三原順という少女漫画家は私が10代の思春期の頃に友人たちと夢中になって読んだ作家でした。
絵は目が顔半分くらいのキラキラした可愛いものなのですが、実は内容はすさまじく深く、後になって知るのですが作家さんの読書には数多くの哲学書・心理学書等々の膨大なものがあり、それらがセリフや物語展開の中に織り込まれておりました。しかも10代の少女たちに楽しめる形に変換してです。これは凄いことです。
1979年のスリーマイル島の事件の後は、アメリカの原発を舞台にする物語「Die Energie 5.2 ☆ 11.8」なども描かれていたんですが、それは実にチェルノブイリの原発事故の起こる前。
どれだけ問題意識が早かったのか、と今になって舌を巻きます。
しかも単なる反原発の立場ではなく(主人公は電力会社勤務)、さまざまな立場の人を描きながら、利権問題も絡め複雑に進行する物語です。単純に善悪分かれない。
今読んでもそこに出てくる各種の問題は、現在の状況にもそのまま当てはまるものが多く、福島の原発事故の後にこの作品は皆が口々に語りました、何年前に描かれた話だよ、すごすぎる、と。
原発問題を始め、政治的なことは私は白黒はっきり善悪が分かれるものではないとどこかでいつも思っていました。それだけにどこで落としどころを見つけるかが一番のカギだ、と。そういう考え方は実は子供時代から読んでいた三原作品にあったのだなと今になって思うことも多いです。
残念ながら若い頃から心臓を患っておられたので、病死されたのが今から20年前。今となっては私自身はもう先生の享年を追い越してしまいました。
作家の死を知ったファンの熱い声で、ファンの手で原画展が開催されたのが1998年、そのほかにも本が何度も復刻される運動が起き、現在は、神保町の米沢嘉博記念図書館で原画展が開かれています。
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-miharajun.html
そして4月に入って、河出書房新社さんから特集本も出ました。
カラーがいっぱい収録され、作品リストなども充実した一冊です。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309275796/
三原順のファンの方には是非お手元に置いて頂きたい一冊です。
この本の編集を「図書の家」がやっております。
私は一部お手伝いということで、作品データ部分のあらすじ作成に協力しております。
(全体の仕事量からいくと微々たるものです;1月から2月はけっこうこれに時間掛けてました…が、さほどお役に立てずすみません、という気持ちです。)
ここを普段読みに来る方にはあまり縁がない話かと思いますが、検索で来て下さる方の目に留まりますように。
おかげさまで非常に好評で売れ行きはまずまず良いそうです。一ファンとしても非常に嬉しい。
重刷かかるといいなと思っています。
三原順のキーワードでいらした皆様、どうぞよろしくお願い致します。
絵は目が顔半分くらいのキラキラした可愛いものなのですが、実は内容はすさまじく深く、後になって知るのですが作家さんの読書には数多くの哲学書・心理学書等々の膨大なものがあり、それらがセリフや物語展開の中に織り込まれておりました。しかも10代の少女たちに楽しめる形に変換してです。これは凄いことです。
1979年のスリーマイル島の事件の後は、アメリカの原発を舞台にする物語「Die Energie 5.2 ☆ 11.8」なども描かれていたんですが、それは実にチェルノブイリの原発事故の起こる前。
どれだけ問題意識が早かったのか、と今になって舌を巻きます。
しかも単なる反原発の立場ではなく(主人公は電力会社勤務)、さまざまな立場の人を描きながら、利権問題も絡め複雑に進行する物語です。単純に善悪分かれない。
今読んでもそこに出てくる各種の問題は、現在の状況にもそのまま当てはまるものが多く、福島の原発事故の後にこの作品は皆が口々に語りました、何年前に描かれた話だよ、すごすぎる、と。
原発問題を始め、政治的なことは私は白黒はっきり善悪が分かれるものではないとどこかでいつも思っていました。それだけにどこで落としどころを見つけるかが一番のカギだ、と。そういう考え方は実は子供時代から読んでいた三原作品にあったのだなと今になって思うことも多いです。
残念ながら若い頃から心臓を患っておられたので、病死されたのが今から20年前。今となっては私自身はもう先生の享年を追い越してしまいました。
作家の死を知ったファンの熱い声で、ファンの手で原画展が開催されたのが1998年、そのほかにも本が何度も復刻される運動が起き、現在は、神保町の米沢嘉博記念図書館で原画展が開かれています。
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-miharajun.html
そして4月に入って、河出書房新社さんから特集本も出ました。
カラーがいっぱい収録され、作品リストなども充実した一冊です。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309275796/
三原順のファンの方には是非お手元に置いて頂きたい一冊です。
この本の編集を「図書の家」がやっております。
私は一部お手伝いということで、作品データ部分のあらすじ作成に協力しております。
(全体の仕事量からいくと微々たるものです;1月から2月はけっこうこれに時間掛けてました…が、さほどお役に立てずすみません、という気持ちです。)
ここを普段読みに来る方にはあまり縁がない話かと思いますが、検索で来て下さる方の目に留まりますように。
おかげさまで非常に好評で売れ行きはまずまず良いそうです。一ファンとしても非常に嬉しい。
重刷かかるといいなと思っています。
三原順のキーワードでいらした皆様、どうぞよろしくお願い致します。