雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森 131 横溝正史『八つ墓村』角川文庫、原作1949年

2018年05月02日 13時19分13秒 | 雨宮日誌

新・本と映像の森 131 横溝正史『八つ墓村』角川文庫、原作1949年

2014年7月の「本と映像の森 306」の再録です。

「2014年07月10日 18時07分42秒 | 本と映像の森

本と映像の森 306 横溝正史(せいし)著『八つ墓村』角川文庫、原作1949年3月~1951年1月

 30数年前、映画『八つ墓村』の広告で「祟りじゃ!祟りじゃ!」というのがあって、つまりおどろおどろしいオカルト小説だろうと思い込んでしまい、ずっと読みませんでした。

 金田一耕助探偵が今回はあまり活躍しない副主人公なのですが、以外にまっとうな探偵小説です。推理小説というには推理の余地はあまりないように思います。

 でも筋はしっかりしていて面白いです。主人公の寺田辰弥(たつや)は、鳥取県と岡山県の県境にある寒村です。八つ墓村の旧家・田治見家から母とともに2才の時に八つ墓村から逃げた。

 つまり旧家の跡取り息子なのだが、祖父が神戸に辰弥を迎えに来たその諏訪法律事務所で突然、その祖父が突然、血を吐いて急死するところから物語は始まる。

 八つ墓村に伝わる「落人を村人が惨殺した伝説」と実際に田治見家の当主、つまり辰弥の父が、母と幼児の逃亡後数日で起こした32人虐殺事件とがからみあって、村人の心をむしばんでいく。

 つまり第3の惨劇の幕が開くのだ‥。

 この惨劇とからみあって、主人公辰弥と3人の女性との複雑な糸のもつれも、極めて興味深いものがある。

 つまり西の旧家の未亡人美也子と、辰弥の姉の春代と、辰弥からは従姉妹になる年下の典子の3人である。

 舞台は、地上と地下の鍾乳洞になる。後半にいけば、ほとんど舞台は地下に潜り、鍾乳洞の暗黒の中で殺人事件が進行していく‥。

 金田一耕助が物語の最初に辰弥に警告したように、最後の。8人目の犠牲者に予定されているのは辰弥であることは確実である‥辰弥は生き延びることができるのか‥。

 なお原作とはかなり違う、ストーリーも結末も変えてしまうような映画『八つ墓村』もあるようなので、映画を見る方は注意が必要です。」

 

 


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