alternativemedicine

Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

精読(4)

2013-09-25 | 東洋医学

『医道の日本』1986年4月号
「圧痛点による診断と治療及び指頭感覚」

606ページ、谷岡賢徳「患者の感覚、術者の感覚」
※硬結の誕生から消滅まで。どの程度の水分が含まれているか?
664ページ、谷岡賢徳「指頭感覚について」
※昭和40年代からドーゼオーバーになる患者が出始めた。「ウキの現象」。体表弛緩。腹部打診。

389ページ、芹澤勝助「圧痛点の意義とその臨床」
※内臓体性反射。圧痛点の臨床。 

 

 


戦前の鍼

2013-09-17 | 東洋医学

本来は真摯に研究をされている研究者が書くべきだけど、自分用の資料。

1927年  
(昭和02年) 中山忠直漢方医学の新研究
      代田文誌がはじめて沢田健のところに見学。
      松元四朗平鍼灸孔穴類聚

1928年    
(昭和06年)  小林北州『帝国鍼灸医報』

1932年
(昭和07年) 柳谷素霊(1906-1959、当時27歳)と八木下勝之助師(1854-1946)が出
         会う。
         ※「十二経の外に病いはない」「経絡の虚実を補瀉するだけである」 
         ※本郷正豊 『鍼灸重宝記

1933年
(昭和08年) 岡部素道「古典における補瀉論」発表
      ※八木下勝之助による脈診と要穴の補瀉の指導(西村流?)
1934年   
(昭和09年) 承淡安、来日。
         駒井一雄「鍼灸医学の実験的研究」
         ※墨灸。昭和5年に京都帝大医学部助手で石川日出鶴丸教授指導で経絡経穴の研究。 『東邦医学』の前身、『実験鍼灸医学誌』創刊。

1936年    
(昭和11年) 城一格「八木下翁実験実証 脈診による鍼灸治療法」

1938年   『医道の日本』創刊※小野文恵師のエピソード
(昭和13年) 沢田健、没。
          竹山晋一郎・東邦医学社主催第1回研究会。

1939年
(昭和14年) 岡部素道 「新人弥生会(現・経絡治療学会)」の会長。
         東邦医学社主催第4回夏季講習会(経絡治療の骨組)
      柳谷素霊簡明不問診察法
         馬場白光が岡部素道の「肋膜炎の鍼治療」(『東邦医学』)に出会う。

1940年
(昭和15年)  代田文誌『鍼灸治療基礎学

1941年
(昭和16年) 代田文誌沢田流聞書 鍼灸真髄
          竹山晋一郎漢方医術復興の理論
          第5回東邦医学会夏期講習会(経絡的治療)
          岡部素道「経絡治療に於ける切診による補瀉に就いて」
          井上恵理「経絡治療に於ける手法に就いて」

          福島弘道「盲学校鍼灸教育に対する私見」(『東邦医学』)
          ※竹山晋一郎の指導で盲人経絡治療研究会
1942年
(昭和17年) 本間祥白「肝経虚証三例(経絡治療の治験第1号)」
                『東邦医学』昭和17年4月号

1944年
(昭和19年) 本間祥白鍼灸病証学』出版
※第三版序文「かつて東医宝鑑という本を学んだ私は此れと和本諸書から鍼灸に関連の深い病症を摘録してテキスト風に作成したのだが、直ぐ分かり易い講義本に書き換える予定であった」

1949年   
(昭和24年) 本間祥白経絡治療講話

1962年
(昭和37年)  本間祥白著『難経の研究


中医学の古典用語の辞典

2013-09-10 | 東洋医学

研究会でOBの方から質問があり、普遍性があると思うので、載せます。
古典を読む際の、東洋医学の病名などを調べるのに便利な辞典の紹介です。


http://www.amazon.co.jp/dp/4885160111
『中国漢方医語辞典』中国漢方
※これ一冊あれば、だいたいOKです。


http://t-shoten.com/BASE/22/12.HTM
陳有昭編『中国医学辞典 基礎編』
・病名に関しては、非常に充実しています。


http://t-shoten.com/BASE/22/11.HTM
陳有昭編『中国医学辞典 鍼灸編』
・鍼灸用語に関して、非常に充実しています。日本で紹介されていない文献も掲載されています。

わたしがよく使っていた辞典は以上です。

以下は『診家樞要』です。

 

