帯状疱疹痛及び帯状疱疹後神経痛に対する頭皮鍼治療及び耳介療法
高橋秀則 帝京平成大学ヒューマンケア学部はり灸学科
医道の日本 68(6): 68-74, 2009.
上記の論文もエポックメイキング。
帝京大学麻酔科ペインクリニック外来を過去3年間に受診した帯状疱疹痛または帯状疱疹後神経痛と診断された患者で、西洋医学的治療で除痛できなかったもの18例。抗ウイルス剤、抗うつ薬、抗けいれん薬、神経ブロック、経皮性電気刺激、脊髄硬膜外電気刺激で除痛できなかった。18人全員が灼熱痛を訴え、アロディニアは10人にみられた。
方法
焦氏頭皮針の「感覚野」「足運感区」に刺入し、電気刺激機で150Hz、20分間刺激した。
次回療法は、ノジェによるマッピングで、神門、ゼロ点、視床、さらに痛みに相当するポイントに20-40μAで20秒間通電。
初回治療後、4回目の治療、一週間後に疼痛の評価をVASで行った。
結果
初回治療で著効4名、有効8名、やや有効5名、無効1名。
4回治療で著効7名、有効9名、やや有効1名、無効1名であった。
典型的症例
83歳女性 帯状疱疹後神経痛
5月上旬
左顔面に痛みを伴う発疹。抗ウイルス剤、消炎鎮痛剤の治療を受け、数ヶ月たっても変化がない。左眼部から後頸部に持続痛とアロディニア。「感覚野」の左顔面に相当する部位に1寸8番鍼を刺入し、150Hzで20分間刺激し、自発痛は半減した。耳介治療を行ったところ、自発痛はほぼ消失した。イミプラミン(抗うつ剤)を処方した。
その後、痛みは徐々に再燃して、1週間後の再診時には初診終了の半分ぐらいとなった。しばらく1週間に1度の治療で、5回目からは2週間に1度の治療。9ヵ月後にはそう痒感と発作痛は軽減、アロディニアは10分の1となった。10ヵ月後には左眼瞼周囲部の軽度の発作痛のみとなった。
この研究の意義として、アロディニアによって、局所に鍼を刺入できない場合でも、反射区を組み合わせて用いることで、かなりの効果を挙げられることを示唆している。
高橋秀則 帝京平成大学ヒューマンケア学部はり灸学科
医道の日本 68(6): 68-74, 2009.
上記の論文もエポックメイキング。
帝京大学麻酔科ペインクリニック外来を過去3年間に受診した帯状疱疹痛または帯状疱疹後神経痛と診断された患者で、西洋医学的治療で除痛できなかったもの18例。抗ウイルス剤、抗うつ薬、抗けいれん薬、神経ブロック、経皮性電気刺激、脊髄硬膜外電気刺激で除痛できなかった。18人全員が灼熱痛を訴え、アロディニアは10人にみられた。
方法
焦氏頭皮針の「感覚野」「足運感区」に刺入し、電気刺激機で150Hz、20分間刺激した。
次回療法は、ノジェによるマッピングで、神門、ゼロ点、視床、さらに痛みに相当するポイントに20-40μAで20秒間通電。
初回治療後、4回目の治療、一週間後に疼痛の評価をVASで行った。
結果
初回治療で著効4名、有効8名、やや有効5名、無効1名。
4回治療で著効7名、有効9名、やや有効1名、無効1名であった。
典型的症例
83歳女性 帯状疱疹後神経痛
5月上旬
左顔面に痛みを伴う発疹。抗ウイルス剤、消炎鎮痛剤の治療を受け、数ヶ月たっても変化がない。左眼部から後頸部に持続痛とアロディニア。「感覚野」の左顔面に相当する部位に1寸8番鍼を刺入し、150Hzで20分間刺激し、自発痛は半減した。耳介治療を行ったところ、自発痛はほぼ消失した。イミプラミン(抗うつ剤)を処方した。
その後、痛みは徐々に再燃して、1週間後の再診時には初診終了の半分ぐらいとなった。しばらく1週間に1度の治療で、5回目からは2週間に1度の治療。9ヵ月後にはそう痒感と発作痛は軽減、アロディニアは10分の1となった。10ヵ月後には左眼瞼周囲部の軽度の発作痛のみとなった。
この研究の意義として、アロディニアによって、局所に鍼を刺入できない場合でも、反射区を組み合わせて用いることで、かなりの効果を挙げられることを示唆している。