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北朝鮮 よど号グループ取材記・8 『赤軍という現象の歴史的再定義』

2013-03-14 17:35:11 | 映画制作
訪朝4日目。


この日からわれわれ訪朝団は、よど号グループ『かりの会事務所』に宿泊し、対話中心の日程に移行しました。
といっても、この2日後の朝には帰国するのですが。


宿泊した部屋。



朝食の後、議論(談話)開始。

議題は『赤軍という現象の歴史的再定義』というもの。
『歴史的再定義』というのは、わたしが「救援」誌に書いた『歴史としての再定義を』からとった、とのことです。

植垣康博さんの連合赤軍問題総括から始まり、小西隆裕さんの発言を中心としたよど号グループの総括へ。

植垣康博さん

そこで議論になったのが、よど号グループの皆さんが口にする「人民」という言葉についてです。
よく「人民を愛し、信じる…」といった使い方をされていました。


ハテ、しかし…

人民とは誰のことでしょうか?
わたしも人民なのでしょうか?具体的に日本の人民とは、日本という国に住む人々のどの範囲を指すのでしょう?

愚直に「俺も人民ですか?」と聞くと「そうだよ」とのことでした。

というのも、人民というのは殆ど「共産圏が使用する言葉」というイメージがあり、なんとなく狭苦しさと思想的、反権力的な意味合いがはらまれているような印象を受けます。
そしてなにより、“上から目線”なイメージがして…。
なんか「偉そう」に聞こえてしまうような気がしないでもない。

このあたりになると、わたしもよど号グループの皆さんが「ガチガチの主体思想体現者」というイメージから「わりと柔軟なオッサンたち」と印象が変わってきていたので、そこらへんはズバズバと言いました。
そりゃ言ってて緊張しなかったといえば嘘ですが、だいたいは「そりゃそうだ、そう思うわな」などと相槌うってくれたりしたので喋りやすい雰囲気でした。
どちらかというと「意見を聞きたい」という接し方でした。

小西隆裕さん

若林盛亮さん

安部公博さん

赤木志郎さん


カメラを回すことでわたしの方からも質問をしました。
それは「連合赤軍事件を知った時」「リッダ闘争(テルアビブ空港乱射事件)を知った時」それぞれどう思ったか、という大雑把なものと、議論後時間を作ってインタビューさせていただいた「グループ内の人間関係」「ヨーロッパ拉致疑惑」、そして「皆さんの過去と現在とこれから」等に関するものです。


この議論(談話)とインタビューについては、ここで書くとせっかくの映画内容の核心に触れてしまうコワさがあるので、ここらへんでご容赦を…


とはいえここは書いておかねば、と思う部分もあったので小西さんの発言から2点。

【ヨーロッパ拉致問題について】
「日本人が(我々に)怒るのはある意味いいことだと思う。新聞に書かれてあるようなことが本当だとしたら、怒るのは当然だ」

【ハイジャックについての総括】
「ハイジャックではいざとなれば人民もろとも、と思っていた。しかし後から考えて、人民を犠牲にする大義はないと思った」


わたしはここらへんの言葉を信じたいと思います。


「人民を犠牲にする大義はない」
めちゃくちゃ遠回りして掴んだ、当たり前といえば当たり前すぎる言葉。

心の中でツッコミつつも「ズシリ」ときました。




続く

前回まではこちら
【北朝鮮 よど号グループ取材記・1 北京】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・2 平壌へ よど号グループとの初対面】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・3 よど号グループ帰国問題談話・平壌観光】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・4 人民大学習堂/万寿台の丘】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・5 主体思想塔と平壌の遊園地】
北朝鮮 よど号グループ取材記・番外編 北朝鮮のハンバーガー
【北朝鮮 よど号グループ取材記・6 祖国解放戦争勝利記念館】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・7 大同江果樹農場】
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