雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森 143 ゆうきまさみ『鉄腕バーディ』<1・evolution5・13の再録>

2018年06月10日 15時13分50秒 | 本と映像の森


新・本と映像の森 143 ゆうきまさみ『鉄腕バーディ』<1・evolution5・13の再録>

 ボクの大好きな傑作マンガ『鉄腕バーディ』です。

 以下、まず「1」の再録

「2010年06月28日 05時51分42秒 | 本と映像の森
本と映像の森55 ゆうきまさみさん『鉄腕バーディー 1』<ヤングサンデーコミックス>、小学館、2003年7月5日初版第1刷、203ページ、定価505円+消費税

 廃墟マニアのふつうの(「廃墟マニア」は、普通じゃないって!)中学三年生の、千川(せんかわ)つとむが主人公です。
 
 つとむは、同級生と廃墟探検に行った先で、銀河系規模の、宇宙人同士の抗争に巻き込まれて、もう一人のメイン主人公「連邦捜査官」バーディーの誤射で射殺されてしまい、責任を感じたバーディーの身体に心と人格をコピーされて同居するはめになります。

 身体は、地球人・千川つとむと宇宙人・バーディーの両方にスイッチできて、心はつねに両者が存在する「二重心理」状態で、2人の共同の探索が、はじまります。

 目的は、バーディーにとっては、アルタ帝国復活をたくらむ重犯罪人「クリステラ・レビ」の逮捕です。
 でも、つとむにとっては?

 問題なのはバーディーは若い女性で、つとむは若い男性です。、

 おもしろいのは、レビ側の宇宙人である中年男性「ゴメス」でしょうか。
 「レビ」も「ゴメス」も、たんなる悪役ではなく、
 存在に意味のある、ある意味、魅力的な人格として描かれていると思います。
 それでなければ、彼らが異星の地球に根付けるわけがありません。

 おすすめは巻末の「らくがきまんが」です。バーディーを俳優にして同じ設定で映画を撮るという設定で、撮影所の3ページ。
 いちばん好きなのは、撮影終わって、夕方、魚屋で「シャケの切り身ください」「今日はサバがうまいよ!」「えーと、じゃあサバ」という会話!

 同じような設定で、違う意図で、一色登希彦さんがマンガ『日本沈没』の最終巻で、映画の登場俳優、全員集合飲み会みたいなネタで盛り上がっていましたね。

 いま現在、第1部は20巻で、第2部に以降。
 第2部もおもしろいです。
 また紹介したいです。」

 次に「evolution5」の再録。

「2011年05月07日 20時22分01秒 | 本と映像の森
本と映像の森 150 ゆうきまさみ『鉄腕バーディevolution 5』小学館、2010年7月5日初版、200ページ、定価524円+消費税

 「鉄腕バーディ」の新シリーズ「evolution」の5巻です。

 ネタバレあり!新鮮に夜みたい人は,以下、読むべからず。

 鉄腕系の宇宙人アルタ人捜査官バーディと融合した地球人千川つとむが、二重人格的にこの世界の謎を追うのですが、バーディの過去へ話が飛んだり、ちょっと総花的に分散していたストーリーが、ここに至って、急に収束してきました。

 生体融合技術を地球で追求しているレビたちが作りだした人形へ、つとむの級友だった中杉さやかの意識を融合させたことで、「さやか」は千川に近づくようになり、物語はついに、つとむと「レビ」の邂逅に至ります。

 千明(ちぎら)など、これまで振ってきたサブストーリーが生き生きと立ち上がってきます。

 レビは、定刻の末裔の「皇帝」の老化した身体から、精神を人形に移植しようとしています。

 「蛇、長すぎる」と、途中で投げ出している人には、おすすめです。」


 最期、「evolution13」です。
 
「本と映像の森 227 ゆうきまさみ『鉄腕バーディ レボリューション 第13巻』
2012年10月03日 06時27分30秒 | 本と映像の森

 9月末に発行された「鉄腕バーディ」の最終巻です!

 「レボリューション」だけで13巻、その前の「鉄腕バーディ」が20巻ありますから、全33巻です。

 まとめて言うと、思い切り広げた伏線と登場人物が活躍できず、わずか3人いや4人、レビとゴメスとバーディ(=つとむ)だけで、それも地球上からのワープ(わかります?)で解決してしまった。

 解決のシーンは、ぼくの予想通りですが、実際は千明くんや人形・シルフィアも、帝国軍も、レビが支配下においた皇帝陛下も、連邦軍も、メギウス警部も、椿さんも、みんな何も手を出さず(手を出せず)に終わってしまいました。中杉の意識が吹き込まれた「人形」も、マッド科学者(あのギョロ目の)と一緒に消えてしまいました。

 千明家の宇宙船も出番なく、宇宙戦争も勃発せず、実際はもっとからみあった結末があったのかもしれませんが、アッという間に完結してしまいました。

 中杉さんがキイパーソンです。彼女の2040年までの「未来日記」が奥の院の「禁書」とされ、それをレビが手に入れ、レビが奥の院に追われる原因になったことくらいは書いてもいいでしょう。彼女はコンピューター研究者として…。

 つまり、こういうことですね。ゴメスが地球の自然史博物館にバーディを案内して方立った疑問、「なぜ地球は過去の、人類まで進化してきた生物の歴史があるのに、わがアルタ星系には、アルタ人へ進化してきた歴史がないのか。」「なぜアルタ人と、地球人が似ているのか」

 やはり、最初から書き直してみたくなりました。「風の谷のナウシカ」(マンガ版)の結末と、ナウシカの「相手」を、アスベルからセルム(森の人)に変更した設定にあきたらず、結末の「改作」をしたファンがいたように。 もっとも、実際、そんな暇はないですが。そんなこと夢中でしてるのが知れたら、則子さんからぶっとばされますからね。

 そして、せっかく宇宙人(アルタ人の特殊体質イクシオラ)の若い女性と、地球人の若い男性の身体が融合したのに、ゆうきまさみさんの趣味なのか、セックスには、性夢程度以上には踏み込まない設定も、ちょっともったいないです。なにしろ、本来は男の子のレビ=クリステラは、神学校で、不慮の事故によって女の子のチュニスの身体と融合されたという設定なのですから。

 つまり、この物語の核心は、男とも女とも定かではない、というか、男にも女にもなれる2人の主人公、つとむ=バーディとレビ=チュニカの2人であることは明白です。

 そういう雌雄同体の設定は、アメリカの女性SF作家の『闇の左手』で有名ですが、ゆうきさんがそこから借りているかどうかは分かりません。

 不満タラタラ述べましたが、やっぱり第1級の良書です。青少年にも大人にも、読んでいただきたいと推奨します。

 最後は、中杉からのつとむへのファースト・キス、幸福なまとめで終わりましたからね。めでたし、めでたし。終わりよければ、すべてよし、です。 」

 


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