赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

中国、エセ資本主義の終焉――金融資産取引所閉鎖4ヶ所

2024-04-17 00:00:00 | 政治見解



中国、エセ資本主義の終焉――金融資産取引所閉鎖4ヶ所 
:240417情報



3月25日に中国の金融資産取引所が4ヶ所閉鎖されました。中国では、金融資産取引所という小規模の株や債券などを扱う実際上の取引所が全国に30ヶ所あったそうです。それぞれを地方政府が認可していたのですが、そのうちの、湖南省、遼寧省、西安市、重慶市の金融資産取引所が閉鎖されました。国際経済専門家の解説です。


いよいよ中国経済全体が鎖国統制経済の方向に着実に動いているという証拠です。

これまで中国に30ヶ所の金融資産取引所がありました。そういうところで理財商品を売っていたのですが、そのうちの4ヶ所が閉鎖されたのです。やがて中国の全てが閉鎖されると思います。中国流のエセ資本主義の終焉が近づいているということです。

中国の経済構造が大きく習近平のリードのもとで鎖国経済化・統制経済化していきます。よく計画経済という言葉を使う人がいますけど、全く計画できないので統制経済という言い方が正しいでしょう。

昨今の中国ではいろんな国際フォーラムのようなものを開いて、外国資本が逃げていくので誘致して再度取り入れようとしているのですが、結局それも無駄に終わっているということです。

具体的に言うと、金融資産取引所の営業許可が取り消されたということです。こういうところでは理財商品や地方政府の私募債の取引が行なわれていました。シンガポール発のロイター通信を読みますと「金融資産取引所は地元の国有企業が長年にわたって設立してきたもので、規制が非常に緩い地元の金融資産を取引する場だったけど、近年は販売が既に禁止されている理財商品・金融商品や地方政府の私募債の取引にも使われるケースが多かった」と伝えています。

これは中央政府が抱えている金融会社である融資平台もこういうところで大量に資金を調達してきたのではないでしょうか。今回30ヶ所のうち4ヶ所が閉鎖されましたが、やがて30ヶ所全部閉鎖することになると思っています。これで中国がやっていたエセ資本主義の終わりということです。これから統制経済・鎖国経済の方向に中国は舵を切っていくでしょう。

それでもお金が欲しいわけであり、外資が続々と中国から逃げていっている現在、どうにか引き留めないといけないということは習近平も考えており、最近いろんな会議を開いています。

例えば、一番有名になったのが「中国発展ハイレベルフォーラム」というものを3月25日から3月27日に開いたのですが、これは鳴かず飛ばずの感じでした。それと3月26日から3月29日に開催された「ボアオ・アジアフォーラム」は中国版のダボス会議を目指して始めたものですけど、ここでもパッとしない結果だったのです。それと3月29日から開催された「第1回インベストメント・中国サミット」も不振な結果で終わっています。

この中国発展ハイレベルフォーラムには、ブラックストーンの会長兼CEOのスティーブ・シュワルツマン、クアルコムのCEOのクリスティアーノ・アモン、ハーバードケディスクールの前学長だったアリソンなどの有名な人たちも出ていたそうです。

この人たちは1日いれば習近平に会えると誘われて、ハイレベルフォーラムという名前の通り、相手も大物ですから中国側も考えたのでしょう。習近平に会えると誘われて、彼は中国が開かれた体制で今後とも世界に経済貢献するという話を伺っても、実際にやっていることは逆ですから、大金を投資して大規模に中国で商売しましょうとはなりません。

経済自体が落ち込んでいるわけですから、行っても儲からないということです。格好だけつけて、いろんなフォーラムをやっているけど、結果はついてきていません。

それから、外国の企業が現地法人を作ると、その中に共産党支部を必ず作らされます。そしたら、合理的な経営判断が優先できないので、共産党の言う通りに経営しないといけないので儲かりません。そういうのがわかっているからハイレベルフォーラム、ボアオ・アジアフォーラム、第1回インベストメントサミットなどをやっても、結果がついてこないです。そこにいろんな人たちは来ますけど「その話は、お話として伺っておきます」というレベルで終わるでしょう。

一方で、スパイ防止法を強化していますが、国家安全保障法を厳しく運用しても誰がスパイであるかもわかっていません。外国のコンサルタント会社から昨年に手入れされて、外国企業に向かって「中国にはこれだけのチャンスがあるから投資しなさい」と言っているような情報が命の企業に警察が入ってスパイ法違反であるということをやられてしまっています。これでは商売できません。

日本でもアストラゼネカの社員がスパイ容疑で捕まっていますけど、中国に行ってやっていて、何が国家機密か明確に定義されていないのにも関わらず「これは国家機密であるからけしからん」と言われたら、恣意的に当局や習近平のような悪い権力の立場にある人の思いのままに、外国の社員として働いている人が逮捕されるのです。

最近は香港でもリモートが多いと言われています。今も香港にある外国の会社に日本人の社員やアメリカ人の社員を派遣していたら、いつ捕まるかもわからないから、なるべく行かないようにして現地人を採用しておいて、自分の国からリモートでいろんな指令を出して仕事をしているようです。これが本格的には行きませんから、外国はどんどんお金を引き上げています。やはり、中国に対する直接投資はマイナスです。

そして経済全体が統制経済の方向へ進み、自由化・民営経済を重視できたのとは全く逆で、国進民退で国有企業の方が進歩して前に出てきて、民間企業が敗退して仕込んでいくということがはっきりしていますから、そういうところに投資はできません。

そもそも中国の企業のバランスシートが明確になってないです。これは国有企業ではなくてもバランスシートを外国に教えるということは、国家機密に相当するので教えたらいけないと言われています。教えたらいけない企業の株がアメリカやロンドンで上場していること自体おかしいわけで、それを誤魔化してやっていたわけです。

それはシティでもウォールストリートでも儲かれば良いと言っているような人たちが、中国の株を持ってきて上場させて儲けていました。しかし、その実態は何かよくわからないということです。バランスシートがしっかりしてないということは、企業の何が資産で何が負債なのかわからないといった企業ですから、投資するわけにもいきません。そして、経済統計についても、どこから先が国家機密だと言われるかわからないということ、安心して商売ができる状態ではないです。




お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】
  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz
ng>

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする