本と映像の森 317 『季刊 邪馬台国 第138号=2016年2月』
「古代史の総合雑誌」という副題がついている季刊雑誌です。発行は福岡県福岡市の梓書院、当然、日本では数少ない(いや唯一かも)「邪馬台国九州説」に明確に立つ雑誌です。ぼくは創刊号から読んでいます。
ただし、長く編集長を務め、いまも健筆をふるっている安本美典さんの主張に、ぼくは全面賛成ではありません。一つひとつの主張を、みなさんが自分で考えて、判断していかないと、「信じる」のは危ないです。「信じる」のは宗教であって、科学ではありません。
今号は「総力特集 奴国の時代」です。日本の歴史上、初めて対外的に認められた国家、「倭奴国」なのに、ほとんど学会では2世紀後の「邪馬台国」の1%も論争がないようです。
「倭奴国」が福岡にあったことは、ほとんど異論がないようです。博多湾の「志賀島」で出土した「金印」もありますし。
『季刊 邪馬台国』は、書店で買えます。ぼくは谷島屋で定期購読しています。A5版で、192ページ、定価1350円(消費税込み)です。
日本古代史に関心のあるアマチュアの方の必読文献、と思います。
目次を抜粋しておきます。
安本美典「年代論争 縄文・弥生はいつからか?」
編集部「奴国の時代(2)」
上田龍児「奴国の東 ー大野城市の弥生時代遺跡-」
岩瀬聡「安徳台遺跡群について」
井上筑前「奴国の遺跡群」
笛木良三「『三国志』の写本検索」
澤田康夫「連載 考古学入門講座 第2回 弥生式土器」
井上修三「連載 世界遺跡巡り 第10回 フランスの巨石文化 カルナック」
河村哲夫「連載 ブッダへの道 第14回 法顕が見た5世紀初頭のアジア」