alternativemedicine

Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

経絡治療

2013-09-26 | TJM

【『経絡治療』1巻1号 昭和40年(1965)4月
竹山晋一郎
経絡治療入門総論篇」『経絡治療』1巻1号 昭和40年(1965)4月


岡部素道経絡治療診断篇」『経絡治療』1巻1号 昭和40年(1965)4月
※皮膚の色白く、肥満、目に精彩なく、言語少なく、舌診すると舌の中央部が白く、舌苔がある。聞診では声に力がなく、口臭があり、呼吸が苦しい。大便秘結。小便は近く夜4回起きる。食事は辛味を好み、食欲はある。睡眠はあまり良くない。
切診:右寸口(肺)右関上(脾):力がなく
左手寸口(心)、左手関上(肝):浮にして有力。
証:肺脾の虚証 肺虚して胆実でめまい
治療:
《本治法》
太淵(LU9)、曲池(LI11)、三陰交(SP6)、商丘(SP5)、地機(SP8)、足三里(ST36)に補鍼。陽輔(木経の火穴)瀉法。外丘(胆経のげき穴)瀉法。養老(SI6:小腸経のげき穴)に瀉法。 
《標治法》
百会(GV20)、天柱(BL10)、風池(GB20)、風門(BL12)、大杼(BL11)、肩井(GB21)
肩背部に散針。腹部の巨闕(CV14)、中かん(CV12)、不容(ST19)、天枢(ST25)、大巨(ST27)、関元(CV4)に散針。
《経過》
 3年間降下しなかった血圧が220mmHgから最高160mmHg-最低85mmHgとなった。

※陽証、陰証。表裏、寒熱、虚実で分類する。

【コメント】上記の岡部氏の治療は、中医鍼灸をやってきたものから見れば、非常に合理的な配穴に思える。また、八綱弁証も中医弁証と同じである。

井上恵理経絡治療・治療篇(1)」『経絡治療』1巻1号 昭和40年(1965)4月
 昭和10年駒井一雄先生の『東邦医学』以来の発表。
 

【『経絡治療』1巻2号 昭和40年(1965)7月
「今は昔」
※日本橋室町の村山先生。本所相生町の河合先生「衣通しの鍼」。
佐藤喜又先生。福田伝昇先生。金原直太郎先生「杉山先生遺徳顕彰会」
西村流の安島先生。吉田流の吉田久庵先生。

 竹山晋一郎経絡治療入門総論篇(陰陽五行説について)」
 
七十五難。五行色体表。

井上恵理経絡治療・治療篇(2)
昭和15年弥生会の経絡的治療。故・柳谷素霊先生の古典に還れ。千葉市寒川の八木下勝之助先生。 竹山氏の森道伯先生の治療。

【『経絡治療』1巻3号 昭和40年(1965)7月
「今は昔」
※八木下勝之助先生。四肢の要穴治療。「鍼医に二代なし」
弘法大師御夢想の灸。富士の灸。亀有の庄兵衛灸。 

竹山晋一郎経絡治療入門総論篇(弁証法と陰陽五行説)」 

岡部素道「経絡治療診断篇」
望診。五色。

井上恵理「経絡治療・治療篇(3)」
昭和26年井上式知熱灸。


精読(6)

2013-09-26 | TJM

松本弘巳「圧痛点について」558ページ
※椎間関節性腰痛。四肢では求心性、体幹では上向性に触診。腱板炎。

松下嘉一「圧痛点の治療」244ページ
陽実:やわらかくて冷たい感じはしない。コリがはっきりせずに、経絡に沿っていることが多い。

陽虚:やわらくて冷たい感じはしない。おすと痛みが低下。おすと気持ちが良い。

陰実:ふれて冷たい。硬くて弾力は少ない。押しても痛みをあまり感じない。

陰虚:おしてみると冷たい。硬く弾力は無い。くすぐったい。おすと気持ちが良い。

福島弘道「反応点と指頭感覚」
※急性:キョロキョロ、ナソ処置。

宮脇和人「圧痛点について」162ページ

岩井正裕「診断における圧痛点の意義とその治療」
※気虚:浅い 血虚:ふかめ 気実:瀉法ざん鍼、血実:置針や灸頭鍼。

 


 

 

 


精読(5)

