弊所は、本日までで年内の業務は終了だ。
一年間、多くの方にお世話になり、心から感謝の気持ちを表したい。
今日は、福岡県社会保険労務士会福岡支部主催の雇用保険研修会に出席した。
ここ5年以上は、あまり業界の研修会には出席していない。
しかし、今日の研修会は、雇用保険手続きに関して「照合省略指定」を受けている社会保険労務士は必修とされているものだ。
雇用保険制度は、年々複雑化してきている。
一つは、雇用保険被保険者適用資格。
短時間就労者については、もともと「1年以上の雇用の見込み」とされていたのが、リーマンショックの影響もあって「6カ月以上の雇用の見込み」と改定されていた。
これが、本年4月以降、「31日以上雇用の見込み」に変更されたのだ。
雇用保険は、週20時間以上の労働者が被保険者対象とされるが、10年くらい前までは年収90万円以上という条件もあった。
今や約1カ月だけの雇用でも、わずか週20時間で被保険者となる。
ここまで被保険者対象を増やす必要があるかどうかは疑問だ。
私見は、週30時間以上くらいを適用条件としてよいのではないかと考える。
(ついでにいうと、社会保険と雇用保険の適用条件を揃えた方がわかりやすいし妥当だと考える)
次に、特定理由離職者制度。
これも5年くらい前までは、単純に会社都合、自己都合くらいの分け方しかなかったものが、新たに「特定受給資格者」という制度ができていた。
これに追加されたのが、特定理由離職者だ。
一応平成24年3月末までに離職した場合を対象とする期限付き。
特定理由離職者とは、自己都合退職であるが、その退職理由が「正当理由」である場合をいう。
自己都合退職が正当理由というのも変な感じだが、さらに不思議なのがその対象だ。
次にその対象を紹介しておく(労働局HPから貼り付け)。
I | 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)(下記「特定受給資格者の範囲」のⅡの(7)及び(8)に該当する場合を除く。)(※)
| ||||||||||||||
II | 「以下の正当な理由のある自己都合により離職した者(※) | ||||||||||||||
(1) | 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者 | ||||||||||||||
(2) | 妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条1項の受給期間延長措置を受けた者 | ||||||||||||||
(3) | 父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合又は常時本人の介護を必要とする家族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職をした場合 | ||||||||||||||
(4) | 配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した場合 | ||||||||||||||
(5) | 次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者
| ||||||||||||||
(6) | その他、上記「特定受給資格者の範囲」のIIの(10)に該当しない企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した者等 |
ここで、離職証明書(離職票)の離職理由の記載について、知っておきたいことがある。
たとえば結婚して転居するため等明確な事由があれば、『一身上の都合のため(婚姻に伴う転居のため)』のようにあらかじめ記載するとよい。
ただし、最も注意しておきたいことは、本人の希望に応じて、事実確認もせずに何らかの事項を書き加えてはならないことだ。
確実に確認できないときは、単に『一身上の都合他のため』のみ記載しておけばよい。
あとは、本人と公共職業安定所の給付課で協議すればよいだけのことだ。
この特定理由離職者、被保険者期間が6カ月以上12カ月未満のときに限り、失業等給付日数が優遇される。
12カ月以上の場合は、支給制限期間(いわゆる「3カ月待ち期間」)の優遇のみだ。
特定受給資格者に加え、特定理由離職者まで制度化されたため、退職労働者が受給資格手続きの際に何とか有利になるようあれこれ申告するケースが増えている。
