ドル体制に「穴」をあけるアジア決済同盟(ACU) :230719情報
世界の経済情勢が、「リーマンショックが起きた2008年に似てきた」という話をする人がいます。「100年に1度の大不況」といわれたリーマンショックの前に、「世界的なドル離れ現象が起こっていた」ことがいま起きているからのようです。
詳しいお話を伺いました。
・ユーロの紙幣流通量がドルを超えた。
・プーチンが「ルーブルを世界通貨にする」と宣言した。
・イランが、原油のドル決済を止めた。
・南米共通通貨、アフリカ共通通貨、湾岸共通通貨などの創設が議論されるようになった。
などなど、今再び「ドル離れ現象」が起きています。要注意なのです。
具体的例としては、
・SWIFTから排除されたロシアが、「人民元圏」にくみこまれた。
・ブラジル、アルゼンチンが、中国との貿易を人民元で行うようになった。
・南米共同体で、「南米共通通貨構想」が復活してきた。
・中国中央アジアサミットで、「運命共同体」を創ることが合意された。
・中央アジアは将来「人民元圏」に組み込まれることは、ほぼ確実。
など。
フォーブス6月5日。:<インド、パキスタン、イランを含む9カ国の中央銀行から成るアジア決済同盟(ACU)は、既存の主要な国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)に代わる新たな金融メッセージシステムを今後数週間で立ち上げる計画だ。現在ACUの議長国を務めるイランの関係筋によると、先月24日に首都テヘランで開かれた会議で、1カ月以内に新制度を立ち上げることで合意に至った。>
ーー「アジア決済同盟」(ACU)。皆さんご存知でしたか?
ウクライナ戦争でロシアが排除されて困った国際決済システム「SWIFT」に替わるシステムです。ちなみに中国には「CIPS」というのがあります。
ACUの参加国は、バングラデシュ、ブータン、イラン、インド、モルディブ、ネパール、パキスタン、スリランカ、ミャンマー
要するに、この9か国が取引するときは、「SWIFTをつかわず、ACUでやりましょうよ」と。メンツを見ると、インドが参加しているのがとても気になります。
しかし、他のメンツを見ると、「ドル体制にとってそれほど脅威ではないかな」と思えるかもしれません。ですが、これは「ドル離れという大きなトレンドの一つ」ととらえるべきです。
上に挙げた例、
・SWIFTから排除されたロシアが、「人民元圏」にくみこまれた。
・ブラジル、アルゼンチンが、中国との貿易決済を人民元で行うようになった。
・南米共同体で、南米共通通貨構想が復活してきた。
・中国中央アジアサミットで、「運命共同体」を創ることで合意。・中央アジアは将来「人民元圏」に組み込まれることは、ほぼ確実。
という「ドル攻撃の一環」と見れば、「かなりヤバイトレンドだ」ということがわかるでしょう。
前回は、こういうトレンドの最中に「100年に1度の大不況」が起こりました。皆さんは、「08年ってどんな感じだったかな?」と思いだして、防衛策を練りはじめてください。
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