ちくわブログ

ちくわの夜明け

広島・山口旅行記<2> 広島とヒロシマ

2007-11-30 04:32:36 | 映画制作
すぐ止まるだろうと思っていた涙も、なかなか止まらない。嗚咽が呼吸を乱し、それと恥ずかしさとで、近くのベンチに腰掛け、うつむいて呼吸を整えた。

なにがなんだか、分からなかった。どうしたんだろう?
冷静に今起こったことと、思ったことを頭の中で整理してみる。
たぶんこれは・・・・見たものの「温度差」に、心がびっくりしてしまったんだろう、と思った。

広島という、日本の平和な地方都市。どこにでもある風景。当たり前の平和。
ついさっきまで、ただなんとなく「広島についたから、原爆ドームでも見てこよう」と思っていた自分と、それそのものの、現物が証言する何かとの温度差。

写真やTVで何度も見たことがあるはずの「原爆ドーム」という記憶。
目の当たりにしてすぐ、思ったのは、「どんなにつらかったろうなぁ」ということだった。
頑強そうな建物がこんなふうになってしまっている。そこから突きつけられるものは、想像をはるかに超えていた。そしてそうなったのは、同じ日本人なんだということ。


一息ついて落ち着いたところで、ゆっくり、原爆ドームをぐるりとまわりながら見学した。
近くにはデパートやビルという、普通の街並みが透けて見える。
何を思えばいいのか、ちょっと分からなくなってきた。


平和記念公園へ向かう。綺麗に整備された、緑の豊かな公園。
昼を過ぎてから、修学旅行や社会見学の子供たちがどっと訪れる。そういう声や雰囲気は、学びの場というよりも、どことなく今の平和を実感させる装置のようだ。
カンボジアでキリングフィールドを訪れたときもそうだった。美しく萌える草木の中、蝶が舞い、近くに住んでいる子供たちが、遊び場としてはしゃいでいた。
人間というものは、過去、凄惨な記憶を持つ土地に演出を施し、そこからなにかを抽出しようとする生き物なんだと思う。

そして、平和記念資料館へ。
最初から最後まで、くまなく見て回る。歴史としての原爆、被爆としての原爆。
途中、もう嫌になって何も見たくない、と思うほど疲れた。こういったものをまともに一人で見続けるということは、本当につらい。
やがて、原爆の子の像のモデルである、佐々木貞子さんのコーナーに入る。千羽鶴で世界的に有名なサダコ。
そういえば、カンボジアで偶然、自費で学校を開校した日本人の方と知り合い、ちょうど明日が開校日だというので、その授業を見学したことがあった。その授業内容というのが、サダコの絵本を読み、みんなで鶴を織る、というものだった。
カンボジアという外国での体験と、今が直結していることに、少し不思議な感覚をおぼえる。
みんな、元気だろうか。そしてあの学校はまだあるのだろうか。



広島とヒロシマ。
この都市は、明確に二つの顔を持っている。それはとても複雑だし、大切なことだと思う。


つづく
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忙しい俺様

2007-11-24 00:29:26 | Weblog
身の回りがめまぐるしく変化しつつあったり、それに対応したりで、ものすごい忙しさです。忙しいと言うのは能力がないからと言われればそれまでですが、事実忙しくてたまらんです。かんべんして下さい。

昨日また大阪に行ったりしておったのです。今回は日帰りで。朝8時の新幹線に乗り、夕方6時の新幹線で帰るという・・・。何もする暇がなかった。それも社長と二人っきりという鼻血も凍る状況だったのであります。

さらにその帰り、仕事仲間と思い出横丁で深酒、ひさびさのオール、始発帰りでした。二日酔いがまだ続いています。24時間は経っているのに。

仕事もまだ残ってるけど、とりあえず明日、明後日と数ヶ月前から計画していた友人との温泉旅行に行きます。いわゆる秘湯というものにじっくりつかってきます。


つうわけで、なかなか広島・山口旅行の続きが書けません。リアルタイムでは、そのお話が東京に帰ってからも繋がっていて、このブログは若干遅れ気味な俺日記です。
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すごい大阪

2007-11-21 03:39:33 | Weblog
仕事で行ったのに。
初めての大阪は、ものすごく楽しく、かつスリリングでありました。

とにかくすごい体験をした・・・・

ちょっとした海外旅行より逆にカルチャーショックがでかく感じました。
デカイと言えば、あらゆるものがデカイとも思いました。
いやもうこれは、絶対また行きたいです。プライベートで。
ひー。うずくよう。