その都度事業所に確認が入るわけだが、離職者の主張が認められる場合、認められない場合等様々だ。
雇用保険制度、もう少しすっきりした制度にできないものか。
私見は、離職理由にこだわるよりも、扶養する子の有無、配偶者の所得状況等を勘案する制度とした方が、本当に困っている人を助ける制度になるような気がするが。
昨日は、労働保険年度更新、そして引き続き社会保険算定で繁忙を極めた弊所職員及びいつも人手不足の際に手伝ってもらっている臨時職員に感謝するお疲れ様会を行った。
思えばこの約2カ月、本当に大変な日々だった。
昨年までは、ここまで大変に感じなかったが、今年は通常業務の他に特殊な業務も多数重なったように思われる。
最終的にこれらを乗り越えることができたことに、深く感謝したい。
昨日の焼肉写真を掲載する。
ちなみに、今日のお昼は「フッカー」さんとお好み焼き。
先日もお好み焼きをご一緒させていただいたが、真夏に鉄板間近で食べるのは修行ともいえる。
今年は、労働保険概算確定申告(年度更新)、社会保険算定基礎届手続とも、主として電子申請で対応している。
電子申請は、申請手続きの利便化を求めて開始された手段のはずだが、予想以上に不便である。
弊所では、かなり電子申請を活用しているが、一時期にそれなりに量の申請が必要なときは、電子申請の方が圧倒的に時間がかかる。
やや時間がかかる、というレベルではない。
数倍時間がかかるのだ。
考えてみれば当然だ。
紙申告なら完成して後は届出だけ、という段階まで来て、それから様々な入力が必要なのだから。
しかも、1件1件やっていかなければならない。
紙なら、まとめて提出で完了だ。
来年からは、以前のように紙申告に戻したい。
話が変わるが、労働基準監督署臨検調査による是正勧告。
現在あちこちの労働基準監督官がかなり頑張っているように感じられる。
例年7月に監督が入るケースが多い。
7月は、社会保険労務士は社会保険算定のため非常に身動きが取りにくい時期だ。
是正勧告に対する是正報告は、通常指定期限が1カ月後だ。
従って、7月の是正勧告に対しては、8月が報告期限となる。
報告期限までに、法違反の状態があればこれを改善し、指導票の指導事項等については実際の運用の中で改善事項の報告が必要だ。
少なくとも、是正勧告書が交付されてから2週間以上放置したりするとかなりきつくなる。
このような中、弊所関与先様のうち数件、しっかり監督官の臨検調査を受けている。
定期監督と思われる臨検監督、労災事故に関する災害時監督などだ。
「是正勧告と解雇予告除外認定申請のときは、生き生きと仕事している」と職員から指摘された。
別に生き生きとしているつもりはないが、労務士として極めて重大な業務であることは間違いない。
解雇予告除外認定
そういえば先月は、解雇予告除外認定申請を2件申請した。
本年4月以降で3件。
もちろん全件認定された。
認定まで要する期間は、小職の場合1週間程度だが、3件目申請は、土日含めて5日(3営業日)で認定された。
過去の最速記録が3日だが、このときは土日を含んでいなかったので、ほぼ同じ迅速さだった。
解雇予告除外認定申請は、意味がないとよく言われている。
それも、専門家である社会保険労務士がそう言っている。
意味がない理由として、申請から認定まで30日以上かかるケースがあるとか、準備期間+申請から認定までの期間で1カ月かかる、というもののようだ。
しかし、今回の例では、最初に労働者の非行の話を経営者から聞いた日があり、書面準備、関係者押印等を完了させて申請したのがその2日後。
そして5日後に認定書が交付されたのだから、準備期間を含めても7日間だ。
大いに意味がある。
さらに、解雇予告除外認定を受けないのであれば、例え横領犯であっても、30日前解雇予告するか、又は30日分の平均賃金を支払わなければならない。
泥棒に追銭だ。
参院選
ところで明日は参院選。
以前もブログに書いたが、熊本選挙区の本田浩一を応援して欲しい。
小職とは高校の同級生。
致命的な欠点は、民主党であることだ。
外国人参政権、夫婦別姓など、日本の歴史や伝統を否定し、昨年8月にはわれらが国旗日の丸を切り刻んだ民主党だけは、絶対に許せない。
本田浩一は、今までの流れから民主党に属してしまうという不幸な状態にあるが、将来は立派な政治家として、日本を正しい方向に導く男になるものと信じている。

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