元代、滑寿(1304-1386)著、豊田白詩訳
診家枢要』世論時報社、平成7年(1995年)7月12日初版第一刷
・この文献は、102-109ページの豊田白詩先生の「診脈に対する私見」が余りに面白くて買った記憶があります。
以下、引用。

 『刺熱篇の「四椎下間は隔中の熱を主る」はそういう過度期の産物ではなかろうか。は、これより後代、系統の重要な機関として心包絡に摂合され、これ又、出色の発見である三焦経に対応することになる』
以上、引用終わり。

 以上の「隔は三焦経に対応」という見解を読んだ頃に、わたしは温病学の「邪在膜原(湿阻膜原、湿阻三焦)」証というのを研究していたのと、陳潮阻先生の『中医臨床のための病機と治法』(神戸中医学研究会訳、医歯薬出版)で展開された「三焦は膜組織」という理論に夢中で、経絡治療の先生が同じような見解をされているのが、本当に面白かったから購入しました。

 余談ですが、「邪在膜原」証を理解できるかどうか、は中医学の温病学理解の一つのキーポイントだと思います。

 陳潮阻先生の理論の、手厥陰心包経は、西洋医学での心臓冠動脈を含む全身の血管系で、手少陽三焦経は全身の膜組織で横隔膜・腹膜・全身のリンパ管を含む「半表半裏」という、少し中西医結合的な見解は、わたしが20代で最も感動した中医学基礎理論です。
 薛己(1486-1558)や呉有性(1580-1660)や葉天士(1667-1746)や呉鞠通(1758-1836)の湿熱に関する温病学理論を読む際に、このイメージを持っていると、物凄く理解しやすいです。


医心方と明堂

2013-06-05 | 東洋医学

 日本最古の医学書『医心方』と『明堂』について、少し調べたら、本当にややこしい・・・。覚えているうちにメモ。

 まず、『明堂』について、真柳誠先生の『主要医薬文献史1 「内経」系医書および研究書』がもっとも詳しい。
 また、手に入りにくいが、長野仁先生の『古医書を読むための文献学基礎』(月刊『東洋医学』1991年Vol.21No.7 47-51)は、『明堂』についての最良の論文だと思われる。平成3年8・9月号から10月号、11月号、12月号。平成4年2.3月号と連載されている。

 『黄帝内経明堂』は、 『旧唐書』経籍志・『新唐書』芸文志等に記述がある。
楊上善は、これらをもとに『黄帝内経明堂類成』を編纂したと考えられる。これが日本に伝わったのが、仁和寺本といわれる仁和寺に伝わった『黄帝内経明堂』の巻1(肺経のみ)。
※楊上善撰注『黄帝内経明堂』、『東洋医学善本叢書』3所収、大阪・東洋医学研究会影印、1982。

  前田育徳会尊経閣文庫の重要文化財『黄帝内経明堂』巻一には、楊上善の序文も載っている(大東文化大学の林克教授による翻訳あり)。これは、日本内経医学会から出版されているが、絶版。
※『黄帝内経明堂』(小曽戸丈夫輯復、日本内経医学会編、北里研究所東洋医学総合研究所医史学研究部刊、1999年)

 敦煌から発掘された伝本(ロシア・エルミタージュ博物館のオルデンブルグ文書、レニングラード・アジア民族研究所所蔵)もある。
 おそらく前漢から後漢時代に『明堂』は成書となった。中国の黄龍祥先生が『黄帝内経明堂経輯校』 中国医薬科技出版社(1987年)を編集・出版している。 

 現在の経絡経穴のもとになった皇甫謐(215-282)の『鍼灸甲乙経』は、 『素問』『霊枢(九巻)』、『明堂孔穴針灸治要』を編纂したといわれ、この『明堂孔穴針灸治要』が『明堂』といわれている。

 日本では、桑原陽二先生が、『経穴学の古代体系=明堂経を復元する』、績文堂(1991年)を出版されている。

 『医心方』については、杉立義一先生の『医心方の伝来』(思文閣出版)がある(未見)。『医心方』の経穴についての記述は、『明堂』を下敷きにしている。

穴位主治の伝承における医心方の意義
光藤 英彦
日本東洋医学雑誌Vol. 44 (1994) No. 3 363-375(PDF

上記の論文は、 『医心方』と『黄帝内経明堂類成(仁和寺本)』の条文を比較している。

帝京大学の閻 淑珍(いえん・しゅちん)先生が京都大学の博士論文「『黄帝明堂経』系統の継承と変化ー六朝から唐代までの針灸資料を手掛かりに(ABSTRACT)」(2010)を書かれている。

