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内田康夫、靖国神社

2013-01-14 21:18:03 | 日記

25.1.14

1月9日、移動中にBOOKOFFがあり、つい立ち寄ってしまった。

そして、つい内田康夫の推理小説を数冊買ってしまった。

内田康夫氏は、既に150冊以上の推理小説を出している推理小説界の第一人者。

内田康夫の名は知らない人でも、浅見光彦の名は聞いたことがあるのではないだろうか。

浅見光彦は、内田作品にしばしば登場するフリーのルポライターで、もう一つの顔が名探偵であるという設定だ。

小職は、過去に内田康夫作品を100冊以上読破している。

社会保険労務士業には直接関係ない書籍だが、歴史には多少関係ある。

浅見光彦はフリーのルポライターだが、『旅と歴史』という雑誌の取材を主な仕事としている関係だ。

ということで、この5日間で3冊を読み終えた。

『氷雪の殺人』、『不知火』、そして『靖国への帰還』だ。

『靖国への帰還』だけ、浅見光彦は登場しない。

しかし、内田康夫氏は、扉に「ぼくの過去150作を超える作品のどれよりも、この一冊をあなたに読んでいただきたい。」と記している。

読んでみると、本当に多くの日本人に読んでいただきたい小説だった。

一部抜粋して紹介する(以下すべて、『靖国への帰還』から引用)。

・・・

英霊たちは無言である。

ただ、じっと黙って、日本人の心がもはや靖国神社から離れてしまっている現代を、見守っているしかないのだ。

戦場で撃たれ、あるいは飢えて死にゆく瞬間、彼らの脳裏には、母親や家族や恋人や郷里の風景や、そして靖国神社のことがかすめたことだろう。

遺書の多くに「靖国神社で会おう」と書かれているのは、母親の懐やふるさとに還るのと同じくらい、靖国神社へ還ることに安らぎを託した気持ちがあるからだ。武者(主人公の名)もそう書いた。柳もそう書いていた。

戦争で死んだ者の魂が靖国神社に還るのは、宗教的な「嘘」かもしれない。しかし、たとえ嘘でもいいのだ。そういう切ないまでの想いが込められていたことを信じてもらえさえすれば、靖国神社を信じて散った死者たちは慰められる。

・・・

(公務員、特に首相が宗教行事に参加することが許されないという問題に対して)

「それは靖国神社に限って問題にされているのではありませんか?伊勢神宮への公式参拝は行われているそうですし、首相が外国に行って、その国の宗教施設にその国の宗教に則って参拝することもあるでしょう。内閣総理大臣や衆議院議長の肩書などはその時その時の飾りのようなものですから、外していくこともできません。だからといって、内閣や衆議院がお参りするのではなく、参拝するのは、あくまでも個人です。それなのに、どうしてそんなに大げさに騒ぎ立てるのか、自分にはよくわかりません。」

(国益を犠牲にしてまで靖国神社に参拝すべきでないとする意見に対して)

「それはむしろ逆ではないですか。外国に脅されて、節を曲げるのでは、黒船来航に恐れをなして、不平等条約を結んだ時代と、少しも変わらないではありませんか。そういう追従外交をしなければ国益が損なわれるというのなら、『国益』のほうが間違っているのだと思います。たとえ経済的なしっぺ返しを受ける恐れがあろうと、毅然として信じる道を歩むのでなければ、国の尊厳を守ることなどできません。経済的な属国となり、さらに精神的な属国になるのでは、あまりにも情けないと思います。」