alternativemedicine

Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

9月5日

2013-09-06 | 経絡弁証

脾経。箕門、大横、腹結、府舎、衝門、腹哀。天渓、食トク、胸郷、周栄、大包。

昼間、流注まで。次回は心経から。

夜間、大包まで。次回は流注から。

【気づいたこと】
今回の講義の順番は成功。腹部は大横、胸部は天渓を中心にする。

 

 

 

 


根本概念を考える

2013-08-23 | 経絡弁証

 得気についての原稿は、ほぼ書き終わる。
 「(needle)」と「(acupuncture)」は違う。単にカラダに尖った金属「針(needle)」を刺すものなら、テイ鍼や円鍼、ザン鍼や小児鍼を説明できなくなる。わたしは個人的には、『易経』の「臨貞吉(人格者Aが他の人Bを感化し、影響された他の人Bが人格者Aに好影響を与える)」という言葉の「(お互いに感応しあう)」という意味だと思っている。「鍼」は、テイ鍼や毫鍼では、いちばん分かりやすいが、属を通じて、お互いに応しあうものという意味があると思う。
 「得気」も針麻酔の影響で、酸・脹・重・鈍・麻の感覚だと思われているが、実際には、術者が鍼で感じるものだと思う。

 お灸についてもそうだ。「」が、もし「ヨモギの繊維を燃やす」ものであるなら、「水灸」や「紅灸」を説明できなくなる。わたしが邵輝先生から学んだ「灸」の概念は、燻製の「燻(くん、燻す=いぶす)」だ。肉やサーモンに煙の風味を染み込ませるように、ヨモギの陽気を経穴から染み込ませるのが普通の艾の「灸」。「水灸」や「薄荷灸」、「紅灸」は、薄荷や紅花といった生薬の気を経穴から染み込ませる。

 これが邵輝先生に習った「鍼」と「灸」というコトバの意味。

 ところが、例えば、日本(例「はりきゅうの『はり』」は『鍼』と『針』のどっちなの」『医道の日本』2006年10月号)では、「刃物で強いショックを与えて相手の口を封じる」ことが「鍼」という漢字の意味らしい。日本鍼灸・・・。

 白川静とか『説文解字』とか、ありがたい権威をひいたら、へへーっと平伏するのが、現代の鍼灸師だと思う。それって単なる権威主義やん。なぜ、自分の体験をもって反論しないの?昔の先生なら、絶対に反論したと思う。

 自分は自分の経験・体験から 『易経』の「咸臨貞吉」の「咸」の意味しか考えられないのだけど。


精読(3)

2013-08-19 | 経絡弁証

第8章 身体各部の切経探穴法の手技②上肢編
1.手部
1)手指部
2)手掌部
3)手背部
2.前腕前面部(陰経)
3.前腕後面部(陽経)
第1小腸経と第2小腸経
4.切経上の注意点

第15章 「ここから会」で語ったものの発表できずにいた「身体部位別のツボの特徴」
1)下肢・上肢のツボの特徴
井穴の固さ、馬歩、列欠で井穴の状態が変わる。
不器用で身体をガチガチにさせるタイプ。
指節関節関節側面
足背部と手背部。骨間部、実系のツボ。
足底部と手掌部。湧泉。労宮と少府。虚系。

足部外側、膀胱経。
手部外側、小腸経。

足関節:中封、商丘、大淵、太渓、解渓
手関節:陽渓、陽池、陽谷。

第16章 身体部位別ツボの特徴とその変え方①下肢編
1.足の末端部(井穴等)
2.足指の股・中足骨間部・足根部
3.足部内側
4.足部外側
5.足関節部
6.足底部
7.下腿部内側
8.下腿前外側部
9.下腿外側部
10.下腿後側部
11.大腿内側部
12.大腿前外側部
13.大腿外側部
14.大腿後側部

第17章  身体部位別ツボの特徴とその変え方②上肢編
1.手の末端部
2.指の関節周囲
3.手指の股・中手骨間部・手根部 督脈の全身調整 
4. 手掌部
5.手関節部周辺
6.前腕橈側部
7.前腕後側尺側
8.前腕前面
9.上腕外側
10.上腕後側
11.上腕前面


