元民家の農道)を振り返ります。


頂上を見ます。
石垣に圧倒されます。
人の営みの連鎖の迫力です。


田舎には集落の頂上に墓を設けている事がよくあります。
先祖が集落を見られるよう、生家を見られるよう、そして先祖に見守られるよう頂上に設置するのだと思います。


農作業と墓参の道です。


この話、続きます。
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遊子水荷浦の段々畑ー1

2017年06月09日 | 散文
宇和海パールラインを外れて、いくつものトンネルを潜ります。


更に宇和海の漁村を見ながら走ります。




山の上から漁村を眺めます。
静かな海とその向こうに霞む山の景色に癒されます。


峠を越えると現れました!


崖ではありません。
遊子水荷浦の段々畑です。


「耕して天に至る」光景です。


やっと着きました。
3時間半のドライブでした。


「ゆすみずがうら」と読みます。


「水ケ浦」とも書きますが、この集落の立地特性から「水荷浦」の方が似合っています。


非常に降水量が少なく、ため池もない地区です。


この地区から嫁いで行った娘が里帰りする際、嫁ぎ先からのお土産として、桶を天秤棒で担いで水を持って帰ったとのエピソードがあります。


当然ながら、この段々畑の水遣りは天秤棒で担いだ桶で行っていました。


民家の裏は崖ではなく、全て段々畑なのです。




この地区では段々畑ではなく、「段畑(だんばた)」と言うそうです。


この話、続きます。
コメント (4)
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