alternativemedicine

Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の鍼治療の文献調査

2012-05-24 | 東洋医学
慢性閉塞性肺疾患に対する針灸治療経験
木下滋
臨床鍼灸 4(1) 49-52 1987

鍼治療により呼吸困難及び栄養状態の改善がみられた肺気腫の1症例
片山祐一, 江川雅人, 矢野忠, 苗村健治
医道の日本 63(5): 53-58, 2004.

COPD患者の呼吸筋力に対する鍼治療の影響
鈴木雅雄, 苗村健治, 大野康, 後藤紘司, 矢野忠, 藤原久義
日本呼吸器学会雑誌 42(suppl.1): 97-97, 2004.

慢性閉塞性肺疾患に対する鍼治療の臨床効果の検討
鈴木雅雄
明治鍼灸医学 33 83ー97 2004

老人保健施設に入所中の重症肺気腫患者に対する鍼治療の1例
鶴浩幸 江川雅人 高橋則人 松本勅 苗村健治
全日本鍼灸学会誌 55(2) 150-158 2005

慢性閉塞性肺疾患の指圧治療, 分節性の方が非分節性よりも息苦しさや肺機能に効く
濱田 淳, 堀口和彦
医道の日本 64(3): 54-56, 2005.

呼吸困難の改善とともに食欲不振の改善が得られた肺気腫の症例
江川雅人, 矢野忠, 苗村健治
明治鍼灸大学
医道の日本 64(5): 53-61, 2005.

能力障害を来す息切れに対する鍼
濱由淳, 黒須幸男
医道の日本 64(9): 56-59, 2005.

鍼治療が有効であったCOPDの1症例
鈴木雅雄, 大野康, 苗村健治, 浅井稔博, 由月英行, 澤田昌浩, 赤尾清剛, 後藤紘司, 藤原久義
日本呼吸器学会雑誌 43(5): 289-295, 2005.

呼吸困難とともに食欲不振と肩こりの改善が得られた肺気腫の症例 -条件反転法下に経過観察を行った1例(上)-
江川雅人, 矢野 忠, 苗村健治
医道の日本 64(11): 85-90, 2005.

呼吸困難とともに食欲不振と肩こりの改善が得られた肺気腫の症例-条件反転法下に経過観察を行った1例(下)-
江川雅人, 矢野忠, 苗村健治
医道の日本 65(2): 90-93, 2006.

臥床状態を余儀なくされたCOPD患者に対する鍼治療の経験
鈴木雅雄, 小西未来, 松村匡哲, 石崎直人, 苗村健治
医道の日本 68(11): 72-77, 2009.

COPD患者に対する鍼治療の経験
鈴木雅雄, 石崎直人, 矢野忠
医道の日本 69(2): 57-63, 2010.

COPD患者の呼吸困難に対する鍼治療の検討 COPD Acupuncture Trial:CAT
鈴木雅雄, 室繁郎, 福井基成, 安藤友紀, 塩田哲広, 遠藤和夫, 大森崇, 佐藤晋, 相原顕作, 松本正孝, 鈴木進子, 糸谷涼, 石床学, 原良和, 鍵岡均, 平林正孝, 三嶋理晃
日本呼吸器学会雑誌 48(suppl.2-1): 323-323, 2010.

全身性病変を伴った慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症例
坂本豊次
鍼灸Osaka 26(2) 179-190 2010

COPDの病態と鍼灸治療
一和多俊男 清水谷尚宏
鍼灸Osaka 26(2) 179-190 2010

慢性閉塞性肺疾患の労作時呼吸困難に対する鍼治療の臨床的効果 病期分類に対する効果
鈴木雅雄 江川雅人 杉本崇子 赤尾清剛 石崎直人 矢野忠 苗村健治
全日本鍼灸学会雑誌 60(3) 496

喫煙で肺疾患 鍼で症状改善

2012-05-24 | 東洋医学
http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012052301001935.html
47NEWS 

はり治療で息切れ和らぐ 肺疾患、筋肉疲労を回復
 たばこや大気汚染の影響で呼吸が徐々に困難になる慢性閉塞性肺疾患(COPD)で起きる息切れを和らげるのに、はり治療が有効とする研究結果を明治国際医療大(京都府南丹市)の鈴木雅雄准教授(鍼灸学)らのチームがまとめ、23日発表した。

 患者は通常の横隔膜呼吸ができなくなり、本来は使う必要のない筋肉も使って呼吸せざるをえなくなり、疲労しやすいという。鈴木准教授は「はり治療で筋肉の疲労が回復して呼吸しやすくなり、歩く距離が延びるなどの改善がみられた」とした。
 COPDは肺気腫や慢性気管支炎、気管支ぜんそくの総称。

YahooヘッドラインのNEWS
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120523-00000140-jij-soci

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012052300930
肺疾患にはり治療効果=息切れなど改善-明治国際医療大
 たばこの吸い過ぎなどが原因の慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)の症状緩和にはり治療が効果的であることを、明治国際医療大鍼灸学部の鈴木雅雄准教授らの研究グループが臨床試験で実証したと23日、発表した。
 COPDを発症すると、首や肩などの筋肉が呼吸を補助するため常に収縮を繰り返し、筋肉疲労が蓄積するという。
 研究グループは、12週間にわたって30人以上の患者にはり治療を行い、息切れの緩和や血液中の酸素量増加などの症状改善を確認した。(2012/05/23)

