家と人、自分や仕事について

仕事で訪れる各地のこと、家のこと、自分の考え方など、出来る限り発信して行くつもりです。

ハウスメーカーとの違い

2010年07月01日 | 建築について

15年ほど前になりますが、東京の住宅展示場内でファースの家を出展していて、そこに勤務していた頃、大手ハウスメーカーの研究開発のご一行様が「勉強させてください!」と来場されたことがありました。

もちろん喜んで説明させて頂き、いろいろと意見交換をさせて頂いたのですが、その時に「福地さんの所の技術力と、当社の営業力があれば、住宅業界を制覇できますね」みたいなことを、社交辞令で言って頂きました。

営業の方にそう言われるならなんとなく納得できますが、開発の責任者の方にそう言われたことに違和感を持って「御社はとっくに住宅業界を制覇しているじゃないですか、できればもっとお施主様のことを考えた、快適で省エネな家作りを行って欲しいと思いますけど・・」と少し嫌味を言ってみたのですが、「福地さん、当社はたくさんの社員を抱えているし、社会的に納税の義務もあります。快適で省エネな家が売れるならいくらでも開発しますが、現在はそうじゃない。今現在売れる家を開発するのが私達の仕事なんです。」ときっぱりと言っていました。

正直、なるほどな・・と関心してしまいました。たくさんの従業員と社会的に大きな責任があれば、家作りの考え方は根本から変ってくるんだと、お腹の中から納得できた瞬間でした。

そして、地場に密着した工務店が強く勝ち残って行く道も見えてきた瞬間でした。

その時から、僕の家作りの信念は「快適、省エネ、長持ち」となって、今に至ります。

もちろん売れることは大切です。ただ、それを一番にしてしまうと、地場工務店は後から自分の首を絞めることになる可能性が高いです。

長い期間喜んで頂ける家を作って、初めてその先が見えてくると感じます。頑張りましょう!

写真は函館山山頂からの景色です。函館山は夜景だけではなくて、昼間もなかなか良いですよ。<o:p></o:p>