≪空想≫
これは空想です
◇
◇
コブタ型宇宙人
大体
身長50センチくらい
立って歩く
話す
◇
ねえコブタちゃん
それ宇宙服?
◇
ウチのねえ
敷地いっぱい
ぎっしり
もう家屋の屋根まで
こぼれる
くらいいるんだよ
◇
一人、二人落ちる
◇
えーと
10匹で
このくらい
10倍の百匹だと
このくらい(占有面積)
千匹で庭のこのくらい
◇
田舎の庭は
広いから
三千匹でも
足りないなあ
◇
屋根から
こぼれてる分
裏庭
◇
数万匹にも
なるんじゃないだろうか
◇
◇
それで
話を聞くと
征服に
来たのだと言う
◇
降参しろ
と言うから
はい
と言ったら
拍子抜け
したらしく
もしょもしょ
相談している
◇
◇
じゃあ
と言って家に入ってきたが
宇宙服を
脱ぐと言う
◇
うわ
コブタくん
なんか
宇宙服は
薄パールで
スルスルしていて
可愛いが
中から
へんなもの
出てきたら
やだなあ
◇
と
思ったが
コブタちゃん
脱いでも
あんまり
変わらない
◇
同じような
コブタみたいなもの
出て来たぞ
◇
それじゃ
宇宙服の意味
ないんじゃない?
と聞いたが
そんなことはない
意味はあるんだと
◇
それ着てると
外でも畑でも
夜過ごせるんだと
◇
そうか
そうだろうなあ
数万匹
来ちゃ
全員ウチに
入れないですもの
◇
◇
いったい
何匹で来たの?
と聞いたら
6万匹ぐらいらしい
裏庭も
ウチの畑も
敷地
ぎっしり
コブタちゃん宇宙人は来てて
◇
今回は
私のウチだけを
侵略にきたので
となりの畑には
迷惑がかからないように
きっちり
畑の境界の
ウチの側だけに
ぎっしり立っているんだと
◇
満員電車状態
◇
たまに
よれて隣のミツオさんの畑に
こぼれると
すみません
とか言って
謝ってる
◇
◇
なんか
渋谷のホテルで
隣のジミーペイジを
驚かそうと
壁に穴あけて
入ったら
別の人で
『すみません』
と謝った
ジョン・ボーナム
みたいだな
(レッド・ツェッペリン)
(反対側だったんだそうですペイジの部屋)
◇
プロが投票する歴代1位ドラマー
なんだがボンゾ
なあ
◇
◇
まあとにかく
その日から
何をするにも
コブタちゃん宇宙人は
部屋にいるのだよ
◇
一部屋あたり
60匹
くらいかなあ
◇
床にぎっしり
窓や天井にも
貼り付けるらしく
ひっついてる
◇
寝て
天井を見ると
目が合う
◇
邪魔には
ならない
◇
いや
なるっつうか
◇
ねこ好きの方には
部屋に
8匹ぐらいいるネコが
50匹とかに
なった感じかなあ
◇
◇
私が
御飯を食べると
彼らも宇宙食を食べる
◇
やっぱり
御飯つくりに行く時
とか
すごい邪魔なんだよね
かき分ける
っつうか
◇
お風呂に
入っても
壁面もなにも
全部コブタ
貼りついている
◇
へんな感じ
◇
◇
だが
慣れた
◇
慣れても
時々
うあー
とかは思う
◇
◇
ウチに元々いる
ぶたちゃんとは
区別がつく
ウチの
ブタちゃんは白だからな
◇
彼らは
薄いパールカラー
艶も
あんな感じ
◇
◇
そんなカレラにも
リーダーがいて
最初に
地球征服にきた
と言ったあいつ
◇
あいつとは
時々
ハラを割って
話す
◇
今後どうするか
◇
困っている
◇
可愛い
◇
今から思うと
6万匹は
多かったかと思う
と言った
◇
なんだか
後続部隊も
来たらしいんだ
◇
◇
まあ
むかし中国の皇帝の
軍勢が
はるかなる西域
今のトルファン?
に出発したが
延々一列になって
歩いていったので
先頭が
目的地に着いたとき
まだ都では
最後の軍勢が
出発できて
いなかったと
いう話で
(これは史実です)
◇
故事に学ばないからだ
と私は言った
◇
コブタリーダーは
困っている
◇
可愛い
◇
まあ
気持ちは分かる
いつまででも
何でも
まあ
ウチに居るといいよ
◇
言ってあげた
◇
コブタちゃんは
なむだの顔でわらった
◇
◇
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