雨宮智彦古代史メモリー 17 20200131 遠州の遺跡・寺社8 古代中国の土笛「ケン」と弥生の土笛
タイトル番号「遠州の遺跡・寺社8」が違っていました。正しくは「遠州の遺跡・寺社9」。
「遠州の遺跡・寺社8 古代中国の土笛「ケン」と弥生の土笛
2010年04月21日 05時32分10秒 | 遠州古代史
浜松市の弥生時代を代表する全国的にも有名な遺跡が伊場遺跡です。
その伊場遺跡で、弥生後期の地層から、土笛が1つ、出土しています。
この「弥生の土笛」「弥生のオカリナ」は、実は、古代中国の殷王朝の時代の楽器で、出雲地方を中心に、弥生前期の日本海沿岸で遺跡から出土しています。
正式名称は「陶ケン」と言い、「ケン」という漢字は、「土」へん+「員」です。
口から息を吹き込む大きな穴が1つと、指で押さえるための表て4個、裏で2個の6つの小さい穴があります。
出土しているのは、福岡県・山口県(下関市・綾羅木(あやらぎ)遺跡)・島根県(松江市・タテチョウ遺跡)・兵庫県(丹後町・竹野遺跡)などの10遺跡で40個余です。
この土笛を、どういう祭りや祭儀で、どんなメロディーを吹いたのか、再現できないものかと思います。
もとの「殷」のメロディーが再現できればいいのですけど。
他の出土が弥生前期なのに、浜松市の伊場だけが弥生後期なのは、想像すれば、やはり、日本海文明「出雲文明」が、何らかの理由で崩壊したときに、そこから逃れて伊場まで「亡命」してきた「亡命者」が持ってきたのでしょうか。
それとも、出雲から何らかの交易や交流で誰かが持ってきたものでしょうか。
あるいは、出雲を征服した占領者が戦利品として持ち帰ったものでしょうか。
古代中国の殷王朝と日本列島の交流という点では、もっと考察したいと思います。