朝日新聞 2012年5月24日
「喫煙で肺疾患、鍼で症状改善」





耳鍼と股関節

2012-05-19 | 東洋医学
 耳鍼は、1957年にフランスの整形外科医ノジェ(Paul Nogier)が発表した治療法です。ノジェさんはフランスのリヨンで開業していたのですが、患者さんたちの耳に奇妙な瘢痕があることに気がつきました。この瘢痕は地中海に伝わる民間療法で、坐骨神経痛の患者さんが、耳のその部分をわざとヤケドして瘢痕を残すことで、坐骨神経痛がとれると信じていたのです。ノジェさんは同じ場所に鍼をすることで、坐骨神経痛を鎮痛できることに気づき、それから耳のツボを次々と発見していきました。

 つまり、耳鍼はもともと痛みの治療法として開発されたという経緯があります。そして、フランスのノジェさんのマップと現在の中国のマップはかなり違います。

 耳鍼について最近、面白い研究がありました。これは『医道の日本』を調べていて気づきました。

股関節形成術後の痛みに対する真のツボへの耳鍼はツボでない場所に比べて優れている」
医道の日本 65(7): 58-61, 2006.

「耳ツボ刺激は, 股関節骨折の高齢者の不安や痛みを軽減するらしい」
医道の日本 66(3): 67-68, 2007.

上記のうち、「股関節形成術後の痛みに対する真のツボへの耳鍼はツボでない場所に比べて優れている」の原著論文は以下になります。

Pain. 2005 Apr;114(3):320-7.
Auricular acupuncture for pain relief after total hip arthroplasty - a randomized controlled study.
Usichenko TI, Dinse M, Hermsen M, Witstruck T, Pavlovic D, Lehmann Ch.
Department of Anesthesiology and Intensive Care Medicine, Ernst Moritz Arndt University of Greifswald, Germany.

 これは、ドイツのグレイフスウォルド大学(University of Greifswald)の麻酔科と整形外科で61人の股関節形成術を受ける患者に対して、耳に留置圧迫鍼を行い、真鍼と偽鍼の効果を比較したものです。『ペイン』という疼痛に関する一流医学誌に掲載されています。

また、「耳ツボ刺激は, 股関節骨折の高齢者の不安や痛みを軽減するらしい」の原著は

Acad Emerg Med. 2006 Jan;13(1):19-23. Epub 2005 Dec 19.
Out-of-hospital auricular acupressure in elder patients with hip fracture: a randomized double-blinded trial.
Barker R, Kober A, Hoerauf K, Latzke D, Adel S, Kain ZN, Wang SM.
Department of Anesthesiology and Intensive Care, University of Vienna, Vienna, Austria.

 これは、オーストリアのウィーン赤十字から派遣された救急医療センター、ウィーン大学の研究で、高齢者の股関節骨折で救急車で搬送される80-95歳の患者に対して、救急救命士が耳の「股関節」などの3穴に指圧を行い、股関節骨折の高齢者の疼痛や不安感の軽減に効果的であったというものです。

 自分が担当している新聞の連載記事を書く際の、元ネタの部分をノートしておきます。

帯状疱疹後神経痛の焦氏頭皮針

2012-05-18 | 頭皮鍼
帯状疱疹痛及び帯状疱疹後神経痛に対する頭皮鍼治療及び耳介療法
高橋秀則 帝京平成大学ヒューマンケア学部はり灸学科
医道の日本 68(6): 68-74, 2009.

上記の論文もエポックメイキング。

 帝京大学麻酔科ペインクリニック外来を過去3年間に受診した帯状疱疹痛または帯状疱疹後神経痛と診断された患者で、西洋医学的治療で除痛できなかったもの18例。抗ウイルス剤、抗うつ薬、抗けいれん薬、神経ブロック、経皮性電気刺激、脊髄硬膜外電気刺激で除痛できなかった。18人全員が灼熱痛を訴え、アロディニアは10人にみられた。

方法
焦氏頭皮針の「感覚野」「足運感区」に刺入し、電気刺激機で150Hz、20分間刺激した。
次回療法は、ノジェによるマッピングで、神門、ゼロ点、視床、さらに痛みに相当するポイントに20-40μAで20秒間通電。
初回治療後、4回目の治療、一週間後に疼痛の評価をVASで行った。

結果
初回治療で著効4名、有効8名、やや有効5名、無効1名。
4回治療で著効7名、有効9名、やや有効1名、無効1名であった。

典型的症例
83歳女性 帯状疱疹後神経痛
5月上旬
左顔面に痛みを伴う発疹。抗ウイルス剤、消炎鎮痛剤の治療を受け、数ヶ月たっても変化がない。左眼部から後頸部に持続痛とアロディニア。「感覚野」の左顔面に相当する部位に1寸8番鍼を刺入し、150Hzで20分間刺激し、自発痛は半減した。耳介治療を行ったところ、自発痛はほぼ消失した。イミプラミン(抗うつ剤)を処方した。
 その後、痛みは徐々に再燃して、1週間後の再診時には初診終了の半分ぐらいとなった。しばらく1週間に1度の治療で、5回目からは2週間に1度の治療。9ヵ月後にはそう痒感と発作痛は軽減、アロディニアは10分の1となった。10ヵ月後には左眼瞼周囲部の軽度の発作痛のみとなった。

 この研究の意義として、アロディニアによって、局所に鍼を刺入できない場合でも、反射区を組み合わせて用いることで、かなりの効果を挙げられることを示唆している。

帯状疱疹の基礎知識

2012-05-17 | 中医学
 帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛について、調査しました。
西洋医学的に最も優れているのは、向野義人先生の以下の総説です。

帯状疱疹後神経痛の鍼治療
向野義人 福岡大学病院東洋医学診療部
痛みと臨床 7(3): 279-283, 2007.

