『「私に触れるほど近くにいても、欲望や怒りに振り回され、放逸にふける人は、私から遠く離れている人である」
と、お釈迦さまはおっしゃられています。そして、
「たとえ私から百里も離れた所にいたとしても、欲望や怒りを離れ、放逸に陥らない人は、私のいちばん近くにいる」
と教えられるのです。
いつもお師匠さんの近くにいると、いつでも教えを聞けるようなつもりで、つい慣れっこになってしまい、その言葉の一つ一つの大切さに気づけなくなることがあるのですね。反対に、お師匠さんから遠く離れていて、滅多に教えを聞くことができないからこそ、その教えのひと言ひと言に真剣に耳を傾け、その教えを命がけで守ろう、と精進を怠らない人もいます。
「仏の山に鬼が住む」という言葉がありますが、慣れが、つい油断を生んでしまうのです。これが大敵です。
ご法の真理は、自分をなげうって教えを行じてこそ、そのはたらきが見えてきます。どこにいようと、その法を見る人こそが仏さまのいちばん近くにいる人であり、仏さまのご守護に包まれる人なのです。』
庭野日敬著『開祖随感』より
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