約10年前、住宅に換気扇を付けて24時間運転させることが建築基準法で定められました。
当時、住宅の断熱気密化が進み、建物内の空気環境が悪化して、シックハウスなどで体調を崩すユーザーさんが増えたことで定められた法律です。
当社では、30年近く前から高気密高断熱の家を施工していたので、30年近く前から計画的な換気を行っていました。
なのに、全ての住宅を一律に24時間0.5回以上の換気を行いましょうとするこの法改正に憤りを覚えたことを忘れません。
放っておいても勝手に換気がされてしまうような隙間の多い家に、お金を払って換気扇を付けて、24時間運転させて電気代を払うお客さんのことを考えると切なくなってしまいます。
換気は、家の性能、家の内部で使われる建材、置かれる家具、住まい方、使用する設備機器(調理機器や暖房機器)によって本来変えなければいけません。
きっとこのことは法改正を行う方々もわかっていたはずですが、大は小を兼ねる的な発想で、えいや!と定めた法律のように思います。
当時の住宅業界の環境を考えるとしょうがないことだったのかも知れません。
国の住宅性能に関するルール作りはまだまだ試行錯誤中で、全てが正しいとは言えないのが現状です。
ルールはルールで守らなければいけませんが、そのルールをより良い方向に変えて行く努力と、ルールの中で最善の方法を求めることを同時に行うことが大切です。
大変ですが、遣り甲斐ありまくりです。