福岡髭爺の今日も絶好調!!

労働法、神社、郷土史、グルメ、他
※記載事項について、一切責任を負いません。

雇用問題

2008-12-02 21:31:02 | ニュース

日本経済の元気がない。
最近の労働関係のニュースは、雇用調整に関するものばかりである。
特に問題となっているのが、いわゆる非正規雇用である、契約社員、派遣社員、パート・アルバイト等の雇い止め(契約更新をしない)や解雇等である。

不況型の解雇は、専門用語では整理解雇という。
一般用語は、もちろんリストラ(リストラクチャリング)である。
整理解雇は、判例では、①経営不振による必要性、②解雇回避努力、③従業員との協議、④解雇対象者選定の合理性、が求められる。
しかし、一般的な中小企業(従業員数50名未満程度)においては、この②③④は極めて困難といえよう。

解雇回避努力について、一般によく実施されるのが希望退職者の募集である。
希望退職者募集では、優秀な人材ほど流出しやすい現実があり、かなり慎重に行う必要がある。
優秀な人材の流出は、その後の経営に深刻な影響を及ぼすことが明らかであり、経営基盤の立て直しがすすまないことにつながるからである。

従業員との協議について、協議するというよりも、説明するしかないのが現実である。
一般に、中小企業に従業員の主張を聞き入れるほどの余裕はない。

解雇対象者選定の合理性について、人員の絶対数が少ない中小企業においては、解雇対象者は経営側から見て不必要と考えられる従業員以外の選択肢はない。
このことを、第三者が見て合理的だと納得させるための根拠を示すことは、かなり困難である。

非正規雇用者が真っ先に狙われるのは、いわゆる正規雇用者(正社員等)を解雇するためには以上のような困難を乗り越える必要があることが原因である。
つまり、正社員のために犠牲にならざるを得ない立場にあるのである。

政府は、非正規雇用者をできる限り正規雇用にシフトしたいと考えているが、正規雇用した会社の将来のことは全く考えていない。
現行労働法の根底にあるのは、「雇用の維持継続」であり、雇ったら最後辞めさせられないという現実である。
会社として、簡単に正規雇用できないのは、労働法制が原因であることは明らかである。

会社が強くなければ、雇用は維持継続できないし、維持継続できたとしてもそれが必ずしも良いこととは考えられない。
まずは、会社が力をつけることが必要である。
そのためにも、国として労働法制によって会社を縛ることだけを考えるのではなく、会社の裁量権を強化する必要がある。

大学卒業して大企業に就職すれば一生安泰、という時代ではないはずである。
しかし、労働法制はますますこの雇用維持継続のために規制を強めてきている。
日本経済がここ一番で立ち上がれないのは、ここに問題があると考える。

ちなみに、最近よく労働分配率の話が出る。
企業は利益を出しているのに、従業員に還元していない、という話ばかりである。
還元できないのは、これも労働法が悪い。
なぜなら、うかつに昇給すると、簡単に降給できないような仕組みだからである。
即ち、利益が増えれば昇給し、減れば減給、という当然とも思える話のうち、「減れば減給」が簡単にできないから昇給も躊躇するのである。

また、セクハラ、パワハラ等のハラスメントの問題も、会社経営をややこしくしている。
セクハラやパワハラの被害者の主観、という客観的にわかりにくい基準で、会社に対して責任を問うしくみが問題である。
明確に使用者責任を問われるべき事案ならわかるが、セクハラやパワハラの大部分は加害者個人の性格に起因することが大きいのであり、社会人として個人責任をもっと追求すべきところと考える。

安易に会社に使用者責任を負わせることは、会社が雇用を嫌う原因となる。
それでも雇用せざるを得ないから、「切りやすい」非正規雇用に走ってしまうのである。

個人的に「権利」という言葉が大嫌いである。
権利には反対側に「義務」が存在するのであり、言葉としては正しく「権利と義務」と表現すべきである。
労働法は、使用者に義務を、労働者に権利を与えるだけで、極めて不均衡・不公平な法律である。
その歪みが、私たちの日本国をさらにおかしくしてしまいそうで、不安で仕方ない。


