本と映像の森 171 五味川純平原作の映画『人間の條件』
NHkのBSプレミアムで、15日夜から6夜連続で上映されています。むかし若い頃、名古屋でオールナイト上映を見たような,見ないような・・・・。録画しましたので、則子さんといっしょに見てここで書きます。
1959年から1961年に小林正樹監督で、6部作としてつくられた、総上映時間9時間31分の映画です。
旧「満州国」、中国の人たちのいうところの「偽満州国」を舞台に、仲代達也さんの主人公がたどる人生を描いた映画と思います。
ネットで見たら「反日映画」「人間の條件」って洗脳映画でした!」というブログがありました。なるほど、そういう見方もありえるんでしょうね。とくに、1960年前後と言えば、ソ連の日ソ戦争参戦やシベリア抑留について、批判精神は保守にも革新にもほとんどない時代だと思うのですが。
もしかして、保守や右翼の人には、具体的な「日ソ戦争参戦批判」「シベリア抑留批判」が1960年前後にあったのでしょうか?あったとしたら、ぼくは、その先見性に脱帽します。
その」「人間の條件」って洗脳映画でした!」をきちんと読むと、「赤いソ連」「日本帝国」「赤い中国」という3つの視点に縛られていて、自由な市民の視点がないと思いました。
どうして,2011年に生きている日本人の1個人が「ソ連共産党に反対か賛成か」「中国共産党に反対か賛成か」「大日本帝国に賛成か反対か」とう視点で、生きなければいけないのでしょうか?
そんな狭い「井戸の底からの」論議はやめて、もっと広い大地に出てみれば?と思います。
なお、ぼくは「ソ連共産党」にも「中国共産党」にも「大日本帝国」にも反対ですので、誤解無きよう。