2016年7月7日『日経メディカル』「Lancet誌から:18歳までの大うつ病に抗うつ薬は効かない」
以下、引用。
「小児と思春期のうつ病患者に対する抗うつ薬14剤の有効性と安全性について検討していたランダム化対照試験を対象に、ネットワークメタアナリシスを行った英国Oxford大学のAndrea Cipriani氏らは、抗うつ薬を処方した場合の利益とリスクのバランスを考えると、現在利用可能な薬剤は必ずしも有用ではないこと、現状で処方を選択するならフルオキセチン(プロザック=日本では未承認)が最善と考えられることを報告した。詳細は、Lancet誌電子版に2016年6月8日に掲載された。」
以上、引用終わり。
↓
1987年にアメリカFDAが認可したイーライ・リリー社(Eli Lilly and Company)の最初のSSRI抗うつ薬「プロザック(Prozac=Fluoxetine:フルオキセチン)」は精神病治療の世界を変えました。
2001年に、パキシル(パロキセチン:paroxetine)の1994〜1998年の臨床データを解析した論文『スタディ329』が発表されました。ブラウン大学のマーティン・ケラーが書いたとされましたが、実際はパキシルを販売している製薬会社グラクソスミスクラインのゴーストライターが書きました。これは、ちょうど日本で2000年11月にパキシルが認可され、グラクソスミスクライン社が「うつ病は、心の風邪」キャンペーンを始めた頃です。
↓
2001年『スタディ329』
"Efficacy of paroxetine in the treatment of adolescent major depression: a randomized, controlled trial",
Martin B. Keller, et al.,
Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry, 40(7), July 2001, pp. 762–772
2003年にイギリス政府は『スタディ329』のデータを再解析し、パキシルにうつ病への効果は無い、青年期では自殺リスクが高くなるという結論を出しました。その次の月にはアメリカFDAは、医師に18歳以下にパキシルを処方しないように指導し始めます。
In 2003 Britain's Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency (MHRA) analysed study 329 and other GSK studies of paroxetine. It concluded that there was no evidence of paroxetine's efficacy, but there was a clear increase in suicidal behaviour in teenagers using it.
2004年2月にはワシントンDC州で、FDAの諮問委員会が開かれ、パキシルによる青少年の自殺リスクが問題とされました。
2010年には『アメリカ医師会雑誌(JAMA)』に「軽症うつ病に対して、抗うつ剤の効果は無い」という論文(※1)が掲載されました。
2012年にはグラクソスミスクライン社が「パキシル販売の違法マーケティング」でアメリカ司法省に2400億円の罰金を支払いました(※2)。
2015年には『スタディ329』のデータを『英国医師会雑誌』が再解析し、パキシルはプラセボと全く変わりがないという結論を出しました。
2016年1月には『英国医師会雑誌』が「抗うつ剤を使用すると、子どもと青年期では自殺リスクと攻撃性が2倍に増大する」という分析結果を出しました(※4)。
2016年6月の『ランセット』にオックスフォード大学が発表した論文では「子どもと青年期には抗うつ剤の効果はなく、SNRI抗うつ薬のベンラファキシン(Venlafaxine・商品名イフェクサー)は、自殺願望や自殺衝動のリスクが増加する」という結果が判明しました(※5)。
EBMの世界では、2003年から「抗うつ剤の効果の再検討」が本格化し、2015年〜2016年にかけて、『JAMA』『BMJ』『ランセット』といった一流医学雑誌にデータの解析結果が掲載されることで、ようやく結論が出ました。
ーーーーーーー
※1:2010年『アメリカ医師会雑誌(JAMA)』
「うつ病の深刻度と抗うつ薬の効果:患者レベルのメタアナリシス」
Antidepressant drug effects and depression severity: a patient-level meta-analysis.
Fournier JC, et al. JAMA. 2010.
※「【結論】プラセボと比較して、抗うつ薬の効果はうつ病の深刻度によって増大し、軽いまたは中程度のうつ病では平均して、(効果は)最小限または存在しなかった」
CONCLUSIONS: The magnitude of benefit of antidepressant medication compared with placebo increases with severity of depression symptoms and may be minimal or nonexistent, on average, in patients with mild or moderate symptoms.
