朝、年賀状の整理をしていたら、1枚の紙切れが出てきた。
開いてみると、あかねが家族にあてた「年賀状」だった。
亡くなる、一年前の年賀状。
その時は、これが遺書になるとは思ってもみなかったよ。
抗がん剤の治療で辛いはずなのに、家族のことを思いやる、やさしさ。
だれも、あなたのことを迷惑だなんて思っていないのに、そんなふうに心を痛めていたんだね。
今日は母さんの誕生日。思いがけないプレゼントでした。
夜、お姉ちゃんがケーキを持ってきてくれた。
お姉ちゃんが帰った後、弟が照れくさそうに、「おれも買ってきてやったぞ!」と小さなケーキの箱を持ってきた。
母さんは、涙もろくなりました。