 2004年に発表されたアメリカ神経学会の「帯状疱疹後神経痛治療指針」によれば、鍼のエビデンスは、グループ3に分類され、プラセボと比較してエビデンスが無いとされています。これはRCT(ランダム化比較試験)がないためです。一方で、有効であるという症例報告は多いです。
 鍼通電療法の有効性が多く報告されています。夾脊穴や疼痛部位の近傍が多いです。最近、60Hzや100Hzの高頻度低周波鍼通電が用いられた著効例が報告されています。

 わたし自身も論文をリサーチしました。1983年の田辺成蹊先生の論文は、華佗夾脊穴を用いて、かなりの有効率をあげています。1996年の『鍼灸OSAKA』は帯状疱疹後神経痛を特集しており、森川和宥先生の論文は、中医弁証もしっかりとされているし、東洋医学的な臨床の総説となる論文です。帯状疱疹(HZ:herpes zoster)を熱毒実証ととらえて、帯状疱疹後神経痛(PHN:postherpetic neuralgia)を虚証としてとらえているのは、慧眼であり、かなり後の中医師の論文も同じです。この論文で論じられた治療法が中国でも日本でも標準的だと思われます。

神経ブロックと鍼との併用治療
森川和宥
鍼灸OSAKA 12(2)26-32 1996

 西洋医学では、江川雅人先生の以下の論文はエポックメーキングです。

帯状疱疹に対する鍼灸治療 -抗ウイルス剤との併用による帯状疱疹後神経痛発症の防止効果-
江川雅人 矢野忠
鍼灸OSAKA 12(2)37-43 1996

 西洋医学のアシクロビル(抗ウイルス剤)との併用について書かれています。

帯状疱疹後神経痛の発症が回避できたと思われた帯状疱疹の1例
江川雅人, 矢野忠 明治鍼灸大学
医道の日本 62(3): 42-45, 2003.

帯状疱疹後神経痛に高頻度鍼通電療法が効果的であった1症例
福田文彦, 矢野忠 明治鍼灸大学
医道の日本 62(10): 42-45, 2003.

上記の論文も、非常に参考になる部分、示唆に富む部分があります。

2006年の『医道の日本』でもヘルペス後神経痛が特集されています。

 東洋医学では、帯状疱疹は、「蛇丹(じゃたん)」または、「纏腰火丹(てんようかたん)」と呼ばれる。病因として、(1)情志失調による肝気鬱結から化火して肝経火盛。(2)脾失健運からの湿熱鬱滞、(3)湿熱火毒の皮膚への鬱滞など。王肯堂の『証治準縄』や『医宗金鑑』『外科大成』などに記述があります。

以上です

帯状疱疹の鍼治療に関する文献調査

2012-05-17 | 東洋医学
1982年
帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛に対する漢方薬と鍼による治療経験
清岡道子, 星野恵津夫, 池田和広 池田ワコー病院
麻酔 31(3): 276-276, 1982.

1983年
帯状疱疹痛に対する鍼治療の効果
田辺成蹊 柴絋次
全日本鍼灸学会雑誌. 1983 ; 33 ( 4 ): 383-387.
・華佗夾脊穴を用いて、41例。男性22例、女性19例で年齢層は27-83歳。新鮮例では著効69%、有効15%、無効0。帯状疱疹後神経痛では著効14%、有効43%、やや有効、無効は21%。皮膚の疱疹の消退を早める効果もある。

1984年
ペインクリニック1疾患1症例(その10) 帯状疱疹痛と帯状疱疹後神経痛
木村邦夫 長屋禎子 渋江義朗
東洋医学とペインクリニック 14(1) 16-23 1984

1985年
帯状疱疹に対する低周波置鍼療法
荒木誠 1985
医道の日本 44(10) 22-27  1985

1986年
鍼灸による帯状疱疹の臨床的研究(第1報)
金子佳平
全日本鍼灸学会雑誌. 1986 ; 36 ( 2 ): 135-136.
・大腸経と肺経から取穴する。身柱、風門、肩ぐう、曲池、温溜、合谷。大腸兪、小膓兪、天枢など。速刺速抜。14例。

1988年
帯状疱疹後神経痛
松元丈明1988
医道の日本 47(6) 14-16

1990年
帯状疱疹 (蛇丹) の針灸治療
植地博子
中医臨床 11(3) 94 1990

1993年
発症後長期間を経た帯状疱疹後神経痛に対し鍼灸治療が奏効した一症例
豊田住江 森本昌宏 武内哲郎
東洋医学とペインクリニック 1993: 23(4) 240ー244

帯状疱疹後神経痛の1症例
尾崎朋文 于思 野々井康治 安達操子
鍼灸OSAKA 9(2):64-69 1993
・チェック。

1995年
帯状疱疹後RSD例での腕神経叢ブロック・針治療等の併用
本城繁 杏林大学麻酔科
麻酔 44(8): 1184-1184, 1995.

1996年
帯状疱疹後神経痛の東洋医学的治療
稲森耕平 大阪医科大学麻酔科
日本ペインクリニック学会誌 3(3): 100-100, 1996.

