四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

俳人成田千空さん逝く

2007-11-19 06:33:10 | 俳句
 青森の風土俳句と氏の心ばえこそが魅力の源である。句集「白光」よりご鑑賞下さい。
①心をゆすぶる弔いの句
   長兄は二歳の仏栗ごはん
   こほうさんと言ひて泣きけり梅雨の家
 (吹田孤蓬氏は戦時中、特高警察に呼び出しを受けた得がたい俳句仲間であった)
②郷土への愛
   岩木嶺を抬げて明くる瑞穂かな
   寒中の紫蜆寸志とす
③愛妻の人
   梅咲いて山妻にまだ糸切歯
   鏡餅妻に安眠あらしめよ
④写生の力
   肉色の丸太積み上げ野は五月
   暗緑を出て白光の那智の滝
⑤温かな思いやり
   村へ来てこがらし顔のはうき売
   寒雀エホバの信者子を連れて
⑥句友への情
   郭公や君に良妻孝子あり
   地吹雪の顔もてつどふ仲間かな
⑦青春賛歌
   成人の日をくろがねのラッセル車
   海よりの春日みなぎり嫁く子かな
                          合掌







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