赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ドル体制に「穴」をあけるアジア決済同盟(ACU)

2023-07-19 00:00:00 | 政治見解



ドル体制に「穴」をあけるアジア決済同盟(ACU) :230719情報


世界の経済情勢が、「リーマンショックが起きた2008年に似てきた」という話をする人がいます。「100年に1度の大不況」といわれたリーマンショックの前に、「世界的なドル離れ現象が起こっていた」ことがいま起きているからのようです。

詳しいお話を伺いました。



・ユーロの紙幣流通量がドルを超えた。
・プーチンが「ルーブルを世界通貨にする」と宣言した。
・イランが、原油のドル決済を止めた。
・南米共通通貨、アフリカ共通通貨、湾岸共通通貨などの創設が議論されるようになった。
などなど、今再び「ドル離れ現象」が起きています。要注意なのです。

具体的例としては、
・SWIFTから排除されたロシアが、「人民元圏」にくみこまれた。
・ブラジル、アルゼンチンが、中国との貿易を人民元で行うようになった。
・南米共同体で、「南米共通通貨構想」が復活してきた。
・中国中央アジアサミットで、「運命共同体」を創ることが合意された。
・中央アジアは将来「人民元圏」に組み込まれることは、ほぼ確実。
など。

フォーブス6月5日。:<インド、パキスタン、イランを含む9カ国の中央銀行から成るアジア決済同盟(ACU)は、既存の主要な国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)に代わる新たな金融メッセージシステムを今後数週間で立ち上げる計画だ。現在ACUの議長国を務めるイランの関係筋によると、先月24日に首都テヘランで開かれた会議で、1カ月以内に新制度を立ち上げることで合意に至った。>

ーー「アジア決済同盟」(ACU)。皆さんご存知でしたか?

ウクライナ戦争でロシアが排除されて困った国際決済システム「SWIFT」に替わるシステムです。ちなみに中国には「CIPS」というのがあります。

ACUの参加国は、バングラデシュ、ブータン、イラン、インド、モルディブ、ネパール、パキスタン、スリランカ、ミャンマー

要するに、この9か国が取引するときは、「SWIFTをつかわず、ACUでやりましょうよ」と。メンツを見ると、インドが参加しているのがとても気になります。

しかし、他のメンツを見ると、「ドル体制にとってそれほど脅威ではないかな」と思えるかもしれません。ですが、これは「ドル離れという大きなトレンドの一つ」ととらえるべきです。

上に挙げた例、
・SWIFTから排除されたロシアが、「人民元圏」にくみこまれた。
・ブラジル、アルゼンチンが、中国との貿易決済を人民元で行うようになった。
・南米共同体で、南米共通通貨構想が復活してきた。
・中国中央アジアサミットで、「運命共同体」を創ることで合意。・中央アジアは将来「人民元圏」に組み込まれることは、ほぼ確実。
という「ドル攻撃の一環」と見れば、「かなりヤバイトレンドだ」ということがわかるでしょう。

前回は、こういうトレンドの最中に「100年に1度の大不況」が起こりました。皆さんは、「08年ってどんな感じだったかな?」と思いだして、防衛策を練りはじめてください。




  お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】
  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 習近平が台湾統一を必死に目... | トップ | 新BRICS通貨は米ドル支配を終... »
最新の画像もっと見る

政治見解」カテゴリの最新記事