神経ブロックと鍼との併用治療
森川和宥
鍼灸OSAKA 12(2)26-32 1996
・東洋医学では蛇丹、熱毒証。帯状疱疹(HZ)では実証。帯状疱疹後神経痛(PHN)は虚証。HZは神経ブロック、PHNは鍼治療。70%は著効または有効。肩ぐう、肺兪、止痒、曲池、委中、築賓。PHNには低周波鍼通電療法。罹患している局所を囲刺、横刺して2,5ヘルツで15-20分間通電。
夾脊穴に瀉法。刺絡。梅花針。(1)熱盛湿邪:曲池、合谷、神門、大椎、内関、肺兪。(2)熱毒灼営:膈兪・風池、曲池・合谷、魚際。(3)脾虚湿毒:豊隆・陰陵泉・膈兪・曲池・内関・水分・足三里。(4)気虚血オ:曲池・血海・委中・夾脊穴・関元。

中国における帯状疱疹の鍼灸アプローチ
渡辺明春
鍼灸OSAKA 12(2)33-36 1996
・明代、王肯堂著『証治準縄』の「纏腰火丹(てんようかたん)」。①肝経火盛、②脾失健運、③気滞血オ。内関、太衝、外関、陽陵泉、曲池、足三里、血海。囲刺。耳針の肝と神門。

帯状疱疹に対する鍼灸治療 -抗ウイルス剤との併用による帯状疱疹後神経痛発症の防止効果-
江川雅人 矢野忠
鍼灸OSAKA 12(2)37-43 1996
・アシクロビルと鍼治療の併用。22例で、著効16例、有効4例、やや有効2例。PHNの発症は認められなかった。

帯状疱疹後神経痛についての印象 -瘢痕部への刺絡・吸角が奏効した症例-
坂本豊次
鍼灸OSAKA 12(2)44-45 1996
・督脈上の霊台、至陽の灸。夾脊穴の鍼。オ血とみなして吸角で改善して治癒。

帯状疱疹の治療雑感
猪飼祥夫
鍼灸OSAKA: 1996 12(2):46-47
・疱疹部の皮下に鍼を横刺して通電。イソジンをうすめて消毒。

1997年
帯状疱疹後神経痛(PHN)の鍼治療
石野尚吾, 柳澤紘 北里研究所東洋医学総合研究所鍼灸診療部
Pharmacoanesthesiology 19(suppl): 98-98, 1997

帯状疱疹後神経痛(PHN)の鍼治療
石野尚吾, 柳澤紘 北里研究所東洋医学総合研究所鍼灸診療部
Pharmacoanesthesiology 10(2): 101-102, 1997.

1998年
帯状疱疹後の痛みに刺絡が奏効した症例
著者: 村田渓子
鍼灸OSAKA 14(2):64-66 1998

1999年
帯状疱疹による顔面神経痛に対する鍼治療併用効果
大野正光
鍼灸OSAKA 15(2):66-67 1999

2000年
帯状疱疹後神経痛の中医的治療
戴昭宇
中医臨床  21(4)26 2000
・実証は肝胆火盛。化オ通絡。清熱解毒。帯状疱疹後神経痛は虚証。不栄則痛。中国の鍼治療法の紹介あり。体穴は外関・陽陵泉の瀉法。または督脈の合谷刺。電気鍼では夾脊穴。または局所に刺絡抜罐。局所を点刺抜罐。毫鍼で囲刺し、梅花針の叩打と抜罐。

2002年
胸部PHN患者に対する鍼通電療法の効果-CPTを用いた検討
安宅豊史, 和栗紀子, 冨田美佐緒 新潟大学医学部附属病院麻酔科
新潟医学会雑誌 116(12): 643-643, 2002.

2003年
肋間神経痛に対する鍼灸治療の効果
齊藤千恵1, 山田章盛1, 小川真生2, 高橋秀則2
帝京大学医学部附属市原病院麻酔科1, 帝京大学医学部附属市原病院ペインセンター2
日本ペインクリニック学会誌 10(3): 420-420, 2003.

帯状疱疹後神経痛に対する直線偏光近赤外線照射と鍼治療併用の一臨床経験
河内明, 伊地知和男 大阪医科大学麻酔科ペインクリニック
医道の日本 62(6): 58-65, 2003.

帯状疱疹後神経痛の発症が回避できたと思われた帯状疱疹の1例
江川雅人, 矢野忠 明治鍼灸大学
医道の日本 62(3): 42-45, 2003.
・78歳女性。左側腹部の水疱と疼痛。囲刺。抗ウイルス剤との併用。

帯状疱疹後神経痛に高頻度鍼通電療法が効果的であった1症例
福田文彦, 矢野忠 明治鍼灸大学
医道の日本 62(10): 42-45, 2003.
・59歳主婦。人工透析中。アロディニア。置鍼+低頻度低周波鍼通電。皮内針で悪化。灸頭針で軽減。高頻度の低周波鍼通電で改善。100Hz。

2006年
ヘルペス後神経痛に対する鍼治療
新井千枝子 埼玉医科大学東洋医学科
医道の日本 65(13): 29-34, 2006.
・膵臓癌の末期患者の帯状疱疹。夾脊穴。局所の切皮置鍼。伏兎に鍼通電。1Hz10分間の通電。

ヘルペス後神経痛の鍼治療 -アロディニアを呈する症例
石丸圭荘 了寺大学健康科学部
医道の日本 65(13): 35-38, 2006.
・手掌部のアロディニアに手背部から刺鍼して通電した症例。

帯状疱疹後神経痛に対する低周波鍼通電療法の効果
菅原正秋1), 吉川惠士2)
1)筑波大学理療科教員養成施設, 東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター,
2)筑波大学大学院人間総合科学研究科
医道の日本 65(13): 39-46, 2006

2007年
帯状疱疹後神経痛の鍼治療
向野義人 福岡大学病院東洋医学診療部
痛みと臨床 7(3): 279-283, 2007.
・最も優れたレビューとなっている。

2008年
帯状疱疹痛及び帯状疱疹後神経痛に対する頭皮鍼治療及び耳介療法高橋秀則
帝京平成大学ヒューマンケア学部はり灸学科
医道の日本 68(6): 68-74, 2009.

