【好酸球性胃腸炎(Eosinophilic gastroenteritis)】
病変が大腸に限局している場合には、「好酸球性腸炎(Eosinophilic colitis)」と呼ぶこともある。
厚生労働省の好酸球性食道炎・好酸球性胃腸炎研究班
http://ee.shimane-u-internal2.jp/23.html
好酸球性胃腸炎の診断指針
1.症状(腹痛、下痢、嘔吐等)を有する。
2.胃、小腸、大腸の生検で粘膜内に好酸球主体の炎症細胞浸潤が存在している。
(20/HPF以上の好酸球浸潤、生検は数ヶ所以上で行い、また他の炎症性腸疾患を除外することを要する)
3.腹水が存在し腹水中に多数の好酸球が存在している。
4.喘息などのアレルギー疾患の病歴を有する。
5.末梢血中に好酸球増多を認める。
6.CTスキャンで胃、腸管壁の肥厚を認める。
7.内視鏡検査で胃、小腸、大腸に浮腫、発赤、びらんを認める。
8.グルココルチコイドが有効である。
※1と2または3は必須
これら以外の項目も満たせば可能性が高くなる。
好酸球性胃腸炎の治療指針
1.プレドニゾロン20-40mg/日の内服が行われることが多いが投与量、減量スピード、中止の時期、治療抵抗例に対する対応、再発、再燃時の対応 については一定の見解はない。
「好酸球性胃腸炎の診断と治療」
木下 芳一, 石原 俊二, 天野 祐二, 清村 志乃, 多田 育賢, 丸山 理留敬
日本消化器内視鏡学会雑誌
Vol. 54 (2012) No. 6 p. 1797-1805
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/54/6/54_1797/_article/-char/ja/
Eosinophilic gastroenteritis: An unusual type of gastroenteritis
Sachin B Ingle and Chitra R Hinge (Ingle)
World J Gastroenterol. Aug 21, 2013; 19(31): 5061–5066.
Published online Aug 21, 2013
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3746377/
「①食物抗原となりやすいミルク、タマゴ、ピーナッツ、ナッツ類、小麦、大豆、海産物の6種の食品を除く除去食
②アレルゲンの除去食
③成分栄養食
④低カロリー低脂肪食やグルテン除去食」が試みられているが、エビデンスは十分ではない」