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超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

日々の随筆・私とテラヤマ

2024-09-23 00:03:23 | 無題
私の詩歌の原点は、疑いなく、寺山修司氏である。
と言っても、寺山的に幻想的な嘘を作品化する
想像力は乏しく、寺山よりは、散文的な、
絵日記調の詩歌になってしまう。
 寺山修司のなかでも一番テラヤマ的な詩歌の
本は、歌集『田園に死す』である。
〇新しき仏壇買いに行きしまま行方不明のおとうとと鳥
〇兎追うこともなかりき故里の銭湯地獄の壁の絵の山
〇売りに行く柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯野ゆくとき
〇暗闇のわれに家系を問うなかれ漬物樽の中の亡霊
皆、フィクションだが、印象的な景色が浮かぶ。こんな才能がほしかった。
『田園に死す』は寺山自身の手で映画化されていて、日本版シュルレアリスム
になっている。
俳句にも触れておこう。
〇便所より青空見えて啄木忌 〇沈む陽に顔かくされて秋の人 〇テレビに映る無人飛行機父なき冬
〇わが夏帽どこまで転べども故郷 〇妹を蟹座の星の下に撲つ 〇十五歳抱かれて花粉吹き散らす
どれも作品として完璧である。寺山とは、何かと縁があり、私が短歌を書く切っ掛けとなる。また札幌の寺山修司上演劇団の座長さんや振付家の方と懇意となり、寺山の主な演劇作品は札幌で見た。

〇学童に家出を配る旅一座 〇美術部の生徒の塗りし厠壁 〇春の野に花粉を飛ばす強き腕
〇秘めやかに蜜滴りて蜂巣箱 〇飛び乗りし夜汽車の窓や鉄道草 などは、寺山に捧げる私の拙句である。
  
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日々の随筆・「少年時代」の背景

2024-09-21 00:03:12 | 無題
私の俳句を多少読んだ人なら察しが付くと思うが、
私は井上陽水の『少年時代』の世界が好きだ。
有名な、コレである。
「夏が過ぎ 風あざみ 誰のあこがれにさまよう
 青空に残された 私の心は夏模様」
この曲が出たときは、「風あざみ」という言葉はない
でしょう、とか、「宵かがり」という語はないでしょう
と随分話題になったものだ。陽水の選んでいる言葉が、
俳句の季語に近いのはひと目で分かる。
陽水が、歳時記片手に自分流にアレンジして作詞したのは疑えない。

この曲は、藤子不二雄Ⓐ(本名 我孫子素雄)氏の自伝的映画、
『少年時代』の主題歌で、
藤子不二雄Ⓐさんの『まんが道』のような映画の、テーマ
である。我孫子素雄さんが藤本弘さん(藤子・F・不二雄)と
富山県の少年時代を漫画家を目指しつつ過ごし、椎名町のトキワ荘
で若き漫画家と切磋琢磨する様子は、『まんが道』に詳しい。
この映画は残念ながら見ていないが、少年、我孫子が
列車で泣きながら手を振るエンディングの映像が、
陽水の曲の放映のため流れて、印象的である。
私は一時期、椎名町の近くに住んでいたので、
トキワ荘の周りはよく知っている。
「夏まつり 宵かがり 胸のたかなりにあわせて
 八月は夢花火 私の心は夏模様」
俳句がいくつも作れそうな、陽水屈指の名曲である。
陽水の造語も含めて、見事な歌詞世界である。

印象の数珠を自在に組み合わせ少年時代の夢を呼び出す
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日々の随筆・ムーミンマニア

2024-09-19 00:03:05 | 無題
スヌーピーも好きだが、ムーミンも好きだ。
幼少のころ、アニメを見たのがきっかけである。
でも当時の日本版の初出ムーミンには、
トーヴェ・ヤンソンから、クレームが来たらしい。
それでも、子どもには親しみ易かった。
ムーミンの声の岸田今日子が素晴らしい。
岸田さんは、ムーミン役を生涯続けて、
名作の2千年頃のパペットアニメの
ムーミンでは、一人でナレーションも他の
登場人物も担当していた。実にムーミンらしい声の方である。

NHKで放映していたのを、VHSで録画して見ていたが、
その後、完全版がDVDで出た。
欲しかったが、岸田今日子の完全版は2万5千円ぐらいで
とても手が出なかった。
次善の策で松たか子版のエッセンシャル版全5巻を
入手して鑑賞したが、声がむずむずしていて、ムーミンらしく、
好感が持てた。このトーヴェ・ヤンソン監修・ポーランド制作の
フェルト版人形アニメムーミンは、芸術的で、陰があって
実に素晴らしい。ムーミンは、トーヴェは勿論だが、
弟のラルス・ヤンソンのコミック版も内容や絵がよく、
ムーミングッズではラルスの絵が大いに貢献している。

〇陰のある東欧版のフエルトのムーミンアニメ実に傑作
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日々の随筆・掌中標本

2024-09-17 00:03:11 | 無題
今年の夏は、鉱石標本セットが欲しくなって、結局すごく小さい箱を8百円ぐらいで
入手した。広告の写真で見ると、それなりの大きさがありそうだが、
実際、現物が到着してみると、ミニチュアの世界で、片手の掌中にすっぽりと
収まってしまう。がっかりした、というよりは意外だった。
〇夏休み鉱石標本取り寄せて開いてみれば掌中標本

私が鉱石標本が売っているのを初めて見たのは、府中の郷土の森公園の奥にある
プラネタリウムの売店で、子ども向けながら、3倍は大きく、ずっしりと、
夏休みにの課題の役に立ちそうな、立派な鉱石標本だった。
その時は、入手する気はなかったが、この夏思い出して、買った結果が、
ミニチュアの「掌中標本」だった。
〇三多摩の郷土の森の奥にあるプラネタリウム光る標本

私が石の標本に興味を持ったのは、宮沢賢治の伝記を読み、
岩手の早池峰山という山で珍しい鉱石を掘り出して集めていた、という
エピソードから、汽車旅をする少年が、嬉しそうに鉱石標本をカバンから
取り出して眺めている、という夏の原風景のイメージが出来上がり、
憧れの的になっている。
存外小さくて、場所を取らないので趣味グッズとしては好都合だが、
少しだけ物足りない。私のささやかな「少年時代」の代理品である。

〇早池峰山歩く賢治の原風景夏の列車で鉱石を見る
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日々の随筆・夕月と悪漢

2024-09-16 00:03:12 | 無題
夕方、団地の上に、淡い夕月が見えた。
空は、毎日違うドラマを見せてくれる。
〇秋の暮れ団地の上に淡き月

体内から水分が抜けて没する疫病が、
終末の日に蔓延し、善人だけが生き残る
という噂を「善良な市民連盟」の会長が
まき散らし、善良な市民にだけワクチンを打つ
テレビドラマをNHKで放映していた。
この連盟の会長役が、舞踏家の麿赤児さんで、
実はこの疫病自体が真っ赤なウソで、
終末の日は来なかった、という星新一氏のSFの映像化。
麿赤児さんは、顔は怖いし、やっていることも、発想も
独特だが、話してみると、実に物腰の柔らかい
好人物である。3回ぐらいお話した。
吉祥寺の「壺中天」という小劇場に行くと
その大駱駝艦の団員さんのステージが気軽に見れる。
神奈川から吉祥寺は遠くて、足が遠のいている。

〇強面の麿赤児さんが映像で疫病物の黒幕となる
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