精読(1)

2013-08-15 | 経絡弁証

現在の自分の課題。
・9月7日土曜日の『得気』の発表。これは、アウトラインが完成。あとは肉付けをしていく段階。
・『思うツボ』の精読。

【メモ】

第1章 日本的ツボ解釈に出会うまで
『圧痛点による診断と治療および指頭感覚』

1991年『手で観る』
石野信安先生
鍼灸学校:竹山晋一郎『漢方医術復興の理論』
経絡治療
卒業後数年で開業。本治法と標治法が一貫していない。
1986年
『圧痛点による診断と治療および指頭感覚』
「経絡治療の学術的意義並びに普及運動の真の意味」

第2章 多様なツボの顔
谷岡賢徳先生、芹澤勝助先生、松本弘巳先生、
触覚
視覚
圧痛などの反応特性

第3章 四型分類誕生
松本弘巳先生、岩井正裕先生、福島弘道先生。宮脇和人先生。
『経絡治療にこだわり続けて』
灸の補瀉。

第4章 ツボ探しの手
武元光廣先生。按摩。葛巻政男先生。金子道庵先生。今村伸二先生。
吉元昭治先生。

ツボ探しの手と癒しの手。労宮あたり。手掌。第2・3・4指。

第5章 切経探穴の留意点

第6章 身体各部の切経探穴法の手技を解説するにあたって


足陽明胃経(1)

2013-07-04 | 経絡弁証

昼は、承泣(ST1)、四白(ST2)、巨りょう(ST3)、地倉(ST4)までを復習。

大迎(ST5):刺針角度を解説

頬車(ST6):

下関(ST7):刺鍼角度を解説。

頭維(ST8):髪の毛が無い場合。または額角髪際が不明瞭な場合を解説。
自分は、正中線から五横指で、噛むと側頭筋がふくらむところの前、正中線から横にラインを引いて、その上に親指半横指として解説した。

人迎(ST9):人迎洞刺を解説。

気舎(ST11):気胸との関係を解説。

水突(ST10):甲状腺との位置関係を解説。

欠盆(ST12):欠盆の刺法を解説。

気戸(ST13):

乳中(ST17)、乳根(ST18):乳汁分泌不全を解説。

庫房(ST14):華蓋(CV20)の外、乳頭線上で解説。

次回は、庫房(ST14)・屋翳(ST15)・膺窓(ST16)と解説してから、腹部の胃経を解説する予定。


手太陰肺経(5)

2013-06-06 | 経絡弁証

 今週は忙しすぎる・・・。

 昼は、経渠(LU8)、列欠(LU7)の後、手太陰肺経の流注を講義。手陽明大腸経の商陽(LI1)と二間(LI2)を講義する。
 経渠(LU8)の刺鍼角度。

 列欠(LU7)の取穴法を説明するのに、かなりの時間を使った。
 列欠(LU7)では、四総穴としての頭痛への使い方を症例をもとに説明する。任脈の八脈交会穴としての例は、生殖器疾患として説明する。実際の症例としては、梅核気を列欠(LU7)ー照海(KI6)で治療した症例を紹介する。
 絡穴については、表裏経を治療し、慢性病を治療する程度の説明でおさえる。絡脈(大絡・絡・細絡)の概念を一度に説明すると、混乱する。

 『霊枢・経脈篇』の手太陰の絡(大絡・列缺)の説明では、「手太陰之別絡、名曰列缺。起於腕上,分間、並太陰之経、直入掌中、散入魚際。其病実,則手鋭掌熱、瀉之。虚,則欠、小便遺数、補之。去腕寸半、別走陽明也」となっている。
 つまり、列欠(LU7)で、小便頻数を治療するというのは、肺の絡脈:列欠の虚だと思う。 

 手陽明大腸経への列欠(LU7)の連絡を解説し、手陽明大腸経の流注の解説を行う。 これは、今週の「あはきワールド」の浦山玖蔵先生の商陽(LI1)に関する論述を超えるものは無いのではないか?
 商陽(LI1)といえば、咽喉痛というのが普通の認識で、わたしもそうだった。 『鍼灸甲乙経』では耳病を挙げている。偏歴でも耳病が挙げられている。これも、手陽明の絡脈:偏歴と耳のつながりなのではないかと考えている。


