1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

ヒト多中心性骨肉腫

2009-03-27 16:27:28 | Weblog
娘の命を奪った病気の名前である。
ヒト多中心性骨肉腫は、まれな骨肉腫の変異体で効果的な治療法は確立されていない。発症はまれで全骨肉腫の1~2%。化学療法には抵抗性で進行がはやく予後は極めて悪い。症例が少ないため基礎的データがなく治療法が見つかっていない。
娘が亡くなる前日、採取された腫瘍の一部が培養され今も生き続けている。
アカネ細胞と名づけられたその貴重な細胞は今10代目だそうだ。

今日、病院で治療にあたって下さった先生から文献が届いた。
「早いもので娘さんが永眠されてから2年が経ちました。あの頃の病魔との文字通り激闘の日々は今でも昨日のことのように思い出されます。
アカネ細胞の研究によって、わずかではあるが進展が見られました。文献としての第1報を書き上げる事ができました。」
という手紙が添えられていた。
医学用語が入り混じり、大変わかりにくいのだが、要点としては「特殊な骨転移によるもので、その転移においてケモカインという物質が中心的役割を果たしているであろう」と推察されていた。

いつかアカネ細胞によって、この病気の全容が解明され、治療法が見つかることを娘と共に祈ろう。