2013-09-26 | TJM

松本弘巳「圧痛点について」558ページ
※椎間関節性腰痛。四肢では求心性、体幹では上向性に触診。腱板炎。

松下嘉一「圧痛点の治療」244ページ
陽実:やわらかくて冷たい感じはしない。コリがはっきりせずに、経絡に沿っていることが多い。

陽虚:やわらくて冷たい感じはしない。おすと痛みが低下。おすと気持ちが良い。

陰実:ふれて冷たい。硬くて弾力は少ない。押しても痛みをあまり感じない。

陰虚:おしてみると冷たい。硬く弾力は無い。くすぐったい。おすと気持ちが良い。

福島弘道「反応点と指頭感覚」
※急性:キョロキョロ、ナソ処置。

宮脇和人「圧痛点について」162ページ

岩井正裕「診断における圧痛点の意義とその治療」
※気虚:浅い 血虚:ふかめ 気実:瀉法ざん鍼、血実:置針や灸頭鍼。

 


 

 

 


精読(4)

2013-09-25 | 東洋医学

『医道の日本』1986年4月号
「圧痛点による診断と治療及び指頭感覚」

606ページ、谷岡賢徳「患者の感覚、術者の感覚」
※硬結の誕生から消滅まで。どの程度の水分が含まれているか?
664ページ、谷岡賢徳「指頭感覚について」
※昭和40年代からドーゼオーバーになる患者が出始めた。「ウキの現象」。体表弛緩。腹部打診。

389ページ、芹澤勝助「圧痛点の意義とその臨床」
※内臓体性反射。圧痛点の臨床。 

 

 


柳谷素霊先生の臓腑虚実補瀉穴表

2013-09-25 | TKM

 柳谷素霊著『鍼灸医術の門』(医道の日本社、81ページ)に上記の表がある。
肝虚証は、陰谷・曲泉に補法。経渠・中封に瀉法。
肝実証は、少府・行間に瀉法。経渠・中封の補法。

胆虚証(陽木虚)は、
通谷(火経の水穴)・侠渓(木経の水穴)の補法:虚すれば其の母を補う。
商陽経の穴)・足竅陰(木経の穴)の瀉法:相克関係を瀉す。

胆実証(陽木実)は、
商陽経の穴)・足竅陰(木経の穴)の補法:相克関係を補す。
陽谷(火経の火穴)・陽輔(木経の火穴)の瀉法:実すれば其の子を瀉す。

 自分の拙い知識では、オーソドックスな経絡治療では四大証(肝虚・脾虚・肺虚・腎虚)となっており、このようなバリエーションでは使われていない。ただ、わたしが最初に経絡治療を教わったU先生は、心虚に大敦・少衝の補法や陽経の治療もおこなわれていた・・・。 

 自分の拙い知識では、明代、高武の『鍼灸聚英』に、子午流注鍼法の納支法として、肺虚なら、肺の時刻である寅刻に母穴である太淵を補し、子穴である尺沢を瀉すという形式で掲載されており、『鍼灸大成』にも掲載されているはずだ。ただ、こういった4穴の補瀉を用いるというのは、それ以前の古典に掲載されていた記憶が無いし、後世の経絡治療でも4大証なので、いまいちスッキリしない。


舎岩鍼法

2013-09-24 | TKM

【舎岩鍼法】

正格
肝虚証:陰谷と曲泉補法。経渠と中封の瀉法。

胆虚証:
通谷(水経の水穴)を補す。虚すれば其の母(水)を補う。
侠渓(木経の水穴)を補す。虚すれば其の母(水)を補う。
商陽(金経の金穴)を瀉す。木虚の相克関係の金を瀉す。
足竅陰(木経の金穴)を瀉す。木虚の相克関係の金を瀉す。
 
勝格
肝実証:
経渠(金経の金穴)を補す。肝実の相克関係の金を補す。
中封(木経の金穴)を補す。肝実の相克関係の金を補す。
少府または陽谷(火経の火穴)を瀉す。実すれば其の子を瀉す。
行間または陽輔(木経の火穴)を瀉す。実すれば其の子を瀉す。
 
寒格》寒は腎の主るところなので、腎水を瀉して心火を補す。
肺寒証:
魚際(自経の火穴)を補す。
少府(火経の火穴)を補す。
尺沢(自経の水穴)を瀉す。
陰谷(水経の水穴)を瀉す。
 