閻淑珍先生は、以下の論文も書かれている。

閻 淑珍「『明堂経』の流傳と現状
『歴史文化社会論講座紀要』(2011)8pp.1 - 19

この論文は非常に参考になる。

 深谷伊三郎先生の『黄帝明堂灸経釈義』は、『太平聖恵方』(北宋時代)に収められ、元代のトウ桂芳が『子午流注鍼経』『鍼経指南』『灸膏肓兪穴法』といっしょに出版された『黄帝明堂灸経』という灸の専門書であり、楊上善の『黄帝内経明堂類成』とは、全く違う文献。


テレグラフの代替医療のダイエットの批判

2013-05-29 | 東洋医学

http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/9922246/Diet-secrets-of-the-stars-are-bogus.html
 上のリンクはイギリスの『タイムズ』と並ぶ高級新聞『テレグラフ』に2013年3月11日に載った記事。

「スターのダイエットの秘密は『にせもの』
(Diet secrets of the stars are ‘bogus’)」 

代替医療の批判者、エツアート・エルンストが鍼などの「オルタナティブ・メディスンのダイエット」を批判しまくり。

写真は、「グウィネス・パルトロウは鍼によるダイエットの利益を推奨している(Gwyneth Paltrow has recommended the slimming benefits of acupuncture)」

「オルタナティブ・スリミングはセレブによって有名になっている。カイリー・ミノーグとロビー・ウィリアムズは緑茶信者で、マドンナ、ジェニファー・ロペス、エル・マクファーソンは鍼を褒めたたえている(Alternative slimming aids have proven popular with celebrities. Kylie Minogue and Robbie Williams are also green tea believers and Madonna, Jennifer Lopez and Elle Macpherson have all praised acupuncture)」

最近のイギリスの新聞では、鍼に対するネガティブ・キャンペーンに近い報道が目につく。


イギリス、デイリー・エクスプレスの記事

2013-05-29 | 東洋医学

http://www.express.co.uk/news/world/384554/SWAT-team-grabs-HIV-acupuncturist

これもイギリスの2013年3月15日『デイリー・エクスプレス』のひどい記事・・・。

「SWATチームがHIVのアキュパンクチャリストをつかまえた!
(SWAT team grabs 'HIV' acupuncturist)」

しかも、この『アキュパンクチャリスト』は、無免許というか自己流のアマチュアだから鍼師とは言えないよ・・・。

 この「自己流アマチュア・アキュパンクチャリスト」は、スイスの首都ベルンで、日本刀!!と銃で役人を脅して、SWATチームの急襲をうけた。2001年~2005年で15人にHIVを感染させた容疑もある。

これは、 2013年3月15日『ディスカバリーニュース』の
「アキュパンクチャリストは国際的にHIVを拡大させた?
Did Acupuncturist Intentionally Spread HIV?)」という記事で詳述されている。

  この「自己流アマチュア・アキュパンクチャリスト」Maurice Goellerは、「スイスの音楽学校の教師でアマチュア・アキュパンクチャリスト(A Swiss music teacher and amateur acupuncturist)」、「無免許のアキュパンクチャリスト(unlicensed acupuncturist)」と明確に書かれている。

 こんなん、音楽学校のシロウトでおかしなヒトが、自己流でハリ治療しただけやん!いまは、世界中の針灸のカレッジで感染はうるさく言っているから、これは無いやろー。


イギリス、『ザ・サン』の鍼の記事

2013-05-29 | 東洋医学

http://www.thesun.co.uk/sol/homepage/news/3561598/Asbo-yob-14-gets-free-acupuncture.html

悪名高い、イギリスで一番読まれている新聞『ザ・サン』2011年5月4日。

 
「反社会的行動禁止命令(ASBO)の14歳のヨブは無料の鍼を受けている(Asbo yob, 14, gets free acupuncture)」
 
サブ・タイトルは「あなたの税金が悪魔の子どもを助けている(You fund help for 'Satan's child')」
 
14歳の子どもとお母さんが実名で顔写真もある!
 
この子は3回も退学し、暴力と放火と自動車泥棒もしている。この子が納税者の基金からのお金で一回40ポンド(約6000円)の針治療を受けて、おとなしくなっている。
 
昨日彼の40歳の母は治療が役立っていると言い張った。彼女は、子どもは針治療を受けた後、あきらかに穏やかで、子どもは鍼を気に入っていると言った(Yesterday his mum Nadine West, 40, insisted the treatments were working.She said: “Sonny is definitely a lot calmer when he walks out after the sessions. He loves the acupuncture.”)
 
