四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

今年前半の私の俳句

2021-07-01 08:30:57 | 俳句

   「皿の一輪」      

春を待つデニムの穴の膝小僧
小言いふ異人の舎監(しゃかん)梅ましろ
立春や手に亡兄の双眼鏡


かやくうどんの賑やかな色春来る
春の宵糸巻きカードに妣(はは)の文字
卓上の皿の一輪落椿


八時二十分の眉のどかなる漢(おとこ)かな
寄宿舎のズボンの寝押し新社員
蕗味噌や身を野つ原にとき放つ


鯉のぼり揚ぐる漢のはにかみて
蔓ひけば木香薔薇(モッコウバラ)の山うごく
そよりともせぬ鯉幟の反抗期

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