※2:「英グラクソ、米で制裁 不正販売で2400億円支払いへ」
2012年07月03日フランス国営『AFP通信』
※3:2015年『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』
「スタディ329の復元:青年期の大うつ病治療におけるパロキセチン(パキシル)とイミプラミンの効果」
Restoring Study 329: efficacy and harms of paroxetine and imipramine in treatment of major depression in adolescence
Joanna Le Noury, et al.
BMJ 2015; 351
※「【結果】パロキセチン(パキシル)とイミプラミンは、統計的にも、臨床的にも、あらかじめ指定されてある一次的・二次的効果判定の結果について、プラセボと全く違いが見られなかった」
RESULTS:The efficacy of paroxetine and imipramine was not statistically or clinically significantly different from placebo for any prespecified primary or secondary efficacy outcome
※4:2016年1月27日『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』にデンマーク・コペンハーゲン大学が発表した論文
「抗うつ剤治療中の自殺傾向と攻撃性:臨床研究レポートに基づくシステマティックレビューとメタ・アナリシス」
Suicidality and aggression during antidepressant treatment: systematic review and meta-analyses based on clinical study reports.
Sharma T et al.
BMJ. 2016 Jan 27;352:i
※「子どもと青年期では自殺傾向と攻撃性が倍増していた」
but in children and adolescents the risk of suicidality and aggression doubled.
※5:原著論文2016年6月8日
『ランセット』論文
Comparative efficacy and tolerability of antidepressants for major depressive disorder in children and adolescents: a network meta-analysis
Andrea Ciprian et al.
Lancet,
Published Online: 08 June 2016
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)30385-3/abstract
2014年9月19日『ナーシング・タイムス(看護師新聞)』
「グローブ手袋は、感染症のリスクを増やすの?」
Does glove use increase the risk of infection?
以下、引用。
「グローブ使用は、臨床現場では拡がっているが、研究は、しばしば、不適切な使用により、グローブ使用が患者を感染させるリスクを増大させることを示唆している」
Use of gloves is widespread in clinical practice, but research suggests they are often used inappropriately, and that this increases infection risks to patients
「グローブ手袋の臨床現場での誤った使用はしばしば、患者を感染させるリスクを増大させるという明白な証拠(クリアー・エビデンス)が存在する。新たな証拠は、グローブをはめるというヘルス・プロフェショナルの決定が2つの影響、社会化および、仲間からの期待を反映しており、感情的な嫌悪感や自己防衛の感覚を反映していることを示唆している」
There is clear evidence that gloves are often misused in clinical practice, which puts patients at increased risk of infection. New evidence suggests there are two main influences on health professionals’ decision to wear gloves: socialisation, reflecting the expectations of peers, patients or the organisation; and emotion, reflecting the response to a sense of disgust and need for self-protection.
以上、引用終わり。
↑
これは、2014年の『ナーシング・タイムス(看護師新聞)』の記事です。食品衛生の分野でも、アメリカでは2007年ぐらいに、「寿司を握るときにグローブをはめなくても良い」という指針が出ています(みんな守っていないですが・・・笑)。
実は、外科手術でも、外科医のグローブは、手術中の感染症の原因の1位なのです。アメリカのおすし屋さんのプラスティック・グローブも、外科医のサージカル・グローブもはめて数時間すれば、密閉されて湿度が高くなり、雑菌が繁殖します。そして、グローブをはめることで、手洗いが雑になります。寿司を握るときに、グローブをはめて、その上から手洗いするヒトは滅多にいません・・・。
以下、2007年アメリカCDC論文「食品産業労働者の手の消毒プラクティスに関する要素」(※1)より引用。
「手洗いとグローブ使用は相互に関連しており、手洗いは、グローブを使用している活動では、より少なくなる傾向がある」
Hand washing and glove use were also related to each other--hand washing was less likely to occur with activities in which gloves were worn.
以上、引用終わり。
↓
※1:「食品産業労働者の手の消毒プラクティスに関する要素」
Factors related to food worker hand hygiene practices.