手太陰肺経(4)鹿児島の尺沢

2013-06-05 | 経絡弁証

 むかし、経絡治療夏季大学に行った際に、最も驚いたのは、鹿児島針灸専門学校の鍼灸師さんが取った「尺沢(LU5)」穴の位置だった。上腕二頭筋腱の尺側に取穴する「尺沢(LU5)」とのファースト・コンタクトだった。

「経流経穴の問題点 (2)」
濱添 圀弘
『自律神経雑誌』Vol. 22 (1975) No. 2 46-49(PDF)

 上記の論文は、まさに、『霊枢』や『明堂』の記述を根拠に、尺側の「尺沢(LU5)」について論陣をはられている。 

 鹿児島針灸専門学校といえば、その独自の「経穴学であり、ホームページ上でも
『鹿児島鍼灸専門学校の歴史の象徴ともいえる、独自の「経穴学」の教科書。「古来、鹿児島には密貿易により、他では手に入らない鍼灸の古典が薩摩藩に入っていました。伊助は肥後盛昌先生からそれらのすべてを受け継ぎ、さらに伊助の弟子である松本四郎平がこれらをもとに著した「鍼灸孔穴類聚」が、本校の経穴学の元になっています」(久木田隼人学校長)。この教科書は、「鍼灸孔穴類聚」を原本として濱添圀弘氏が新たに書き改めたもの。同校では東洋療法学校協会の「経穴学」の教科書と併用で使われている

  と書かれている。松本四朗平の『針灸孔穴類聚』は、2011年に績文堂より再刊されている。
 濱添圀弘先生は、南山堂から『針灸医学ー経絡経穴の近代的研究』、エンタプライズから『針灸治療法の再構築』など多数の著書を書かれている。

 確かに、古典の記述を厳密に精査していくと、尺沢(LU5)は、上腕二頭筋の尺側であるような気がしてくる。これは、一度、臨床で追試していかないと・・・。


手太陰肺経(2)

2013-05-31 | 経絡弁証

昼は、侠白(LU4)、太淵(LU9)、孔最(LU6)、魚際(LU10)、少商(LU11)を講義する。
夜は、天府(LU3)、侠白(LU4)、太淵(LU9)、孔最(LU6)を講義する。

天府(LU3)・侠白(LU4)では、上腕二頭筋のトリガーポイント関連痛も同時に講義する。症例を紹介する。

太淵(LU9)では、原穴の意味、兪穴の意味、土穴の意味、八会穴の脈会として症例を紹介する。

孔最(LU6)では、西條一止先生の気管支喘息のパルス鍼と、沢田流孔最(LU6)による痔の治療について症例を紹介する。円回内筋トリガーポイント関連痛の症例を紹介する。経筋という概念を紹介する。

昼は魚際(LU10)と母指内転筋トリガーポイントの症例。さらに少商(LU11)と咽喉痛、精神疾患の症例を紹介した。

ここでは、原穴、兪穴、土穴、八会穴の脈会、げっ穴、栄穴、火穴、井穴、木穴などの概念を伝えるのに時間がかかる。要穴に関する宿題を出し、小テストも行う。 


経絡弁証の基礎文献

2013-05-23 | 経絡弁証

 経絡弁証こそ針灸の中心であるべきなのに、中国・日本ともにその認識が薄すぎる(最近の専門誌『中医臨床』では経絡弁証についての記事が多くなっているが)。
 日本語では東洋学術出版社の『中医弁証学』にだけ、奇経の弁証が書かれているが、非常に内容が薄い。中国の文献でもやはり内容は薄いと感じる。臨床の実情に合っていない。2-3年前の研究会では、そのような問題意識で奇経八脈の弁証論治をシリーズで講義した。

 

張吉「経脉病候弁証与針灸論治」人民衛生出版社

 
梅健寒、楊玉華「奇経八脈与針灸臨床」人民衛生出版社

 
孫朝宗、孫梅生「奇経八脈証治発揮」人民衛生出版社