すいません、また詳細は後日。
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出張

2007-11-15 18:52:09 | お仕事
出張・・・かっこいい響きだなぁ。

ロケっつうか、ちょっと大阪出張行ってきます。撮影なのでロケと言えばロケなんですけど。
なんかニュアンス的に出張ですなんとなく。

行きは深夜バス。
でもいつもわたしが使ってるような格安バスじゃないので快適ぽい。これなら十分寝れるです。

帰りは土曜の昼、新幹線で。本当は0泊だったんだけど、せっかく初めて大阪に行けるのに、まったく遊べないっていうのは絶対に嫌なので、無理矢理一泊にしました。
ありえないでしょ!撮影してぽーんと帰るなんて!
特にお手当てが出るわけでもないので、せいぜい自腹でうまいもの食い倒れてきます。


写真のチェブラーシカは、今日の昼休みにゲーセンでとってきたやつ。
調べてみたら、日本では大阪から発信(吉本の、若手女子社員さん)されたようなので、連れて行ってあげます。チェブ公。
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広島・山口旅行記<1> 見たことのない記憶 

2007-11-13 23:36:19 | 映画制作
ちょうど前日が、西新宿での打ち合わせだった。打ち合わせ後、コンビニで軽食を買い、深夜バスの停留所である都庁近くの駐車場へ向かった。
4日分の荷物が入ったリュック、カメラバッグに三脚バッグ。すべて持ち歩くと身体がとんでもなく重たい。ぎし、ぎし、と歩くたびに鈍い音がする。


10月末。わたしは広島へ向かった。山口県在住の元写真家の方に、取材をするため。
バス内では眠くなるまで車窓を眺め、サンドイッチをつまみにチューハイを飲む。3、4時間に一度サービスエリアに停まるので、トイレ休憩とちょっとした食い物で腹ごしらえをする。

こうして寝たり起きたりしつつ、広島に到着したのは朝の8時だった。
着いて早々、スコールのような土砂降りの雨に見舞われる。「これは動かないほうがいいな・・・」そう思い、広島駅で雨が降り止むのを待つ。

雨は30分ほどで止んだ。とりあえず空腹のため、店を探しに駅前を歩いてみる。

ところで以前、バスの乗り継ぎで広島にちらっと停まったことがある。その時思ったことだが、広島駅前(新幹線口)って、なぜかものすごく廃墟が多い。まるでゴーストタウンのような雰囲気だ。
そこで今回は滞在するということで、ちょっとこれについて調べてみることにした。
駅前をぶらりと歩き見る・・・・
やっぱり多い。団地や一軒家、商店まで。

不気味なほど多い。なんで???

さておき、腹が減った。
わたしは手ごろな、いかにも地元の人たちが行きそうな喫茶店を選び、そこでモーニングセットを頼んだ。うん、おいしい。こういう普通のでいいんだ。


さて、腹ごしらえも済んだし、とりあえずどうするか。取材は明日の朝から。それまでどう過ごそうか。
まずは、今日泊まる宿を探した。
おそらく付近で一番安いであろう駅前の小さな宿を見つけ、そこで泊まることとした。そしてそこのおやじさまにズバリ聞いてみた。
「あの、なんでこの辺りって、こんなに廃墟が多いんですか?」
「あー、ここいらへん、全部取り壊して、外資系のホテルが建つんだよ。再開発な」

なんだ・・・たったそれだけの理由か。つまんない。というか、本当につまらない。こうして古い建物がツブされて、かわりに真新しい、何の魅力もないものがそびえ立つことになるなんて。
広島は栄えている南口も含め、とても魅力がある。後述するけど、古めかしい市場や喫茶店、雑多で古くて、味のある街並みがそこかしこに見られる。こういった地元の人々から親しまれているようなものまでが、無くならなければいいのだけど・・・・

気を取り直し、まだ昼前。チェックインはまだなので、荷物を預けるだけ預け、身軽になたところで「原爆ドーム」を見に行くことにした。
駅前から路面電車で向かう。電車から見る街並みは「知らない場所に来た」ことを実感させてくれる空気に満ちている。


15分ほどで原爆ドーム前駅に到着。
駅からすぐそこが原爆ドームだった。見た瞬間、自分でもどうしてか分からないけど、すごくびっくりしてしまって、へんな涙が出てきた。