J Food Prot. 2007 Mar;70(3):661-6.
http://www.cdc.gov/nceh/ehs/ehsnet/Docs/JFP_Food_Worker_Hand_Hygiene.pdf
『ナーシング・タイムス(看護師新聞)』の論文は、「なぜ、医療従事者は長時間グローブをつけつつ、手洗いをしないという非合理行動を行うのか?」という視点から書かれており、『社会化』『同調圧力』、『感情的な嫌悪感』、『自己防衛の感覚』といった背景が原因であると論じています。
『臨床感染症』掲載。
「滅びゆく白衣(ホワイト・コート)」
The Endangered White Coat
オハイオ州クリーブランドのサウスポンテ病院内科のジェイソン・ヘンダーソンが著者。
EBMの観点から、推奨される医療人の服装は何か?
調べた結果、2007年にイギリス、2009年にアメリカで発表された「エビデンスに基づく医療関係者のドレスコード」のガイドラインでは、「白衣(ホワイトコート」は廃止されるべきと書かれている。
『グレイスアナトミー』とか『ER緊急救命室』といったアメリカのTVドラマでは、みんなパジャマみたいな半袖のワーキングウェアだった。
2007年にイギリス保健省が出した『ユニホームとワーキングウェア:エビデンスに基づく発展したローカルポリシー(Uniforms and workwear: an evidence base for developing local policy. Department of Health 2007)』は、「肘から下は何もつけない(ビロウ・アンダー・ザ・エルボウズ)」を強調している。
だから、アメリカTVドラマでは、冬とか寒いときは、白衣をコート代りに羽織るけど、患者がいる病室では肘の上まで、めくりあげていたんやね。もちろん、腕時計は病原微生物の汚染源とされ、実験でも実証されている。「肘から下は何もつけない(ビロウ・アンダー・ザ・エルボウズ)」は、手洗いを頻繁に行うためのドレスコード。
ただ、2007年イギリス、2009年アメリカの「エビデンスに基づくドレスコード」はあくまでガイドライン。実際の臨床では、科学よりも文化のレベルがある。例えば、イスラム圏で女医さんが円滑に女性を診察するには、ヘジャブとかニカブのような頭からスッポリ覆った服装でないと診察さえさせてもらえない可能性がある。病気の女性を診察しないほうが倫理的に間違っているので、これはヘジャブやニカブをかぶる必要がある。だから、ブードゥー教の信者女性がブードゥー司祭のマジックドクターにしか診察させないと言うなら、ブードゥー教司祭の袈裟を着て、トリの羽根をアタマにかぶる必要がある。
以下、引用。
「2009年6月にアメリカ医師会は病原微生物の感染を最小限にするための病院におけるドレスコードのガイドラインを発表した。この出版物から白衣が患者を傷つけるのかどうかという新しい問いが始まった」
In June of 2009, the American Medical Association (AMA) House of Delegates passed a resolution to encourage the “adoption of hospital guidelines for dress codes that minimize transmission of nosocomial infections (NI)” . So began publication of editorials and news stories questioning whether white coats cause harm to patients.
「この議論は新しくない。例えば、イギリスでは病院におけるドレスコードの変化は既に実行されている」
This debate is not new—for example, changes in dress codes for hospital personnel have been implemented in the United Kingdom
「イギリスの病院はいま患者を治療するエリアでは『肘から下で何もつけない』ポリシーが病原微生物の感染を減らすためになされている」
Hospital personnel in the United Kingdom now abide by a “bare below the elbows” policy when in patient care areas, in hopes that this will decrease the incidence of NI.
以上、引用終わり。
リンク先は、2015年2月の『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディスン(BJSM)』掲載の論文。
内容は「スポーツ前の高負荷ダイナミック・エクササイズのウォームアップはやったほうが良い」というものです。
「上半身のウォームアップにおけるパフォーマンスとスポーツ障害への効果のシステマティックレビュー」
A systematic review of the effects of upper body warm-up on performance and injury
McCrary JM et al.
Br J Sports Med. 2015 Jul;49(14):935-42.
Epub 2015 Feb 18.
http://bjsm.bmj.com/content/49/14/935.long
(全文無料オープンアクセス)
↑
まず、ストレッチの歴史的には、2011年のコクラン・システマティック・レビュー「運動後の筋肉痛を防止・減少するためのストレッチング」(※1)は運動前後のストレッチングが、運動後の筋肉痛を減らすのに何の効果も無いことを指摘したことが重要です。
↓
※1「運動後の筋肉痛を防止・減少するためのストレッチング」
Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise.
