アマオケ活動記ブログ版

所属しているアマオケ(群馬シティフィル)での活動を中心に演奏会案内や練習状況など零します。

祝増刷!!『文藝別冊 萩尾望都 ~少女マンガ界の偉大なる母~』

2010年06月06日 | Weblog
私も一部協力させていただきました『文藝別冊 萩尾望都 ~少女マンガ界の偉大なる母~』(河出書房発行 A5 ● 236頁 発売日 2010.05.14定価1,200円(本体1,143円)ISBN 978-4-309-97734-8 )
ですが、発行当初から好調に動きまして、先月の内に増刷が決まったとは伺ったのですが、既に増刷されたようです。
この機会に買いそびれていた方いましたら、是非またご入手くださいませ。
ブログ等の感想を見ても非常に評判が良いみたいです。このような本に微力ながらでも関わらせてもらえて本当に良かったな~と感謝しております。

私自身発行を非常に楽しみにしていて早速一部購入して(贈呈は「図書の家」にあり、主宰から送っても貰ったのですが早く読みたかったので書店で速攻で一冊買っちゃいました)
読んだのですが、何より萩尾先生へのロングインタビューがまず充実の内容です。
テープ起こしの作業で全体の内容を先に聞いてはいたのですが、ヤマダトモコさんがそれを非常に読みやすくすっきりとまとめられて、読み応えのあるものになっています。
マネージャーの城さんへのインタビュー、これはテープ起こし作業をあまり手伝えなかったので今回まとまったものを読めて非常に興味深かった。ヤマダさんが超多忙なのを知ってるので、そんな中でこれだけよくまとめられたなあ、と思います。

さらには萩尾さんのご家族のインタビューもあり、これがお父様お母様、お姉さま妹さんとそれぞれの立場関係からみた身内としての萩尾さんの話なわけで、これまた非常に面白かったです。
人間・萩尾望都という感じで、このインタビューがまとまってるだけでもこの一冊は有意義な内容なのですが、そのほかにも萩尾さんを愛する身近な作家さん達が萩尾さんへの思いを熱く語られていたり、海外の研究者の方が熱く語っておられたりするわけで
保存版としての価値が高い一冊になっています。
編集さんが不眠不休で頑張っておられたのも主宰とのメールのやりとりの時間の物凄さで(返信が明け方近かったり;)知っているので、それだけの情熱の賜物という一冊です。

萩尾先生ご家族の子供の頃の写真などもありますが、大牟田という地方なのですが、お父様はバイオリンを愛好されていて戦地でもバイオリンを手放さなかったというような方なのです。お母様は手先が器用でお洋服など作ってくれていたとか、萩尾さんご自身も服飾の勉強をされたとか、もろもろ・・ご家族全体がどこか垢抜けておしゃれなんです。
萩尾作品が当時としても図抜けて垢抜けているのは家庭環境に漂う海外文化への憧れの吸収もあったのかなーなども思いました。
ちなみにお父様が戦地でもバイオリンを手離さなかったという話は『月夜のバイオリン』という萩尾さんのエッセイに収められています。
アマチュアの域を超えていらっしゃるお父様自身が本も出されています。
『南方記―戦地で弾いたバイオリン』萩尾 浩著
興味のある向きはこちらもどうぞ。
美しいものに憧れる気持ちが萩尾さんに素晴らしい作品を描かせているんですね。萩尾作品は音楽をテーマにしたものもいくつかあるのですが、それ以外でも線描が非常に音楽的なムーブメントを持っています。
『銀の三角』といったSF作品などいいですよ~。