徹底解説就業規則作成マニュアル

2008-10-22 19:33:56 | ニュース

何気なく、自分の名前「安藤政明」でネット検索したところ、先日発行された『徹底解説 就業規則作成マニュアル(財団法人大蔵財務協会)』がやたらヒットして驚いた。
友人である東京の社会保険労務士・安藤健一との共著であるが、様々な書店がネットでも販売していることを知った。
なぜか「政府刊行物」として取り扱われているケースがあり、意外だった。

中でも、amazonでは品切れとなり、中古品として出品者が6,225円という値段をつけていたことに驚いた。
定価は2,000円であるが、品薄とみて根付けしたものであろう。

安藤事務所では、もともと就業規則関係業務には強く力を入れていたが、本年労働契約法が制定されてからは以前にも増して就業規則の依頼が増加している。
就業規則に関して、一般的な経営者の認識はまだまだ極めて低い状況ではあるが、中にはその重要性を理解する方が少しずつ増加しつつあるように感じる。

就業規則は、個別労働契約の「契約条項」となる重要なものである。
自社の就業規則について、すべての条項を暗記する必要はないが、少なくとも大まかな内容を理解しておかなければ、後日痛い目に遭う可能性が高くなる、という法則は成立する。

ほんの少し前までの中小企業においては、「労使紛争」は他人事で、仮に当事者になっても労働基準監督署などの行政機関や裁判所等を介した争いになることは少数であった。
それが今やこのようなことが日常茶飯事である。
争いの内容も、解雇や残業代等についてはパターン化してきたが、一方、過重労働やハラスメント(セクハラ、パワハラ等)については日々進化している。

最早、道徳や一般常識は通用しない。
今まで問題なかったことも、今からは問題となる。

今後ますます就業規則専門家の需要が高まると思われる。
個人的に活躍の場が増加するという意味では喜ばしいかもしれないが、時代の流れがさらに「日本人らしさ」を薄めていくかと思うと悲しくもある。

話は変わるが、久しぶりにHPを更新した。
http://www.fukunet.or.jp/member/ando/


国際司法裁判所・竹島

2008-07-15 20:35:49 | ニュース

竹島問題が再燃している。
竹島は、古くから日本の領土であり、歴史的、国際法上にも間違いなく固有の領土である。

先の大戦で敗れ、連合国占領下の日本には、事実上外交権も何もなかった。
まさにその最中に、韓国の李承晩大統領が一方的に竹島領有を宣言した。
これ以来今日まで不法占拠を継続し、もともと無人島であるが常駐者までおいて実行支配を続けている。

サンフランシスコ講和条約が成立し、日本も国家として発言できる立場を回復すると、すぐに韓国の不法占拠に対して『国際司法裁判所への提訴』を提案。
歴史的・国際法的に第三者が裁くことが不利だと熟知する韓国は、当然ながら拒否。
この後も数回にわたる国際司法裁判所への提訴をもちかけても、韓国の同意が得られないままである。
この事実だけを見ても、明らかに本来日本の領土であることがよくわかる。

ちなみに、小職は労働法専門家であって国際法には疎いが、国際司法裁判所への提訴は、当事国の合意がなければ提訴できないようである。

韓国では竹島のことを「独島」と呼称し、小学生にもわざわざ「韓国固有の領土」と教えている。
日本では全く触れられない。
この差は何だろう??

一般の韓国人は、竹島の歴史や法的状況を自ら確認する、という人は少数で、小さな頃から当然のように自国の領土と教えられ、それを信じているだけなのである。
もちろん、そこに悪気はない。

仮に、ある日突然「対馬は韓国の領土だ」と韓国が主張したら、日本人は怒るに違いない。
何故なら、当然日本領土と信じているし、隣国が固有領土と教えていないからである。
裏を返せば、韓国人にとっての「独島」は、このようなものではないだろうか。

問題は、日本の教育にある。
もっとはっきりと領土問題への認識を日本人として教えるべきである。
政府の無策が、島根県民の漁業就業者にいかに不利益を与えてきたか。
政府の無策が、歯舞諸島(北方領土)で操業中にロシア国境警備隊に銃撃されて死亡した。
日本政府は、「タテマエ」だけで北方領土や竹島の領有権を主張しており、実態としては放置しているだけである。