2009年
東海鍼灸医案 帯状疱疹後神経痛
高士将典 荒井勝彦
漢方の臨床 56(1) 149-152 2009

2010年
帯状疱疹後の頭顔面痛の鍼灸治療
河原保裕 アコール鍼灸治療院
中医臨床 31(2): 274-276, 2010.

2011年
顔面神経麻痺に対する鍼灸治療(2)-高度神経変性例に対する治療-
新井千枝子, 山口智 埼玉医科大学東洋医学センター
医道の日本 70(7): 73-83, 2011.

置鍼治療とリハビリテーションの併用が奏効したと考えられたHunt症候群の2症例
蛯子慶三, 菊池尚子*, 吉川信, 丹波さ織**, 新井寧子***, 佐藤弘
東京女子医科大学東洋医学研究所,
*北総白井病院耳鼻咽喉科,
**東京女子医科大学耳鼻咽喉科,
***東京女子医科大学東医療センター耳鼻咽喉科
FACIAL NERVE RESEARCH JAPAN 31(): 154-157, 2011.

永野剛造先生の朱氏頭皮針の論文

2012-05-08 | 頭皮鍼
『東方医学』の文献調査中に、朱氏頭皮鍼の論文を4つ読む。

「朱氏頭皮鍼が著効を示した脳血管障害の1例」
永野剛造、国安則光、森和、矢野幸彦、永井聡
『東方医学』VOL.9 NO.3 1993年
・50歳男性、左片麻痺・構音障害。平成3年3月5日に倒れる。CTで右被殼出血。左口角下垂。左上下肢完全麻痺。知覚障害なし。軽度の言語障害。脳浮腫が改善したため、4月11日に頭皮鍼治療を始める。右頂顳帯(前頂から頭維)に刺鍼刺激しながら上肢を動かすように指示。上下肢屈筋共同運動が出現し、翌朝まで置鍼して抜針。4月12日には左上下肢が少し動くようになったとの自覚的変化が報告された。4月19日の2回目の頭皮鍼治療では、背臥位で左手は口まで挙上可能となる。下肢は左足関節底屈・背屈が可能となり、患者は「鍼を刺すと左上下肢に電気が通る感じがする」と述べる。5月27日まで1週間に2回、合計10回の頭皮鍼治療。5月27日以後は1週間に1回の頭皮鍼治療。6月21日には歩行時に患側の軽度の引きずりを認める程度。8月14日に退院となった。

「頭皮鍼が著効を示したくも膜下出血後遺症の1例」
永野剛造、矢野幸彦、永井聡、末永和栄、国安則光、森和、
『東方医学』VOL.10 NO.1 1994年
・71歳男性、平成3年1月27日、クモ膜下出血にて入院。動脈瘤クリッピング後、水頭症発症。3月18日にシャント術、気管切開。7月30日に他院より転院。四肢拘縮が強く、他動的な伸展・屈曲運動もほとんど不能であった。植物状態。理学療法での運動機能の改善、意識状態の改善も不可能と判断されたが、家族の強い希望で頭皮針を試みた。8月23日、1回目の頭皮針。左片麻痺が強く、左半身優位に痙攣が見られたこととCTの所見から右頂顳帯(前頂から頭維)に刺鍼し、刺激を加える。初回の治療で左下肢の拘縮が改善し、左上肢の肘関節の屈伸が若干可能となった。8月30日、2回目の頭皮針。両頂顳帯(前頂から頭維)に刺鍼し、刺激したところ、右下肢の拘縮がやや改善し、ADL上オムツ交換が絡になった。右上肢も肘関節部が他動的に屈伸が可能となった。9月2日、四肢拘縮に著明な改善が見られた。9月6日、脳波計で周期性一側性てんかん様放電(PLEDs)の多発を認める。9月20日、5回目の頭皮針。右膝関節部の動きが改善した。9月21日刺鍼時の意識清明化が認められ、テレビ・家族の理解が確認された。以後、1週間に2回の頭皮針。11月8日、15回目の頭皮針。脳波計で周期性一側性てんかん様放電(PLEDs)の減少を認める。車椅子に5分間乗せたところ、開眼して1点を見つめていた。呼びかけに反応し、声のほうをむいた。1月21日脳波計で周期性一側性てんかん様放電(PLEDs)の消失を認める。1月24日、27回目の頭皮針。車椅子上にて坐位が安定し、10分程度可能となった。
コメント:論文の筆者は「考察」の「痙攣について」で、「朱氏頭皮針はテンカンに有効であると朱明清医師は著書で述べており、著者らも経験的には脳性麻痺児らに頭皮針を行うと、痙攣発作が減少することを認めているが、文献上では報告されていない」と述べている。さらに「中国では、てんかんはよくみられる病証であり、治験例も多く、鍼灸の適応症の1つと考えられている。てんかんに対する鍼治療は、一般には、風池・風府・人中・大椎・腰奇を常用穴とし、大発作・小発作・精神運動発作・焦点発作などにそれぞれ予備穴を用いる」と述べている。

