ちくわブログ

ちくわの夜明け

さようならモモちゃん

2019-07-28 22:56:14 | Weblog

大阪で仕事をしていたら、実家から「モモが亡くなりました」とメールがあった。


忙しくて何も返せず、また感情に悲しむ隙が無かった。
ああやっぱり死んだか、もう年だもんな、大往生だよ、と妙に落ち着いて受け止めた。

数日前、仕事の現場が近くだったので実家の名古屋に帰った。
その時はまだ元気があったので安心していた。


ところがその半月後。
多分完全な老衰だと思う。よく頑張って生きてくれた。猫に生まれて22年だよ。
もう一匹の相方、プーが亡くなって2年間、よく生きてくれたなあ。

あの時と同じで、今まで両親を見てくれてありがとう、という思い。

若い頃はあんまりなついてくれなかった。べたべたと触らせてくれるようになったのは、年を取ってから。


寂しい気持ちをなんとなく抱えたまま、忙しく撮影していたら、待ち時間にメールが届いた。
普段から仲良くさせて頂いている漫画家の熊倉献先生が、モモをイラストにして送ってくれた。


ああ、こうやってもしかしたら本当に天国に行っているのかな、だとしたら今こういう感じで上に昇っているんだろうな、と思った。
やっと「お別れ」という実感が湧いてきてカメラを構えながら泣いてしまった。

さようなら、モモちゃん。ありがとう。
天国でプーと再会してね。安らかに。


こういう素直な気持ちに歯止めをかけてしまう年の取り方はやめようと思いました。

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シャッターと昔見た風景の街

2019-06-28 02:45:04 | 

もう半年たってしまいましたが。

正月明けにお仕事で岐阜に行きました。

実家が名古屋なので地理的には近いのですが、個人としてはあまり馴染みのある場所ではありません。

ひとまず仕事の目的地である岐阜の某駅へ。
駅前にいい喫茶店があったので朝めし代わりにコーヒーを。


仕事が終わり、岐阜駅に戻ります。

日が暮れるまで観光してみることに。

金の巨大な織田信長像が…

駅前は寂れていると聞いていたので、どんなものか見てみました。
結果を先に言えば、シャッター通りが続く壊滅的な箇所がありますが、それなりに栄えていて楽しめました。
また、夜は飲み屋の灯も沢山見えたので、まだまだ活気があるのでは、と思いました。


とにかくこちらの繊維街という一角のシャッターっぷりがすさまじく、歩いててどこまで行っても閉まってらっしゃるお店ばかりでした。


そんな中にこうしたヒューマンな注意書きも…

「何で」と問いかけ、本当に心底理解できないという思いを犯人にぶつけています。


続いて商店街を歩きます。


古い街並み、情緒が感じられます。
スナックが多い印象です。


ちょっと外れると一面キャバクラの広告が貼ってある場所もありました。
やはりそれなりにナウなプレイスポットでもあるのでしょうか。

閉まっているお店も多いです。


一部で有名な名画座・ロイヤル劇場さんも見てきました。
すごく立派な看板ですね。かっこいいです。


さらにやや歩くと、とても風情のあるスペシャルな喫茶店に遭遇しました。


こういうお店を見つけると「ここに来てよかった」と心底思います。
バナナジュースを飲みゆっくりと過ごす。


途中、小さな女の子を連れた家族連れも入ってきました。
地元の方々と時間を共有できるのは旅の楽しみです。

知らない風景と知らないお店だけど、昔はこういう商店街っていっぱいあったな、とフト思いました。
地方のシャッター街化がさけばれてもう何年も経ちますが、こうしてまだ頑張っているお店、商店もあるんだと思うと心強いです。
やがて必ず無くなる風景だからこそ愛おしく感じます。


帰りにはマッチもいただきました。

そろそろ日が暮れてきましたので帰宅することに。


夜の駅前は、思いのほかお洒落な電飾が施されていました。


また来たいと思わせる、魅力のある街でした。

 


 

 
 
