四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

京都を歩く(その3洛北)

2010-07-08 08:41:05 | 生かされて今日

 松尾芭蕉(1644-94年)以降永らく衰退していた俳句を中興したのは与謝蕪村(1716-83年)とされています。一流画家でもあり、雪降り積もる京の夜景の「夜色楼台図」が国宝に指定されたばかりです。
 私は芭蕉翁に取り付かれて、まだろくに蕪村先生を勉強していないのですが、詩仙堂に近い金福寺(こんぷくじ)のお墓に初めて詣でました。
まだ夏日の射す中を尋ね歩き山際の静かなお寺です。老住職さんの半はだかに迎えられ、裏山の坂を上りますとヤマモモの実が散り敷いています。ポトッと音がして苔の上に落ちます。
さらに上ると大きなお墓で小さな蜘蛛が揺れ、彫られた「蕪」の辺りに木洩れ日が射していました。もちろん凡才の俳句修行にお力添えをお祈りしました。さいわい誰もいないので、お墓の蕪村先生と二人きりでした。西日射す京の街が夏木立ちに一望される丘の上です。わが横浜に句碑がある青木月斗のお墓もありました。
 蕪村の名句をどうぞ。とても江戸時代とは思えない現代的詩です。

○春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな
 ○愁ひつゝ岡にのぼれば花いばら
○菜の花や月は東に日は西に
 ○花いばら故郷の路に似たるかな
○牡丹散りて打ちかさなりぬ二三片
 ○鮒ずしや彦根が城に雲かかる
○夏河を越すうれしさよ手に草履
 ○月天心貧しき町を通りけり


 

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