赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

米・石油とLNGの輸出好調

2024-04-11 00:00:00 | 政治見解




米・石油とLNGの輸出好調 :240411情報

アメリカの石油とLNG(Liquefied Natural Gas;液化天然ガス)の輸出が極めて好調ということです。

バイデン政権はCO2を減らさないといけないと言っても、今さらアメリカ国内で掘るなと言っても産業上必要ですからどんどん掘らざるを得ません。

それだけではなく、国内で化石燃料の使用量を減らしたところで、外国に輸出して石油天然ガスを使用しているからCO2がそちらからも出るわけです。国際政治学者の解説です。



アメリカのエネルギー情報局が3月18日に公式サイトで発表されていますが、アメリカの原油輸出量を2023年に過去最高を記録しました。それが約400万バレル/dayというもので、すごい量です。

そして輸出先はどうなっているかと言うと、アメリカの石油を最も買っている国はオランダでした。続いて2番目が中国、3番目が韓国、4番目がカナダ、5番目が英国、6番目がシンガポール、7番目が台湾という順番になっています。

台湾や韓国はアメリカとの軍事的な同盟関係ということもあって買っているのかもしれません。いくらアメリカ国内で石油を使うな、掘るなと言っても、実需があるためアメリカ国内の石油生産量自体が史上最高ですし、ガンガン輸出してアメリカの石油産業が儲けているのです。バイデン政権がどのようなことを言ってきても、実体経済の勢いは止められません。

一方で今のバイデン政権の大統領上級顧問のジョン・ポデスタが「日本の石炭火力発電を早く全廃して、期限も示せ」という余計なことを言ってきています。こういう意見は拒絶すべきアドバイスなので、絶対に聞く耳を持ってはいけません。

化石燃料は全部大事です。石炭火力発電は古い形のものですけど大事な資源だと思います。天然ガスがクリーンで一番良くて、多く使われるので天然ガス主流の時代へと変遷しているのは間違いありません。

世界的にも今後人類が何百年も使っていいくらいの天然ガスが既に発見されています。アメリカでは「シェールガス」という新しい手法による天然ガスの採掘法も確立しました。これは世界的に応用すれば相当なことになるでしょう。天然ガスというのは日本の場合ですと、島国で孤立していますから液化天然ガスで持ってくるしかないのです。パイプラインで持ってくると安くて楽ですけど、パイプラインを使ってロシアから買うことになって、いざというときにロシアが供給を止めたらどうしようもなくなります。

そうすると安定供給してくれる国から買うということで日本もブルネイあたりから結構買っていますけど、液化天然ガスで持ってくると零下150度くらいに冷やして持ってくるから、持ってきても保管するのにもコストがかかるのです。しかも、3ヶ月くらいしか保てません。

それに対して石炭は保管コストが非常に安いです。輸入して保管しておく場所さえあれば、石炭エネルギーを無料で置いておくようなものでしょう。なおかつ火力発電であれば電力を上げたり下げたり、天然ガスと同様で調整も簡単にできます。

重要施設となる米軍基地の近くに石炭火力発電が置いてあることが多いですが、例えば、原発も外部電源が凍結されてしまうと事故が起きるのです。原発の冷却ができなくなってしまうということですから、原発のためにも石炭火力発電所を近くに置いておくことは大事なことだと言えます。こういうことも考えないで「早く日本は石炭をやめるべきだ」と言ってくるのは余計なお世話だということです。

世界には十分な石油もLNGも売っているアメリカは、国内でも盛り下がっている世界的な脱CO2、脱酸素が進んでいません。2023年にアメリカはヨーロッパへのLNGの最大の輸出国でした。それからカタールとかロシアとかアルジェリアが連なっているということで、石油だけではなく液化天然ガスの方もヨーロッパに大量輸出をしています。こういった事実はきちんと掴んでおいた方が良いでしょう。

脱炭素というのはイデオロギー的な掛け声だけで、現実的な経済は全く動いていません。



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