四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

業平橋の名を棄てる野蛮

2012-03-15 20:49:21 | 生かされて今日
 東武鉄道は、東京スカイツリーの完成により最寄り駅の「業平橋駅」を改名して「とうきょうスカイツリー駅」にするのだそうです。
伊勢物語の主人公とされる色好みのハンサム貴族、在原業平(ありわらのなりひら)に由来する奥ゆかしい駅名を軽薄にも棄て、情緒に縁なき即物のリアリスト風の名前にごろりと変えることにがっかりします。いにしえの伝統を弊履の如く棄てる金満・効率オンリー国家の象徴でしょう。情けないエセ文化国家ですね。
第二次大戦で米英軍に無差別絨毯爆撃され壊滅したドイツのドレスデン市は戦後、残された建物の破片を寄せ集めて旧市街地に復興させたそうです。伝統を大切にするドイツ人の心意気に感銘を受けます。ロンドンやパリ市街は規制されて伝統の景観を維持しています。お江戸日本橋の上にグロテスクな高速道路をかぶせるお国をどう思いますか。
戦前は愛国滅私奉公の軍国主義で固まり、敗戦後は一転一億総懺悔で親米、自由放任お金第一に変節するこの変わり身の速さには驚きます。伝統の名前、地名を、町の名を効率のために無機質な名に変えるのは蛮行そのものであると思いますが、いかがですか。
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