2003年の法改正によって住宅では24時間換気が義務付けられています。
この法令化の流れを雑に説明すると「環境のために建築物の断熱気密を高めよう」→「気密を高くしたら空気環境が悪くなって病人が出たから換気扇を付けて24時間動かそう」・・・・意地悪な言い方をすると、保温性を保つために魔法瓶のような家を推し進めたら住む人が不健康になったので魔法瓶の蓋を取るように指導したような状況です。
蓋がないなら魔法瓶である必要はないですよね。
魔法瓶は注ぐ時にだけ蓋を開け閉めすることで保温性を保つことができます。
住宅もその性能や住まう人に合わせて換気のルールを設定すると良いのですが、多くの会社が建築して不特定多数が生活する住宅にそのような細かいルールや指導は難しい?為、「24時間換気の義務化」というところに落ち着いたのは仕方がないことなのかも知れません。
でも、1980年代から計画換気を行っていた当社からすると、無駄な換気を強要されたイメージが色濃く残ってしまいます。
当時行っていた計画換気は、ご家族の在宅時間や喫煙の有無、乳児やペットの有無などをヒアリングしてその家、その家族ごとに換気量を設定していました。
当時から現在と変わらないレベルの高気密高断熱住宅を提供していたので、生活者のことを考えると換気を行うことは当然です。
それに、ただ換気をするだけであればせっかくの性能がムダになるので「熱交換式換気扇」を採用して、空気環境と温熱環境をバランスよく維持していました。
それが、換気を行っていない住宅の危険性を回避する為に、気密性能のレベルや経験値云々関係なく一律で24時間換気が義務化となってしまいました。
理不尽とは思いつつも法律には逆らえません。
でも、その時の教訓から学んだことはたくさんあります。
法律そのものに影響力を持てるよう、技術者としてのプライドを持って誠実に実績を積み上げて行きます。
写真のSL。
鉄道はここから進化しました。
技術の結晶は美しいですね。