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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

シリーズ『無の文化』…6

2014年07月21日 | 中学受験 行雲流水録
暗唱は、暗唱の対象よりも、むしろ暗唱するという方法そのものに意味があります。暗唱という方法で、根の吸収力を高めるというのが、この方法の特徴なのです。有の文化では、吸収すること自体を教育の目標とします。そのために、スモールステップで、吸収しやすいような教材作りをします。無の文化では、吸収力を高めることを目標とします。吸収力が高まれば、スモールステップなどがなくても丸ごと吸収できると考えているからです . . . 本文を読む

『圭さんと瞳子さん』

2014年07月14日 | 中学受験 行雲流水録
昨日7/13午後9時からTBS日曜劇場『親父の背中・圭さんと瞳子さん』を見ていました。 映画『花嫁の父』や『秋刀魚の味』の昔からの永遠のテーマである「父と娘」の関係を田村正和と松たか子がゆっくりと演じます。 私の娘も瞳子さんと似た過換気症の既往歴があるので、その嫁いでいくであろう情景が他人事とは思えませんでした。 近頃、説得力にかげりが見えたと思っていた田村正和も絶品。昔を回想しつつ . . . 本文を読む

シリーズ『無の文化』…5

2014年07月09日 | 中学受験 行雲流水録
寺子屋時代の教育風景を当時の絵で見ると、子供たちはふざけて遊んでばかりいたようです。教える先生は、自分の好きな本を読んでいるだけで、特に教えたり注意をしたりすることはありません。このような雑然とした教育環境で、素読と手習いという反復学習が行われていました。これに対して、当時の欧米の教育風景は、子供たちが真面目な顔をして並び、先生は手にムチを持っています。 この光景の違いを見ると、欧米では日本より . . . 本文を読む

きょうりゅうが大へんだ

2014年07月05日 | 中学受験 合格力随想
少し手前味噌の内容にもなるのですが、あまりにもうれしいのでここにご紹介します。 先日ひとりの生徒が学校で使っている日記帳を持参して、あるページを開いて読んでといいます。読んでいると涙が出てきて困ってしまいました。彼は小学2年生ですから、凝った表現や殊更難しい言葉を使って書いているわけではありません。しかし、彼のその時の心情が彼の優しい心とともに手に取るように伝わってきます。私たちが忘れている何か . . . 本文を読む

デカルトの「方法序説」

2014年07月01日 | 中学受験 行雲流水録
大学の時、読んだ本のひとつがケインズの「雇用利子及び貨幣の一般理論」があります。さすがに資本主義経済のバイブルですから内容が難しく十分に理解したとはいえませんが、こういう古典と言われる名著を読むと、作者が、考えている道筋を自分も一緒にたどって読むという感じがあります。古典を読むことが大切なのは、こういう経験ができるからです。「ケインズ入門」のような教科書や入門書では、すでに完成した答えが死んだ知識 . . . 本文を読む

シリーズ『無の文化』…4

2014年06月28日 | 中学受験 行雲流水録
無の文化における方法論の主なものは、自然、喜び、反復などです。日本人は、解決しがたい大きな問題にぶつかると、自然の中に戻って答えを探そうとする傾向があります。人や文献に頼るのではなく、自分で直接、自然や現場に赴いてその問題と一体となろうとするのです。また、日本人は、暗いことは悪いことで、明るいことがよいことだというもともとの価値観があります。だから、議論をして勝つようなことは、議論すること自体に暗 . . . 本文を読む

Facebookデビュー!

2014年06月24日 | 中学受験 行雲流水録
これまでこのブログを通じて由なしごとを書き連ねてきましたが、時代は私を置きざりにしてドンドンIT化へと進みます。 遅ればせながら、Facebookなるものに身の程をわきまえず挑んでみます。 これからは下記のURlLでも思いの一端を綴れればと思います。どうぞご贔屓に(アッ、違うますね『いいね』)を宜しく…m(_ _)mまだ、ルーキーなのでなれません。 http://www.fac . . . 本文を読む

『助長』 宋人に…

2014年06月22日 | 中学受験 合格力随想
宋人有閔其苗之不長而揠之者。 芒芒然帰、謂其人曰、「今日病矣。予助苗長矣。」 其子趨而往視之、苗則槁矣。(出典『孟子』公孫丑上)■書き下し文宋人に其の苗の長ぜざるを閔(うれ)へて之を揠(ぬ)く者有り。 芒芒然として帰り、其の人に謂ひて曰はく、「今日病(つか)れたり。予苗を助けて長ぜしむ。」と。 其の子趨(はし)りて往き之を視るに、苗則ち槁(か)れたり。 ■口語 . . . 本文を読む

シリーズ『無の文化』…3

2014年06月16日 | 中学受験 行雲流水録
無の文化は、日本の社会においては、経済だけでなく、教育の世界にも流れています。日本の近代の欧米流教育は、有の文化の教育でした。教育の対象として「個人が有る」ということと、「その個人が身につけるべき何かが有る」という考え方が前提とされていました。その「身につけるべき何か」について、「何を」「どこで」「だれから」教わるのかと特定していったものが、教材であり、学校であり、先生でした。 だから、現在の社 . . . 本文を読む

母の温もり

2014年06月11日 | 中学受験 行雲流水録
日本人の学習力を支えてきたものは、幼児期の教育文化です。それは、添い寝と語り聞かせの文化です。母子が密着して感情のやりとりをする中で、昔話などを聞かせてきた文化が、日本人の学習力の土台を作ってきました。 しかし、現代の社会では、その文化が少しずつ失われてきています。その一方でテレビなどの機械による音声が乳幼児の成長に影響を及ぼしています。このため、他の国々より一足先にテレビ大国になった日本におい . . . 本文を読む