Herbert RD et al.
Cochrane Database Syst Rev. 2011 Jul 6;(7):CD004577.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD004577.pub3/abstract;jsessionid=4ACB61D55032453784F1EB7D8F57EDBF.f01t04
2015年の『イギリス・スポーツ医学雑誌』のシステマティック・レビューは現状の証拠を検討していきます。
【スタティック・ストレッチ(Static Stretching:静的ストレッチ)】
「『スタティック・ストレッチ』は、ひろく、パフォーマンスを強める方法としては、効果的でないことが発見された」
Static stretching was found to be a largely ineffective method for performance enhancement.
↑
※「スタティック・ストレッチ(Static Stretching)」は1975年にボブ・アンダーソンが提唱したストレッチングであり現在、もっとも一般的なものです。
(ボブ・アンダーソン著『ボブ・アンダーソンのストレッチング(初版) 』ブックハウスHD、1981年、http://www.amazon.co.jp/dp/4938335786)
【ダイナミック・ストレッチ(Dynamic Stretching:動的ストレッチ)】
現在、サッカーなどのスポーツ領域ではからだを温めるウォームアップとして「ダイナミック・ストレッチ」が主流です。しかし、検証された2つの実験は矛盾する結果を示しており、さらなる研究が求められます。
【PNFストレッチ(PNF Stretching)】
「2つの研究が含まれ、上半身のPNFストレッチング・ウォームアップは、ストレングスの結果について何の効果も無かった」
The two included studies ,of upper body proprioceptive neuromuscular facilitation (PNF) stretching warm-ups found that PNF stretching had no effect on strength outcomes
「上半身におけるPNFストレッチング・ウォームアップが柔軟性に与える効果については調査した研究が存在しない、そして、上半身におけるウォームアップ・モードの効用については、効果が不明瞭なままである」
No studies investigated the effects of upper body PNF stretching warm-up on flexibility outcomes—the main reported benefit of PNF stretching—so the utility of this warm-up mode in the upper body remains unclear.
↑
「『PNFストレッチング(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation Stretching:プロプリオセプティブ・ニューロマスキュラー・ファシリテーション・ストレッチング)』は、1940年代に神経学者のハーマン・カバット(Herman Kabat:1913–1995)さんが理論を創始しました。ハーマン・カバット(Herman Kabat1913–1995)さんは、1932年にニューヨーク大学を科学の学士で卒業し、1935年にはノースウエスタン大学で神経学の博士号、1942年には生理学で2つ目の博士号を取得していますが、医師免許も理学療法士免許も持っていませんでした(※2)。
1940年にハーマン・カバット博士は研究を開始し、1945年にアシスタントだった理学療法士のマーガレット・ノット(Margaret Knott)に出会います。1946年にワシントンDCのカイザー・カボット研究所の部長となり、1946年にカルフォルニア州でカイザー・ファウンデーション・リハビリテーションセンターを創設し、研究を続けます。1951年には最初のPNFセミナーを始めます。1952年には理学療法士のドロシー・ヴォス(Dorothy Voss)が研究に参加しました。1954年にハーマン・カバット博士は研究所を去って失踪し、それから1994年まで40年間消息不明となり、1995年に亡くなりました。
1956年に理学療法士のマーガレット・ノット(Margaret Knott)とドロシー・ヴォス(Dorothy Voss)が最初の『PNF第1版』を出版します。1968年にノットとヴォスが『PNF第2版』を出版し、ここで現在のようなPNFの形ができたそうです。第2版では、ハーマン・カバット博士の考えよりも、ノットとヴォスの考え方がかなり入っているようです。
日本でPNFは、1969年に高知リハビリテーション学院の清水ミシェル・ワイズマンさんによって紹介され、1972年に府中リハビリテーション学院のエリック・ビエール(Eric Viel)さんによって「ファシリテーション・テクニック(FacilitationTechnique:促通手技)」という名前で紹介されました(※3)。
日本のスポーツ領域でPNFは、1989年に立花龍司(たちばな・りゅうじ)さんが近鉄のコンディショニング・コーチとして野茂や吉井をPNFストレッチでコンディショニングしたことで有名になりました。立花龍司さんは、大阪商業大学経済学部を1986年に卒業、1987年天理大学スポーツ科学単位取得、同1987年ダイナミック・スポーツ医学研究所(大阪)に入所し、2年後の1989年に近鉄コンディショニングコーチという経歴です。ですから、立花龍司さんは個人的に尊敬していますが、PNFストレッチに関しては、最初は2年程度の独学のはずですし、医療資格は持っていません。
スポーツ分野の理学療法士さんの間で人気の高いPNFテクニックですが、臨床的なエビデンスは全く無いようです。日本においても「脳卒中ガイドライン」において、PNF法や他のボバース法、ブルンスストローム法を比較していますが、PNF法がリハビリとして優れているという証拠は存在しません(※4、※5)。また、90パーセントの理学療法士学校がPNFを教えていますが、授業時間は5時間から15時間程度で、卒後教育に頼っているのが現状です(※6)。 5時間で出来るわけないやん!