「頭皮針により書字機能に改善が見られた右片麻痺の2例」
永野剛造、佐藤謙介、森和、朱明清
『東方医学』VOL.11 NO.1 1995年
・92歳男性。脳梗塞後遺症、右不全麻痺。平成5年3月14日脳梗塞にて入院。CT所見で多発性脳梗塞。額頂帯(神庭から百会)前方4分の1、後方4分の1、左頂顳帯(前頂から頭維)に刺鍼し、右上肢の運動療法。11月10日から1週間に2回の頭皮針を10回続けて、書字機能の著明な改善を見た。

「脳波解析(自己回帰要素波解析)から見た頭皮針の脳血管障害後遺症に対する効果」
永野剛造、佐藤謙介、末永和栄
『東方医学』VOL.12 NO.2 1996年
・8例の男性の脳障害患者で、年齢は24歳ー64歳、交通事故による脳挫傷4例。脳血管障害2例。もやもや病による脳梗塞1例。ヘルペス脳炎後遺症1例。発作から頭皮針開始までの期間は10ヶ月から20年。右片麻痺は6例、左片麻痺は2例。脳挫傷では全員が昏睡で気管切開の既往があった。治療開始1回ー2回に脳波検査を行い、1週間に1回の頭皮針を3ヵ月半から9ヶ月施行した後に再検査を行う。

透析患者の鍼

2012-05-07 | 東洋医学
あまり詳しくない透析患者の鍼について、文献調査。

「慢性腎不全に対する鍼治療」
関卓郎, 浅原与四郎, 吉野新八郎, 水上信明, 鶴谷繁, 中台正平, 岡田洋一, 宇賀神啓一, 栗山実, 竹村文近
しんじん医の会、日本鍼灸良導絡医学会誌 8(4): 51-51, 1979. ・チェックしたが、学会報告の短報。

「泌尿器疾患の鍼灸治療」
邵輝『TAO鍼灸療法』第2巻、第5号、16-19

「内科診療に併療する鍼灸治療の効果について―特に人工透析患者に対して―」
小俣 浩 山口 智 芹澤勝助 大野修嗣 北川 宏
全日本鍼灸学会雑誌. 1988 ; 38 ( 3 ): 288-294.
・血液透析を行っている患者12名、31-71歳で、平均53.3歳。透析時間は1週間に3回、1日4-5時間。透析歴は1年8ヶ月から11年7ヶ月のもので、平均5年7ヶ月である。原疾患は慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、多発性嚢胞腎、腎硬化症。BUN(blood urea nitrogen:尿素窒素)、クレアチニン(Cr、Creatinine)、尿酸が高い。愁訴は頭痛、頸肩の凝り感、上肢痛、背腰部痛、下肢痛、膝関節痛であり、愁訴の改善は有効率73.1%であった。

「透析医療における補完・代替医療」
川嶋  朗
全日本鍼灸学会雑誌. 2003 ; 53 ( 2 ): 128-140.
・皮膚そう痒症は血虚、熱証と考えられる。33例に漢方治療を行い、有効率は約75%、四物湯を中心とした補血剤や石膏剤の有効率が高かった。関節痛は寒証、腎虚、オ血であることが多い。透析低血圧は利水剤の五苓散が効果的であった。四肢疼痛7例に円皮針を使用して、6例が有効であった。

「維持透析患者に対する鍼治療の試み」
坂口俊二、関西鍼灸大学
鍼灸OSAKA.2003 ;VOL19 NO.1 63-66
・維持透析患者(hemodialysis patient)の合併症、痛みと皮膚そう痒に対して、1週間に2回、円皮針を用いて15-20分の治療を行い、人工透析終了後に抜針する。

「維持透析患者のかゆみに対する東洋医学的アプローチとはり治療の効果」
新井友子、川嶋朗、高橋聡
Clin Eng 2003:14(12):1435

「透析患者のQOL改善のため補完・代替医療の可能性を探る」
医道の日本編集部
医道の日本 64(6): 6-6, 2005. ・チェック済

「糖尿病透析患者の間欠跛行に対する鍼治療の効果」
坂口俊二, 楳田高士、関西鍼灸大学臨床鍼灸学
日本温泉気候物理医学会雑誌 69(1): 44-45, 2005
・サマリーを読む。59歳の男性の糖尿病透析患者の間欠性跛行に鍼治療を行い、168メートルから378メートルまで延長した。

「維持透析患者の合併症に対する鍼治療 」
坂口俊二、関西鍼灸大学
医道の日本 65(5): 25-30, 2006.
・透析患者は25万人。特有の合併症として透析アミロイドーシスや低血圧、皮膚そう痒症、糖尿病による透析導入者が増加して高齢化している。感染症防止、抗凝固剤のため、出血のリスクがあり、毫鍼の使用について議論がある。同意書の必要性。円皮針を用いた治療は1週間に1回で12回、3ヶ月継続してSFー36で評価。症例報告。

「透析患者に対する鍼治療の実際」
山口智、埼玉医科大学 東洋医学科
医道の日本 65(5): 31-39, 2006. ・毫鍼を置鍼する治療。1週間に2回の治療。腰痛や下肢の症状が改善。クレアチニン、白血球数、赤血球数、Hb、ヘマトクリットは正常に近づく。67症例を対象にして、背部痛、腰痛、下肢痛、上肢痛など80.3%の有効率。

「維持透析患者に対する円皮鍼留置および毫鍼による鍼治療」
奥野友香、東海医療学園専門学校, 板橋中央総合病院血液浄化療法センター
医道の日本 65(5): 40-47, 2006.・33名を円皮針を用いて1週間に1回の治療。VASとfacescaleで評価。また、毫鍼の接触鍼で治療。毫鍼による置鍼の症例も報告。

「維持透析医療における鍼治療の可能性-透析医療スタッフによるアンケート調査より-」
櫻庭陽、沢崎健太、本田達朗、森山朝正
全日本鍼灸学会雑誌. 2006 ; 56 ( 1 ): 76-83.

