ある青年の話
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ネットで読みました
◇
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お別れの日に
家族みんなが
ベッドの周りに
集まり
お別れを言う時間もあって
しばらく
数か月
数週間
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意識も会話もあって
苦しい事はさほどなく
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子供たち
家族に囲まれ
お母さんは
大きく息を吸って
目を閉じたそうです
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◇
楽しい家庭で
育ててくれて
有難う
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素晴らしい兄弟を
姉、兄、妹
三人残してくれて
ありがとう
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と
◇
青年は
今
たまに
私のいるカフェテーブルの脇を
通るとき
黙って
ニカッと笑って
通り過ぎて行きます
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ヒゲ会長
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すばらしい
姉、兄、妹
最近知りました
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◇
さあ
自分だったら
どの日が
いいかな
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今の2月の季節は
もう日差しは春だが
光の
白い色はいやだな
もうちょうっと
緑が欲しい
◇
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6月の
ツユ入り前の
一桁の日
初旬
一年で一番
若葉のきれいな頃
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軽装で
アスファルト道路を走っていてな
畑と野原の
広い緑地
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あれ?
病院のベッドで
寝ているはずなのに
どうして
こんなに
早く走れるんだろう
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水色
空の色は
水色ですよね
ワイナリーカフェに
いいその色の
お皿あったっけ
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夜の
ロッド・スチュワートの
去年車がエンコした時に
積んでいた
『この窓の外には
沢山の1000もの
それぞれのロンリーナイト』
の歌の
掛かる頃
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6月の
夜空って何?
アルタイルと織女星はまだですか
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獅子座レグルスは
もう終わり?
まあそれらの
中間の星に包まれて
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あ
カストールとポルックスか
双子座
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あれ五角形の
ぎょしゃ座とかあの辺
どうでしたっけ
思い出せないなあ
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まあ
それらの
☆に見守られて
『1000のそれぞれの
ロンリーナイト』の歌詞で
あのお母さんと
同じように
目を閉じたいものだ
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この歳になって
ロッド・スチュワート
受け入れちゃってなあ
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もっと
選びたい
好きな曲、歌手いっぱいなのに
なんで
しわがれ声で
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でもま
いいんだ
これも何かの縁で
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ロッド、タクシーさん
ロッド代行さん
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星空まで
よろしくね
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