熱格
肺熱証:
尺沢(自経の水穴)を補す。
陰谷(水経の水穴)を補す。
魚際(自経の火穴)を瀉す。
少府(火経の火穴)を瀉す。
 
※コメント
 少なくとも柳谷素霊著『鍼灸医術の門(付)禁穴論・返し鍼法』の81ページ、第十図表、臓腑虚実補瀉穴法において、「正格」「勝格」の取穴が掲載されている。

Taegeuk acupuncture

2013-09-18 | TKM

抄訳【太極鍼(Taegeuk acupuncture)】

四象医学は、太陽・太陰・少陽・少陰であるが、主要臓器とは矛盾している。

太陽:悲しみ:肺/肝臓(weekest organ):創造的、ポジティブ、カリスマ的、英雄的

少陽:怒り :脾/腎臓 (weekest organ):落ち着かない、飽きっぽい、すぐ怒る

太陰:喜び :肝/肺臓 (weekest organ):優しく、商業的でユーモアがあり、臆病、怖がり

少陰:楽しみ:腎/脾臓 (weekest organ):きちんとした、ネガティブ、自己中心、賢い、

李済馬(Lee Jae Ma)が四象医学の創始者であるが、鍼の理論は欠落していた。
Dr.Byeong Haeng Leeが太極鍼(Taegeuk acupuncture) を発展させた。

途中。


 


Saam Acupuncture

2013-09-17 | TKM

http://www.youtube.com/watch?v=guGnnlkxgDg


 松田博公先生の『日本鍼灸のまなざし』に紹介されていた一鍼療法の金廣浩先生の動画。金廣浩先生のはなしには本当に感動した。尊敬する坂本豊次先生が学ばれているというだけで信頼できる。
 以下は、Korean acupuncture: the individualized and practical acupunctureの抄訳。

 Saam Acupunctureは、韓国の代表的な鍼の流派で、17世紀の仏教僧、『舎岩道人(saam)』が鍼の基礎をつくったとされている。五行論、十二経絡と五兪穴、五行の『Saeng(相生)』と『Geuk(相克)』のサイクルと不調和を基礎としている。
 『舎岩道人(saam)』の鍼は、Dr. Hong Gyeong Kimによって、1980年代に発展させられた。
  六つのエネルギーは陰陽で分類される。

厥陰(Gwoleum:Jueyin:absolute Yin)
少陰(Soeum:Shaoyin:lesser Yin)
太陰(Taiyin:Greater Yin)
少陽(Soyong:Shayoyang:lesser Yang)
陽明(Yangmyeong:Yangming:brilliant Yang)
太陽(Taiyang:greater Yang)

 これらの六つのエネルギーは、12経絡にコントロールされる12の気に分類され、5行と結びつけられる。

 例えば、胆経と肝経のエネルギーは『(Wood)』であり、胆経は少陽で、肝経は厥陰である。肝経のエネルギーは、木と結び付いているが、心包経のエネルギーは厥陰で『相火(Premier Fire)』と結び付いている。
 
 典型的な舎岩鍼法の診断は、四つの経絡のエネルギーの『虚』『実』『寒』『熱』のアンバランスによるものである。

 少陽のエネルギーは胆経と三焦経で表現される。少陽が過剰なら独断的で過敏な性格となり、他人にいろいろアドバイスしがちである。少陽のエネルギーが虚なら、冷たくて劣等感のある残忍な性格かも知れない。胆経のエネルギーは中心のエネルギーで聡明さや攻撃性や活動性や勇気や尊厳、傲慢な態度で構成されており、エネルギーはしばしば風や雷鳴と比べられる。

 12経絡は4つのタイプ、48の基礎類型に分類され、五兪穴を選ぶのと対応している。
 
 例えば、従来、心経の虚は、心経の木穴:少衝(HT9)の補法であるが、舎岩鍼法では五行の相克関係もを用いる。水は火を相克し、火は金を相克する。火の虚には火の経絡である心経の水穴:少海(HT3)の瀉法する。
 舎岩鍼法では、全身のバランスから、相生・相克関係の理論から調整する経絡を選択する。
 上記の例では、肝経の木穴:大敦(LR1)補法と腎経の水穴:陰谷(KI10)の瀉法されるべきである。

 これは、さらに森洋平先生や坂本豊次先生の論文などを読まないと・・・。
 

坂本豊次「韓国一鍼療法による巨刺法への挑戦」
『医道の日本』 66(9): 112-117, 2007.