「かゆみを訴える維持透析患者に対する鍼治療の試み」
櫻庭陽, 武内秀之, 武内操, 森山朝正
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部, 純会武内病院, 筑波技術大学保健科学部
日本温泉気候物理医学会雑誌 70(1): 33-34, 2006.・チェック済

「.維持透析患者に対する鍼治療」
小俣浩, 山口智, 中村宏孝, 阿部洋二郎, 大野修嗣, 三村俊英, 土肥豊
埼玉医科大学東洋医学科, 埼玉医科大学健康管理センター
日本温泉気候物理医学会雑誌 70(1): 32-32, 2006. ・チェック済

「維持透析患者に対する鍼治療効果(第2報) ―透析種による効果の比較―」
小俣浩, 山口智, 磯部秀之, 大野修嗣, 三村英俊, 土肥豊
埼玉医科大学 東洋医学科, 埼玉医科大学 健康管理センター
日本温泉気候物理医学会雑誌 71(1): 56-56, 2007.チェック済

「血液透析患者のQOL維持・向上を目指した鍼治療の導入とその効果-かゆみを対象と. した鍼治療の実践-」
櫻庭陽, 沢崎健太、武内秀之, 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部,
腎臓 2007:30(2):167-174

「 維持透析患者に対する鍼治療効果(第3報) 」
小俣浩, 山口智, 磯部秀之, 大野修嗣, 三村俊英, 土肥豊
埼玉医科大学東洋医学科, 埼玉医科大学健康管理センター
日本温泉気候物理医学会雑誌 72(1): 85-85, 2008. ・チェック済

「泌尿器科鍼灸学より「透析医療における鍼灸」について」
櫻庭陽、鈴鹿医療科学大学鍼灸学部鍼灸学科
医道の日本 67(4): 86-91, 2008.
・円皮針とMーtest(経絡テスト)を用いた治療。

「鍼・マッサージ療法 」
奥野友香、あかまつ透析クリニック
透析ケア 15(8): 821-823, 2009. ・チェック済。

「維持透析患者に対する鍼治療効果(第4報)―PAD患者の下肢末梢循環障害へ及ぼす影響―」
小俣浩, 山口智, 磯部秀之, 大野修嗣, 三村俊英, 土肥豊
埼玉医科大学東洋医学科, 埼玉医科大学健康管理センター
日本温泉気候物理医学会雑誌 73(1): 57-57, 2009 ・チェック済。

「維持透析患者に対する鍼治療効果(第5報) -全身性掻痒症に対する影響- 」
小俣浩, 山口智, 磯部秀之, 大野修嗣, 三村俊英, 土肥豊
1)埼玉医科大学東洋医学センター, 2)埼玉医科大学健康管理センター
日本温泉気候物理医学会雑誌 74(1): 40-40, 2010. ・チェック済。

「. 長期透析患者に対する鍼治療」
赤尾清剛、細野名古屋診療所
医道の日本 69(5): 130-134, 2010. ・皮膚の乾燥とそう痒、睡眠状態の改善。

「維持透析患者の合併症(特に末梢血管疾患)に対する鍼灸治療」
津崎正法, 小俣浩, 山口智、埼玉医科大学東洋医学センター
医道の日本 71(3): 85-92, 2012. ・チェック済。

『医道の日本』2012年5月号

2012-05-02 | 東洋医学
 『医道の日本』2012年5月号をアタマからシッポまで読む。

 川平法というリハビリはNHKで放映されて、文献を読んだことがある。大勝孝雄氏で検索したら、「fMRI-BOLD法を用いた鍼刺激による脳機能活動の検討」という論文を発見できたので、まさにいまの自分の関心がある脳機能と鍼灸に関する研究をされている。これは連休明けにでも読もう。大勝氏は近赤外光による研究も行っているようだ。

 FACT誌収載鍼灸関連論文は充実。

Heart. 2010 Sep;96(17):1396-400. Epub 2010 Jun 15.
Acupuncture improves exercise tolerance of patients with heart failure: a placebo-controlled pilot study.
Kristen AV, Schuhmacher B, Strych K, Lossnitzer D, Friederich HC, Hilbel T, Haass M, Katus HA, Schneider A, Streitberger KM, Backs J.
SourceDepartment of Cardiology, University of Heidelberg, Heidelberg, Germany.
・ドイツ、ハイデルベルク大学の研究。鍼は心不全患者の運動耐用能力を向上させるかもしれない。

