http://blogs.wsj.com/indiarealtime/2013/04/07/acupuncture-for-indias-poor/?KEYWORDS=acupuncture
2013年4月7日
『ウオール・ストリート・ジャーナル』の記事
「インドの貧困のための鍼
(Acupuncture For India’s Poor)」
シータル・タプレは、インド、ムンバイ、ヴィジャイ・ナガール・スラムの「はだしの鍼医者クリニック(he Barefoot Acupuncturists clinic)」の待合室に座っている。
シータル・タプレは、左半身が脳卒中で8か月前から麻痺している彼女のおじが、2回目の鍼治療をうけるのにつきそっているのだ。
タプレさんもまた、クリニックで治療された。25歳のタプレさんは、昨年、月経周期が不規則になったのだ。
「他の医師たちがくれた薬は胃がもっと痛くなったのよ」と彼女は言い、さらに3カ月の規則的な鍼灸治療によって、ずっと調子がよくなったことを付け加えた。
「はだしの鍼医者クリニック」は五つのクリニックを運営している。
ムンバイの3つのクリニックとタミル・ナヅー地域の2つのクリニックは、低価格の鍼を貧しい地域社会に供給している。この組織はウォルター・フィッシャーというベルギーのビジネスマンから2008年に鍼師になった人物によって設立された。
彼は、2007年5月にジャック・ベイトリソンというスイスの鍼師とヴィジャイ・ナガールの無料クリニックを運営した。フィッシャーさんはその成功を忘れなかった。
フィッシャーさんとベイトリソンさんは、500以上の治療を供給しましたが、ムンバイの夏のピークで働くことは、フィッシャーさんを疲れさせ、うんざりさせました。
フィッシャーさんは、北カシミールに旅行し、そこで、彼は地元の仕立屋に出会いました。仕立屋は、フィッシャーさんが「鍼を使う医者」とわかると、仕立屋は彼の家に健康問題を持つ村人たちを招きました。
彼は、仕立屋の家の床で15人を治療しましたが、患者の一人は年老いた羊飼いでした。
「年老いた羊飼いの肌を最初の鍼が貫いたとき、わたしは、これこそが人生で本当に求めていたことだというヴィジョンを得たんだ」と彼は言います。
フィッシャーさんは貧しい人たちは、肉体労働に頼っているため、ほとんどは鋭い痛みを持っており、病院や主流医学とアクセスしない人たちにとって、鍼は生き残るための医療となりうるとわかったと言います。彼は、「鍼はシンプルで柔軟、それは豪華なクリニックでも、ジャングルでもスラムでも使えるんだよ」と付け加えました。
2007年の終わりに、フィッシャーさんはベルギーに帰りました。彼は車や地位を全て捨てて売り払ってしまい、ムンバイに帰ってきました。
彼は、2008年1月にヴィジャイ・ナガールで最初の低コストの鍼クリニックを開きました。それは、7平方メートルで、トイレもなく、水道もなく、それでも訪れる患者たちはひっきりなしでした。
2009年5月には、「はだしの鍼医者クリニック」は、5つのベッドのクリニックとなり、毎日30人の患者が来たと、最初のヴィジャイ・ナガールのサマー・クリニックのアシスタントであった共同設立者のウジャワラ・パティルさんは言います。
「わたしたちは、家族的雰囲気をつくろうとしたわ。はだしの鍼医者クリニックは彼らの第2の家なのよ」パティルさんは言い、そして、家庭内で働く女性を含む患者の80%は慢性的な痛みを訴えると付け加えました。
フィッシャーさんとパティルさんは、農村地帯でこそ、「人道的な鍼(humanitarian acupuncture)」は大きなインパクトを持っていると感じています。タミル・ナヅーの患者は、ほとんどでが農地で働く農村労働者で1日100ルピー(1.8ドル)しか収入がなく、医者や診療所にかかることができないのです。
最初の年に、フィッシャーさんは、ヴィジャイ・ナガールに彼自身で、クリニックを設立し、それから民間からの寄付からお金を集め始めました。パティルさんが言うには、4万6,000ドルで2012年には5つのクリニックを運営できました。その年、週に2回のドナークリニックを「はだしの鍼医者」たちは、半分のお金を集めることができました。
中流階級または、中上流階級は1回の治療で800ー1000ルピー(15ー18ドル)を支払う、これは他の恵まれない人々が、1回20ルピーだけを支払うをたすけている。
カンタ・バッサムは23歳で15歳時から、部分的に麻痺があるが、あまりに高すぎて治療を受けていなかった。しかし、ダーラビの「はだしの鍼医クリニックには、週に3回通うことが出来る。
「わたしはいつも、つまづいていたし、話すことも怖かった。けど、わたしはいま、歩くことも、ヒトと話すこともできる」と彼女は言う。
インドの鍼師と海外からのボランティアがクリニックを運営している。
フイッシャーさんは、高価で時間を費やす新しいクリニックを開くよりはむしろ、かれが多様な環境にある患者を治療するためのトレーニングマニュアルを開発することを行っている。このマニュアルを使って、このエキサイティングな非営利事業のスタッフをトレーニングするつもりだ。
フイッシャーさんはこのプロジェクトを「移動式インターナショナルトレーニングセンター」とよび、2016年から運営するつもりだ。もし、このモデル事業に効果があれば、何千もの医療にアクセスできなかった患者たちを鍼は治療できると、フイッシャーさんは語った。