つづく
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国際反戦デーと鰻 2

2007-11-04 21:07:25 | 映画制作
おまわりさんの数はすごかったし、指揮車も出ていたが、機動隊までは動員されていなかった。
やがてデモの列は新宿南口を目指して明治通りから甲州街道へ。

鬼のような形相でデモの隊列を睨みつける若い警察官、セクト旗を次から次にメモにとる公安。そしてデモの様子を物珍しげにみつめる街頭の人々・・・ぽかんとした表情の子供や写メを撮る信号待ちの若者。
わたしはそれらをデモの頭から最後尾をいったりきたりしつつ、懸命に撮影した。

以外にもデモそのものより、面白かったのは街の反応だった。かつての革命の闘士たちを冷ややかに見つめる街の目。あれだけ熱かった新宿も、今ではまったく違う表情になっている。これを、彼らはどう感じているんだろう。


やがてデモは自然的に散開し、わたしとMさんはアルタ前、東口行きのグループに同行した。
ビラを配り、アジる。しかし人は誰も集まってこない。熱く語るアジテーターのすぐ目の前に、道の真ん中だというのにホームレスのおっさんがコックリコックリと舟をこいでいる。なんともいたたまれない風情だった。
それでもビラ配りの人々は誰彼かまわずビラを配り、その内容を説明している。

面白い光景を見た。
恐らく60年安保から闘い抜いてきたであろう老兵が、いかにもな、けばけばしいギャル二人組みにビラを片手に懸命に説いている。そして以外にもそのギャル達も表情は真剣そのものだった。老兵の熱気が彼女たちに伝わったのだろうか。
なんか、妙にうれしかった。


そこそこで切り上げ、先に切り上げていたMさんと思い出横丁の「カブト」で落ち合う。
創業から50年以上、うなぎ串焼き専門のこの店は、Mさんの昔からの行きつけだという。初めてのわたしは、すすめられるままに「一通り」やカブト・いわゆる頭、それに蒲焼や白焼など次々にばくばく食い、それらを瓶ビールで流し込む。ぶっちゃけ、どこを食っているかなんてほとんど分からない。だが、どれも安くてうまい。

ボロボロでたまらなく情緒のある店内は、まるでタイムスリップしたように昔と同じ時が流れている。常連のおじさん達の会話は、ネットが世界を変容させつつある今でも、昔と変わらない。
そうした店内でMさんと今日のことを話していると、68年の10・21に参加した人々も、もしかしたら検挙の手から逃れるため、ここに逃げ込むように飲みに来たのかもしれないな、と思った。
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ただいま!!

2007-11-03 01:12:19 | Weblog
広島は原爆ドーム・宮島、山口は柳井市にと、非常にみのりある旅でした。待っていた2,3人の方、ただいま!

さて。
今回の旅の目的は、山口県にとある元報道写真家の方を取材撮影に訪ねる、というものだったのですが、余裕を持って日程を組んだため、いろいろとぶらつくこともできました。広島駅の安宿を基点に、山口県にも一泊し、さまざまの体験をしました。これからだいたい、二回に分けて旅のようすを書いていこうと思います。
まずは予告。


■広島駅新幹線口のなぞ
栄えてる南口とうってかわってさびれた新幹線口。以前通りすがった時「なんで駅前なのに廃墟ばっかなんだろう・・・」と疑問に思っていたのだが、今回の旅でついにその謎が明かされますた。
「なぜか」と思っていたそこのアナタ!ちくわブログはそんなボルシェヴィキなあなたの疑問にお応えします!
すごくしょうもない理由ですよ。

■原爆の街
恥ずかしながらこの歳で初めて原爆ドームと平和記念資料館を見てきた。稚拙な表現だけど、とにかくびっくりした。言葉そのものが腐りつつある「平和」について、ちゃんと考えなければ、と思った。ピースじゃなくて、平和です。
ちょうど何日後かに大きなお祭りをひかえており、いたるところに〆の子が下がってい、街全体が厳かな雰囲気だった。

■福島菊次郎先生をたずねる
製作中の映画のため、元報道写真家の福島先生を訪ね、インタビューをする。神保町で出会った古本『ガス弾の谷間からの報告』から、まさかここまでたどり着くとは思わなかった。
インタビューについては、相手が大きすぎて、わたしごときがいろいろと引き出すにはまだ経験不足だったと思う。
くやしい。
しかし、またお会いしたいと思います。それほど大きな人でした。86歳の老人の中に、鋼のように強靭な生き方が垣間見えました。


以上。
とりあえず次回更新は「国際反戦デーと鰻」の続き、完結です。
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