Reprod Biomed Online. 2010 Jun;20(6):814-21. Epub 2010 Mar 4.
Acupuncture for frozen-thawed embryo transfer cycles: a double-blind randomized controlled trial.
So EW, Ng EH, Wong YY, Yeung WS, Ho PC.
SourceDepartment of Obstetrics and Gynaecology, The University of Hong Kong, Queen Mary Hospital, Pokfulam Road, Hong Kong Special Administrative Region, People's Republic of China.
・香港大学、クイーンメリー病院。鍼は凍結融解胚移植を受けた不妊女性の妊娠率を改善するか?すでに発表された3件のシステマティックレビューも精査する必要がある。

Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 2010 Nov;153(1):90-3. Epub 2010 Aug 21.
Is acupuncture in addition to conventional medicine effective as pain treatment for endometriosis? A randomised controlled cross-over trial.Rubi-Klein K, Kucera-Sliutz E, Nissel H, Bijak M, Stockenhuber D, Fink M, Wolkenstein E.
SourceJohannes Bischko Institute of Acupuncture, Vienna, Austria
・オーストリア。子宮内膜症関連の疼痛に対する鍼。特異的な経穴、次りょう、帰来、足三里、中極、三陰交への刺針は痛みのスコアを改善させた。

 「鍼灸ワールドコラム」の論文も、昔から注目してきた領域なので、面白く読めた。

Auton Neurosci. 2010 Oct 28;157(1-2):24-30. Epub 2010 May 5.
Neural mechanism of electroacupuncture's hypotensive effects.
Li P, Longhurst JC.SourceDepartment of Medicine, Susan-Samueli Center for Integrative Medicine, University of California, Irvine, California 92697, USA.
・カルフォルニア大学、アーバイン校。電気鍼によって、持続的に高血圧を軽減できる可能性が示された。使用したツボは間使、内関と足三里、上巨虚。

Brain Res. 2012 Mar 9;1442:25-35. Epub 2012 Jan 12.
Nucleus ambiguus cholinergic neurons activated by acupuncture: relation to enkephalin.Guo ZL, Li M, Longhurst JC.
SourceSusan-Samueli Center for Integrative Medicine and Department of Medicine, School of Medicine, University of California, Irvine, Irvine, CA 92697, USA.
・鍼刺激が内因性オピオイド、エンケファリンを通じて、延髄の擬核を刺激して心拍数に影響を与えるのではないかという論文。

Cochrane Database Syst Rev. 2012 Mar 14;3:CD009234.
Pain management for women in labour: an overview of systematic reviews.Jones L, Othman M, Dowswell T, Alfirevic Z, Gates S, Newburn M, Jordan S, Lavender T, Neilson JP.
SourceCochrane Pregnancy and Childbirth Group, Department ofWomen’s and Children’s Health, The University of Liverpool, Liverpool,UK.
・ロイターの陣痛緩和と鍼の報道の元の論文。

Arch Otolaryngol Head Neck Surg. 2012 Mar;138(3):294-300.
Treatment of recalcitrant chronic rhinosinusitis with integrative East-West medicine: a pilot study.Suh JD, Wu AW, Taw MB, Nguyen C, Wang MB.
SourceDivision of Head and Neck Surgery, University of California, Los Angeles, CA 90095, USA
US News& world Reportの慢性副鼻腔炎の報道の元の論文。

 ロイターの現代治療と電気鍼を加えることで、うつ症状が改善するという研究を紹介した記事。

 以下は関連論文。
Sleep. 2011 Jun 1;34(6):807-15.
Electroacupuncture for residual insomnia associated with major depressive disorder: a randomized controlled trial.Yeung WF, Chung KF, Tso KC, Zhang SP, Zhang ZJ, Ho LM.
SourceDepartment of Psychiatry, University of Hong Kong, Hong Kong SAR, China.

J Altern Complement Med. 2009 Aug;15(8):837-44.
Combination of acupuncture and fluoxetine for depression: a randomized, double-blind, sham-controlled trial.Zhang WJ, Yang XB, Zhong BL.
SourceBeijing MeiTan General Hospital, Beijing, People's Republic of China.

J Affect Disord. 2010 Jul;124(1-2):9-21. Epub 2009 Jul 26.
The effectiveness and safety of acupuncture therapy in depressive disorders: systematic review and meta-analysis.Zhang ZJ, Chen HY, Yip KC, Ng R, Wong VT.
SourceSchool of Chinese Medicine, LKS Faculty of Medicine, the University of Hong Kong, Hong Kong, China.

Battlefield Acupuncture

2012-05-01 | 東洋医学
 『東洋医学鍼灸ジャーナル』VOL.26(2012年5月号)をアタマからシッポまで読む。最も面白かったのは、小野直哉先生のインタビュー。

『小野「米軍では、兵士の疼痛管理にBattlefield Acupuncture(戦場鍼)が開発されており、兵士の湾岸戦争後遺症による不定愁訴に対しても鍼をはじめとした伝統医学や相補代替医療による治療が行われているので、被災地支援で心身ともに疲弊した自衛隊員の方々へ、震災直後以降でも鍼灸で支援できるのではないかと考えたのです」

松田「Battlefield Acupunctureとは、戦場でやっているんですか」

小野「そうです。軍医がMedical Acupuncturistとして米軍基地内に設立されている鍼灸センターなどで鍼の技術を学んでいます。Battlefield Acupunctureは、主に耳介に小さな皮内針のような鍼をうちます。1回入れたら、抜けない矢尻のような形状をした鍼です。

松田「それは少し怖いですね。うまく抜けるんですか?

小野「抜くときは外科手術になります」』以上。引用。

youtube上でBattlefield Acupunctureの動画も見つけた。