坂本豊次「韓国一鍼療法による巨刺法への挑戦(2)」
『医道の日本』 66(11): 120-127, 2007.

坂本豊次「韓国式巨刺法を応用した頚肩腕痛の症例」
『医道の日本』 68(9): 28-34, 2009.

森洋平「五行論の配穴原理と舎岩鍼法(その1)
『東洋医学鍼灸ジャーナル』 28, 84-89, 2012

森洋平「五行論の配穴原理と舎岩鍼法(その2)
『東洋医学鍼灸ジャーナル』 29, 90-98, 2012-11-00


ハーバード大学と韓国のfMRI研究

2013-09-17 | 西洋医学的鍼

http://www.arirang.co.kr/News/News_View.asp?nseq=140522&category=2


 アメリカのNIH(国立衛生研究所)は、1,100万ドル(約11億円)の基金を2つのアメリカと韓国の医学研究所(アメリカ、ハーバード大学と韓国韓医学院)に5年に渡って提供する。fMRI研究は、脳活動を計測・分析する機器として用いられる(The U.S.-based National Institutes of Health provided 11-million U.S. dollars in funds to support the five-year long project, jointly carried out by the two Korean and American medical institutes.The fMRI -- or functional magnetic resonance imaging -- will be the main apparatus used to measure and analyze brain activity.)

 http://imnews.imbc.com/replay/nwtoday/article/3176094_5782.html

韓国MBCニュース
 ヴィタリー・ナパドウさんが出ている動画!9月の講義で紹介した「得気鍼の脳」も出てきます・・・。 


戦前の鍼

2013-09-17 | 東洋医学

本来は真摯に研究をされている研究者が書くべきだけど、自分用の資料。

1927年  
(昭和02年) 中山忠直漢方医学の新研究
      代田文誌がはじめて沢田健のところに見学。
      松元四朗平鍼灸孔穴類聚

1928年    
(昭和06年)  小林北州『帝国鍼灸医報』

1932年
(昭和07年) 柳谷素霊(1906-1959、当時27歳)と八木下勝之助師(1854-1946)が出
         会う。
         ※「十二経の外に病いはない」「経絡の虚実を補瀉するだけである」 
         ※本郷正豊 『鍼灸重宝記

1933年
(昭和08年) 岡部素道「古典における補瀉論」発表
      ※八木下勝之助による脈診と要穴の補瀉の指導(西村流?)
1934年   
(昭和09年) 承淡安、来日。
         駒井一雄「鍼灸医学の実験的研究」
         ※墨灸。昭和5年に京都帝大医学部助手で石川日出鶴丸教授指導で経絡経穴の研究。 『東邦医学』の前身、『実験鍼灸医学誌』創刊。

1936年    
(昭和11年) 城一格「八木下翁実験実証 脈診による鍼灸治療法」

1938年   『医道の日本』創刊※小野文恵師のエピソード
(昭和13年) 沢田健、没。
          竹山晋一郎・東邦医学社主催第1回研究会。

1939年
(昭和14年) 岡部素道 「新人弥生会(現・経絡治療学会)」の会長。
         東邦医学社主催第4回夏季講習会(経絡治療の骨組)
      柳谷素霊簡明不問診察法
         馬場白光が岡部素道の「肋膜炎の鍼治療」(『東邦医学』)に出会う。

1940年
(昭和15年)  代田文誌『鍼灸治療基礎学

1941年
(昭和16年) 代田文誌沢田流聞書 鍼灸真髄
          竹山晋一郎漢方医術復興の理論
          第5回東邦医学会夏期講習会(経絡的治療)
          岡部素道「経絡治療に於ける切診による補瀉に就いて」
          井上恵理「経絡治療に於ける手法に就いて」

          福島弘道「盲学校鍼灸教育に対する私見」(『東邦医学』)
          ※竹山晋一郎の指導で盲人経絡治療研究会
1942年
(昭和17年) 本間祥白「肝経虚証三例(経絡治療の治験第1号)」
                『東邦医学』昭和17年4月号

1944年
(昭和19年) 本間祥白鍼灸病証学』出版
※第三版序文「かつて東医宝鑑という本を学んだ私は此れと和本諸書から鍼灸に関連の深い病症を摘録してテキスト風に作成したのだが、直ぐ分かり易い講義本に書き換える予定であった」

1949年   
(昭和24年) 本間祥白経絡治療講話

1962年
(昭和37年)  本間祥白著『難経の研究