日本は平和国家で、日本人は平和愛好家である。
このこと自体には何ら問題はない。
しかも、諸外国との有効な関係を重視している。
このことも良いことであり問題ない。
しかし、外国への配慮は、国益を損なってまで行うことではない。

国際社会では、主張は主張としてはっきりしなければ、むしろ国際関係を悪化させる原因になるのである。


労働経済白書骨子案

2008-05-04 18:42:30 | ニュース

今朝の日経新聞で、厚生労働省の2008年版「労働経済の分析(労働経済白書)」の骨子案が明らかになった、という記事を目にした。
記事によると、概ね次のようなことである。

①仕事に対する満足度が長期的に低下
②その理由はパートや派遣スタッフ等の非正規雇用が増加していること
③長期的視点に立った採用・育成が必要

わが国の労働法制は、その根底が「弱者である労働者を、悪徳経営者から守る」というものである。
その結果、雇用してしまえば、その労働者がよほど悪いことでもしない限り、定年まで賃金保障させられてしまうのが現実である。
つまり、長期的視点で雇用することが、事業所にとって『莫大なリスク』となってしまっているのである。
近年は労働紛争が激増したため、多くの事業者が『雇用リスク』を強く認識するようになった。
その結果として非正規雇用に流れたことは、当然の帰結である。

労働経済白書の骨子案の記事から推測すると、おそらく白書は最終的に「正規雇用の必要性」を説き、「企業の社会的責任」のような締め方をするものと考える。

しかし、企業側から言わせれば、優秀な人材は欲しいが、そうでない人材を抱える余裕は無いのである。
できることなら、多くの人材を雇用することで機会を与え、労使双方が納得した者が長期雇用として継続したいと願っているのが本音だろう。
現状は、体力のある企業だけが、例え悪質な労働者であっても、定年まで抱え込んでも利益を出せるのである。

白書骨子案の③への対策は、企業が採用しやすい法制度の整備をすすめることである。
現行法のように、事実上解雇できない法制度では、最初から長期雇用することはあまりにも企業だけに大きなリスクを負わせている。
労働者が事実上いつでも勝手に退職できることに対し、企業への解雇規制はあまりにも厳しすぎるのが実態であり、均衡を失する。
解雇規制を弱めれば、企業は採用しやすくなる。
当然、『正規雇用』が増加し、長期的視点で育成可能なケースが増加するのである。

また、中途転職者の能力も十分に活用するために、長期的視点だけに偏らない法制度であることが望ましい。


ガソリン税・メーデー

2008-05-01 19:54:22 | ニュース

本日より、ガソリン税が復活した。
昨日ガソリンを入れようと思ったが、どこも並んでいたので入れそびれた。
一気に約30円も上げられると、かなり負担増である。
やはり昨日並んで入れておくべきだった...

今回のガソリン税の期限切れ・復活劇で、最も迷惑を被ったのはガソリンスタンドやその関係者である。
もし何らかの事情でいったん社会保険料が安くなり、1カ月後に再度値上げされたとすれば、社会保険労務士事務所も各企業の人事労務担当者等もかなり大変だろう。
政府は、国会の混乱によって国民に理不尽な迷惑をかけるようなことがあってはならないと強く思う。

本日はメーデーである。
メーデーとは、簡単にいうと「労働者の日」である。
労働組合が何かと企業に要求したり行進したりする日であるが、労働組合の組織率は低調で、以前のような活気はない。

個人的には使用者側の立場で業務にあたっているが、メーデーという日の存在そのものを否定する気はない。
むしろ、メーデーを祝日にして欲しいと考えている。
理由は、国民の祝日に関する法律の第3条第2項である。
『その前日及び翌日が「国民の祝日」である日は、休日とする。」

5月1日が祝日になれば、どうなるか?
4月30日は、その前日(29日)と翌日(5月1日)が祝日となり、休日となる。
さらに5月2日も、その前日(1日)と翌日(3日)が祝日となり、休日となる。
即ち、4月29日~5月5日までの7日間のカレンダーの色が最初から赤くなる。

「労働者の日」にふさわしい、「休日の増加」にもつながるケースが多いと思われるし、年に一回くらい、こういう長期休日があってもいいのではないだろうか?