しかし、この針治療は税金の無駄使いで、子どもは週3回特殊学校に通うように言われたが、友達とダベったり、コンピュータゲームをしていると揶揄して記事は終わっている。
 
この記事は酷いな・・・。さすが、『ザ・サン』!初めて読んだけど、ホントにビックリした!イギリスのタブロイド紙はヒドすぎる・・・。

グローバル・グラディエーター

2013-05-28 | 東洋医学

http://edition.cnn.com/2013/05/27/world/asia/chinese-western-medicine-trials/index.html?hpt=hp_c1

2013年5月28日火曜日のCNN.COMの報道。
「Scientists taking Chinese medicine west」 では、Nestleとパートナー関係にある中国香港の企業Chi-Medの中医学に基づく植物製剤HMPL-004がフェーズⅢ(phase III)臨床試験を始めたというニュース。
  HMPL-004は清熱解毒薬の「穿心蓮(せんしんれん)」で温病初期の咽喉の痛みなどに中医学では使われるが、FDAには炎症性腸疾患、クローン病や潰瘍性大腸炎への適応でフェーズⅢにすすんでいる。

2011年8月3日の『ウォール・ストリート・ジャーナル』でも
New Drug Made From Herb, Naturally」という記事で、

‘"This will be the first global herbal botanical oral product treating a serious disease(これは、最初の深刻な病気の治療に用いられるハーブの植物経口薬品になるだろう) ’と述べられている。

中国は国家戦略で植物薬品の国際市場参入を行っており、フェーズⅡに進んでいるものは多い。
※サイエンスポータルチャイナ「中国伝統医薬(中薬)、植物性医薬品の国際的な研究開発」参照。
http://www.spc.jst.go.jp/hottopics/1208_chinese_medical/r1208_zhao.html

 日本ではツムラの大建中湯(TU-100)が現場フェーズⅡに進んでいる。
http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01388933
2013年末にフェーズⅡを終わらせ、2016年にアメリカFDAに承認申請を終わらせ、早けらば2017年から承認・販売という流れだそうだ。
 http://www.yakuji.co.jp/entry17271.html


人道的な鍼(humanitarian acupuncture)

2013-05-25 | 東洋医学

http://blogs.wsj.com/indiarealtime/2013/04/07/acupuncture-for-indias-poor/?KEYWORDS=acupuncture

2013年4月7日
『ウオール・ストリート・ジャーナル』の記事
「インドの貧困のための鍼
(Acupuncture For India’s Poor)」

 シータル・タプレは、インド、ムンバイ、ヴィジャイ・ナガール・スラムの「はだしの鍼医者クリニック(he Barefoot Acupuncturists clinic)」の待合室に座っている。
 シータル・タプレは、左半身が脳卒中で8か月前から麻痺している彼女のおじが、2回目の鍼治療をうけるのにつきそっているのだ。

 タプレさんもまた、クリニックで治療された。25歳のタプレさんは、昨年、月経周期が不規則になったのだ。
  「他の医師たちがくれた薬は胃がもっと痛くなったのよ」と彼女は言い、さらに3カ月の規則的な鍼灸治療によって、ずっと調子がよくなったことを付け加えた。

「はだしの鍼医者クリニック」は五つのクリニックを運営している。

 ムンバイの3つのクリニックとタミル・ナヅー地域の2つのクリニックは、低価格の鍼を貧しい地域社会に供給している。この組織はウォルター・フィッシャーというベルギーのビジネスマンから2008年に鍼師になった人物によって設立された。

 彼は、2007年5月にジャック・ベイトリソンというスイスの鍼師とヴィジャイ・ナガールの無料クリニックを運営した。フィッシャーさんはその成功を忘れなかった。 
 フィッシャーさんとベイトリソンさんは、500以上の治療を供給しましたが、ムンバイの夏のピークで働くことは、フィッシャーさんを疲れさせ、うんざりさせました。 
 フィッシャーさんは、北カシミールに旅行し、そこで、彼は地元の仕立屋に出会いました。仕立屋は、フィッシャーさんが「鍼を使う医者」とわかると、仕立屋は彼の家に健康問題を持つ村人たちを招きました。