全体として、PNFは1940年から1954年というわずか14年の間に、臨床経験の無い神経学者のカバット博士が開発した理論を、(カバット博士の失踪後に)理学療法士のノットとヴォスが発展させたものです。PNFは最初の出版から60年が経ちますが、基礎理論が正しいという確証はなく、臨床のエビデンスも無いのです。PNFストレッチは、基礎研究(Basic Reseach)も臨床試験も非常に質が低いですし、他のストレッチと比較しても、優れた結果を残していません。EBMの手法で調査した限りでは、理学療法士さん達の間で、PNFストレッチが人気なのは理解に苦しむ現象だと感じてしまいます。
あと、日本PNF学会のホームページに「1940年代の後半に、医師であるKabat博士がポリオ後遺症患者の筋収縮を高めるための生理学的理論を構築し、KnottとVossの理学療法士と一緒に開発した運動療法PNF(proprioceptive neuromuscular facilitaition;固有受容性神経筋促通法)である。」と書かれています。
http://www.pnfsj.com/pnf%E3%81%A8%E3%81%AF/
ところが、人間総合科学大学リハビリテーション学科の学科長である秋山純和(あきやま・すみかず)教授が2003年に『理学療法科学』に書かれた論文「神経筋促通法(PNF)と筋力トレーニング」には、「Kabat博士は医師免許も理学療法士免許も持っていなかった。理学療法士であるKnot氏に協力を求めた原因かも知れない」と明記してあります(24ページ)。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/18/1/18_1_23/_pdf
↑
どちらが本当なのでしょう?
エビデンスを調べていくと、現在の理学療法のエビデンスは「怪しい」ことだらけです。最近は、話半分で眉唾で聞いて、あとでエビデンスを検証するようにしています。おそらく、いまだにアタマの中が「メカニズム派」であり、EBM革命についていけていないのです。あと、かなり大量のウソや捏造をみつけることができます。これが故意なのか単なるミスなのかは、教えられる側、教育を受ける側には重要だと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
※2:「神経筋促通法(PNF)と筋力トレーニング」
秋山 純和『理学療法科学』Vol. 18 (2003) No. 1 P 23-28
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/18/1/18_1_23/_pdf
※3:「 ファシリテーション・テクニック」
『リハビリテーション医学』Vol. 11 (1974) No. 1 P 29-31
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1964/11/1/11_1_29/_pdf
※4:「総説 リハビリテーション医学の革新の提案 神経筋促通法の機序の回顧と反省 」
福井 圀彦,et al.
『バイオフィリア リハビリテーション研究』 Vol. 3 (2006) No. 1 P 27-32
https://www.jstage.jst.go.jp/article/brj/3/1/3_1_27/_pdf
※5:「片麻痺回復のための促通反復療法の理論と効果」
川平 和美
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
Vol. 50 (2013) No. 2 p. 118-123
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/50/2/50_118/_pdf
※6:「固有受容器神経筋促通手技(PNF)の学内教授活動の変遷と現状」
佐藤 仁『理学療法科学』Vol. 25 (2010) No. 4 P 483-486
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/25/4/25_4_483/_pdf