alternativemedicine

Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

4月30日火曜日灸実技メモ

2013-04-30 | 灸の研究

(1)ヤコビー線(L4)、肩甲骨下角(T7)を取る。
(2)復習中心。艾柱のひねり方。線香の使い方。八分灸の消し方。
(3)灸点器の使い方と自分の三陰交への施灸。
(4)焦灼灸。

焦灼灸は、疣贅(ゆうぜい)を中心に症例と禁忌を紹介した。
次回は、鶏眼と胼胝の焦灼灸の症例を紹介し、次に打膿灸の歴史を紹介する。 

 


もぐさ(2)篩・唐箕

2013-04-26 | 灸の研究

織田隆三「モグサの研究(4)ー篩についてー」(PDF)
『全日本鍼灸学会雑誌』45巻2号123-128

※モグサの製造工程は、
1・石臼による粉砕
2・篩(ふるい)による不要部分の除去(粗製モグサ、温灸・灸頭鍼)
3・唐箕(とうみ)による精製(直接灸)
の段階がある。
円篩(まるどおし)の写真と詳細

織田隆三「モグサの研究(5)ー唐箕についてー」(PDF)
『全日本鍼灸学会雑誌』45巻2号130-134

 


任脈(2)

2013-04-25 | 経絡弁証

任脈の復習。会陰、曲骨。神闕と曲骨の骨度法。
中極、関元、石門、気海、陰交、神闕の取り方。中庭の取り方、を復習。

胸骨体下端の中庭と神闕の骨度法。
1.中かん(CV12):八会穴の腑会の説明。
2.下かん(CV10):胃かん(上かん・中かん・下かん)
3.水分(CV9):利尿効果について。下痢について。
4.建里(CV11):
5.巨闕(CV14):東洋医学の心臓の概念。
6.上かん(CV13):精神病と痰湿。
7.鳩尾(CV15):絡穴の説明。ここでは慢性症状の反応点・治療点程度を説明しておく。「みぞおち」の漢字について。 刺針角度の問題。

8.天突(CV22):刺針角度。梅核気について。
9.せんき(CV21) 
10.華蓋(CV20):肺や気管支との関係。

小テスト(会陰、曲骨、中極、関元、石門、気海、陰交、神闕、中庭。骨度法)。
次回の小テスト範囲(水分~鳩尾、天突~紫宮)。 

水分・神闕・陰交と東洋医学の「小腸」の概念はうまく説明できた。
また、巨闕(CV14)・上かん(CV13)・鳩尾(CV15)と精神疾患の関係、任脈の絡脈:鳩尾と痰湿の関係も今年度はうまく説明できた。刺針角度の問題も認識できたと思う。
天突(CV22)と梅核気は、症例をとばして、気胸の例のみを説明した。

次回は、紫宮(CV19)から。嚥下障害の話から始まり、胸骨角から第2肋間、第3肋間の華蓋(CV20)、第4肋間のダン中(CV17)と解説する。ダン中では、胸骨裂孔と刺針の危険性について、八会穴の気会について解説する。 ダン中では、気滞や気逆も説明する。
 廉泉(CV23)も喉頭隆起と舌骨について説明し、刺針角度について説明する。任脈の流注では、流注というコトバを説明する予定。


打膿灸の参考文献

2013-04-24 | 灸の研究

【打膿灸の参考文献】
深谷伊三郎「家伝灸物語」三景
※237ページに西本繁氏の「付録 消えゆく家伝灸」で、大阪・無量寺の灸と弘法様の灸がイラスト入りで詳述されている。

「灸法再考」『針灸OSAKA』Vol.1 No2 12p 1985.8
※12ページに写真入りで「無量寺の灸」について詳述がある。

「四ツ木の灸」『医道の日本臨時増刊No4一冊まるごとお灸特集』6-7p
※6ページに四ツ木の灸がカラー写真入りで解説あり。

福島哲也「打膿灸をLiveで見る」『灸療夜話』ヒューマンワールド、98P
※四ツ木の灸の実際が写真入り。

坂部昌明「百聞は一見に如かず 打膿灸」『鍼灸OSAKA』Vol.25 No.1  79-83 2009 Spring
※打膿灸の灸痕が写真入りで解説。

濱添圀弘「伝えたい!心に残るこの症例 上顎洞末期癌の痛み止めに作用した打膿灸」『医道の日本』2007年3月号72-74
※打膿灸による症例。 


もぐさ(1)

2013-04-24 | サークル

上記は、モグサに関する最も詳細な文献。
織田隆三先生の『もぐさのはなし』森ノ宮医療学園出版部。

サークルで予定しているモグサ工場見学の下準備として、オリジナルの論文から順番に読んでいくのもお勧めです。

織田隆三
「モグサの研究(1)最近の製造工程と原料のヨモギについて」(pdf)
『全日本鍼灸学会』33巻4号427-430 1984

織田隆三
「モグサの研究(2)−伊吹山考−」(pdf)
『全日本鍼灸学会』35巻1号66-72 1985
※わたしが感銘を受けたのは、この論文。
最初、栃木県の伊吹山が有名となり、その後、滋賀県の伊吹山が盛んとなり、それは山岳仏教が関連しているというのは、納得!