 彼は、仕立屋の家の床で15人を治療しましたが、患者の一人は年老いた羊飼いでした。
「年老いた羊飼いの肌を最初の鍼が貫いたとき、わたしは、これこそが人生で本当に求めていたことだというヴィジョンを得たんだ」と彼は言います。
 フィッシャーさんは貧しい人たちは、肉体労働に頼っているため、ほとんどは鋭い痛みを持っており、病院や主流医学とアクセスしない人たちにとって、鍼は生き残るための医療となりうるとわかったと言います。彼は、「鍼はシンプルで柔軟、それは豪華なクリニックでも、ジャングルでもスラムでも使えるんだよ」と付け加えました。

 2007年の終わりに、フィッシャーさんはベルギーに帰りました。彼は車や地位を全て捨てて売り払ってしまい、ムンバイに帰ってきました。

 彼は、2008年1月にヴィジャイ・ナガールで最初の低コストの鍼クリニックを開きました。それは、7平方メートルで、トイレもなく、水道もなく、それでも訪れる患者たちはひっきりなしでした。

 2009年5月には、「はだしの鍼医者クリニック」は、5つのベッドのクリニックとなり、毎日30人の患者が来たと、最初のヴィジャイ・ナガールのサマー・クリニックのアシスタントであった共同設立者のウジャワラ・パティルさんは言います。

「わたしたちは、家族的雰囲気をつくろうとしたわ。はだしの鍼医者クリニックは彼らの第2の家なのよ」パティルさんは言い、そして、家庭内で働く女性を含む患者の80%は慢性的な痛みを訴えると付け加えました。

 フィッシャーさんとパティルさんは、農村地帯でこそ、「人道的な鍼(humanitarian acupuncture)」は大きなインパクトを持っていると感じています。タミル・ナヅーの患者は、ほとんどでが農地で働く農村労働者で1日100ルピー(1.8ドル)しか収入がなく、医者や診療所にかかることができないのです。

 最初の年に、フィッシャーさんは、ヴィジャイ・ナガールに彼自身で、クリニックを設立し、それから民間からの寄付からお金を集め始めました。パティルさんが言うには、4万6,000ドルで2012年には5つのクリニックを運営できました。その年、週に2回のドナークリニックを「はだしの鍼医者」たちは、半分のお金を集めることができました。

 

中流階級または、中上流階級は1回の治療で800ー1000ルピー(15ー18ドル)を支払う、これは他の恵まれない人々が、1回20ルピーだけを支払うをたすけている。


カンタ・バッサムは23歳で15歳時から、部分的に麻痺があるが、あまりに高すぎて治療を受けていなかった。しかし、ダーラビの「はだしの鍼医クリニックには、週に3回通うことが出来る。

「わたしはいつも、つまづいていたし、話すことも怖かった。けど、わたしはいま、歩くことも、ヒトと話すこともできる」と彼女は言う。

インドの鍼師と海外からのボランティアがクリニックを運営している。
フイッシャーさんは、高価で時間を費やす新しいクリニックを開くよりはむしろ、かれが多様な環境にある患者を治療するためのトレーニングマニュアルを開発することを行っている。このマニュアルを使って、このエキサイティングな非営利事業のスタッフをトレーニングするつもりだ。
フイッシャーさんはこのプロジェクトを「移動式インターナショナルトレーニングセンター」とよび、2016年から運営するつもりだ。もし、このモデル事業に効果があれば、何千もの医療にアクセスできなかった患者たちを鍼は治療できると、フイッシャーさんは語った。
 

オーストラリアの鍼研究:東洋はりの脈診の検証

2013-05-14 | 東洋医学

Traditional East Asian Medical Pulse Diagnosis: A Preliminary Physiologic Investigation.
Kylie A. O'Brien, Stephen Birch, Estelle Abbas, Paul Movsessian, Michael Hook, and Paul A. Komesaroff.
The Journal of Alternative and Complementary Medicine 2013 Apr 23.

 『ザ・ジャーナル・オブ・オルタナティブ・アンド・コンプリメンタリー・メディスン』の2013年4月23日号に掲載の「伝統東アジアの脈診:予備生理学的調査」は、Stephen Birchさんなども参加して、 東洋はり(Toyohari Meridian Therapy:TMT)の脈診について論じている。
 オーストラリア、メルボルン、ディーキン大学・ビクトリア大学のKylie A. O'Brienさんが筆頭著者の論文。

The "root" treatment involves manipulation of the body's Qi without penetration of the needle.

 このThe "root" treatmentは、当然「本治法」ですねー。『鍼をさすことなしに、人体の気を操ることを含む「本治法」』という表現は、ゾクゾクしますねー。