織田隆三
「モグサの研究(3)—石臼について—」(pdf)
 『全日本鍼灸学会』43巻3号66-72 1993


焦灼灸の参考文献

2013-04-23 | 灸の研究

【焦灼灸の参考文献】
増田眞彦「いぼ、魚の目、たこの鍼灸施術」『医道の日本』第733号2004年(平成16年11月号)33-38p

藤川直孝「疣贅と焦灼灸」『針灸OSAKA』Vol.20 No.3 297-301(2004.Aut)

西田浩一「皮膚疾患の治療ーひょうそ・いぼ・魚の目・ケロイドの痛み」『東洋医学見聞録(上)』医道の日本社、168-175

加島郁雄「手指爪甲根部内側の胼胝腫」『医道の日本臨時増刊NO4』125-126。



 


お灸の壮数について

2013-04-23 | サークル

 昨日のお灸サークルでは、「どれくらい刺激すればよいのか?」という質問がありました。

 まず、個人の体質によって、壮数は変わります。わたしが邵輝先生に教わった、もっとも確実なのは、「発赤」、「皮膚の感じが変わること」がお灸の壮数の目安となります。「発赤」すれば、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などによりフレア現象が起こり、身体で変化が起こっているという証拠です。深谷灸法の「熱いヒトは熱くなくなるまで、熱くないヒトは熱くなるまで」も身体の変化の目安となります。

 わたしは八分灸で、右手の示指と母指で消す際のタッチも参考にします。また、火の燃え方も明らかに関係しています。触診だけでなく、望診でも皮膚の感じが変化します。


4月22日月曜日灸実技メモ

2013-04-22 | サークル

4月22日は、八分灸の消し方、竹筒灸の実際を見せて、灸点紙を使った透熱灸の体験。胸骨角と第2肋骨の取り方。

4月08日月曜日:道具の解説
4月09日火曜日:モグサのひねり方、切り艾
4月15日月曜日:艾しゅの置き方。胸骨体下端。
4月16日火曜日:線香の使い方。
4月22日月曜日:八分灸の消し方、竹筒灸の実際、灸点紙の実際。
4月23日火曜日:八分灸の消し方。 

 


東洋医学における「小腸」概念と『針灸大成』における水分の主治

2013-04-19 | 経絡弁証

『針灸大成』の水分に関する記述は以下である。

『鍼灸大成』「水分(一名,分水):下カン下一寸、臍上一寸、穴当,小腸下口。至是,而泌別清濁、水液,入膀胱、渣滓,入大腸、故曰,水分。『素註』鍼一寸。『銅人』鍼八分、留三呼、瀉五吸。水病,灸大良。」

これは、明らかに、東洋医学の「小腸」の概念である。
つまり、清濁の分別を主る。胃から送られてきた水穀の精微を、液体を膀胱に送って小便とし、固形分を大腸に送って大便とする。

 この「小腸」概念の問題については、浅川要先生が『針師のお守り』(東欧学術出版社)の「尿の生成」(前掲書134ページ)という論考で詳述されている。

 東洋医学の尿の生成ルートは、

胃による水穀の精微の腐熟

小腸による清濁の分別→→→固形分は大腸で伝導され、大便として排出される。

水液は膀胱に注ぎ滲入する。膀胱より小便として排泄される。

 となる。

 臨床的には、 神闕(CV8)の塩灸や水分(CV9)の灸、陰交(CV7)の灸などは利尿作用があり、下痢に効果がある。これは、「小腸」の機能を高めて、小便の量を増やすことで、結果的に大便を固めるという「分利小便」の方法論である(漢方では五苓散など)。

 『鍼灸大成』の論述から言えば、任脈の下かん(CV10)は胃が終わり、小腸がはじまる「小腸の上口」である。

 『鍼灸大成』「下カン:建里下一寸、臍上二寸。穴当,胃下口、小腸上口水穀,於是,入焉。」

 そして、任脈の陰交(CV7)は、小腸が終わり、膀胱が始まる部分である。

 『鍼灸大成』「陰交(一名,横戸):臍下一寸、当膀胱,上際。」

 つまり、『針灸大成』の描く小腸は、下かん(CV10)から陰交(CV7)にいたるゾーンとなる。さらに飛び地のように、任脈には小腸の募穴である関元(CV4)もある。 

 東洋医学における小腸の問題は、心熱移熱小腸小腸実熱小腸気痛のような臓腑弁証、あるいは小腸経の経絡弁証も併せて、とても深い問題であると思う。