 
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あるバーの最後

2019-05-28 01:44:10 | Weblog

先日、行きつけだった阿佐ヶ谷のバーが閉店するというお知らせを受けて、入れていたボトルを飲み干すべく閉店日に訪れました。


行きつけとか言っても、ここ三か月はなんだかんだ忙しく行けていませんでしたが。
それでもわたしにとって立地的に都合のいい場所で「飲みたいな」と思ったらすぐ行けるのと、なんと言ってもボトルを入れたら千円ポッキシで飲ませていただける非常にありがたい場所でした。







いつもはガラガラの店内が、閉店すると聞きつけた常連でごった返しておりました。

わたし自身、常連同士の繋がりは皆無というかそもそもいつ来てもお客さんが居なかったので、一人ぽつねんと誰とも喋れず飲んでおりました。
ちなみにこのバーは劇団員や編集者のお客さんが多いです。俺はもうなんか、そういう方々とは気後れしちゃって喋れない中年男性なので、本当にポツーーンという感じでした。

するとママさんが「明日来れる?お店片付ける前に写真を撮ってほしい」と。
今までさんざん安く飲ませていただいたので断るなどもってのほか。「もちろん」と快諾させていただきました。

以下はそういう写真です。

店の裏を撮ってほしい、とのこと。ここからの角度がお気に入りだそう。


街灯もあまり届かない場所。めちゃくちゃ暗いのでファインダーを覗いてもほぼ真っ暗でした。
この建物自体が取り壊されるようで、しっかりとした管理がされていない様子でした。
それがまたいい雰囲気です。

裏から入るように、店内を撮っていく。












店内に人がいるのは片付けを手伝った方や、聞きつけて最後の最後まで、と店との別れを惜しむ常連のお客さんが来ていたためです。



もう何回も経験しているけど、無くなると判明した瞬間から惜しくなって愛おしくなるものはたくさんありますね。
そういうものやことに対して、いつも「精通前の子供」のような、どう対処していいか分からないドタバタとしたもんどりうつ感情を引き摺っておりましたが、こうして「ハイ、終わり」という瞬間まで立ち会える経験というものは貴重だし、何より自分の中で区切りがつくことがありがたかったです。

ありがとうございました。


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と、いうわけで

2019-04-20 23:59:14 | 映画制作
NHK・Eテレ ETV特集『連合赤軍 終わりなき旅』たいへん興味深かったですね!!

番組を見てこのブログに来た皆さん、ついでにこちらの予告編も見ていって下さい。
もっと面白いに違いないぞ!!!

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斎藤潤一郎外伝「カミさん」

2019-03-16 00:58:55 | 
調布市の某団地近くに流麗な曲線も美しいアーチの掲げられた商店街がある。
かつて団地に住む人々で賑わったその商店街も今は半分のシャッターが閉じ、多摩川から藻のにおいを伴って吹きつける風が、いっそう侘しい心持ちにさせる。


カミさんとは何なのか。
『死都調布』の著者・斎藤潤一郎氏のなかば都市伝説化したカミさんの真相を確かめるべく、私は冬の寒い日のある夜、調布市にある某商店街を訪れた。

シャッターの閉じた商店街は日本各地に点在する。この風景もバブル以降の日本の、ありふれた結末の一つなのだろう。
その中でも比較的賑わう一角があった。日が暮れる頃、名もない小路にぽつぽつと火が灯りだした。団地から老人や老人のような人々がその中に溶け込んでいく。

この小路の奥に佇むスナック・チヨのママさんが、カミさんのことを知っている。
以前、ツイッターで見かけた頼りない、しかし唯一の情報をもとに私はそのスナックに赴いた。客は他にいなかった。いいタイミングだ。聞くしかない、と思った。

チヨのママさんは確かに斎藤潤一郎氏の事を知っていた。
年はいっても独特の妖艶さと、しかし何か一種凄みのあるママさんは、斎藤潤一郎という名を聞くなり唐突にアッパッパを脱ぎ捨て、傷だらけの上半身を薄暗い店の中に晒した。

「教えてやるよ」
タバコをふかしながら、ママさんは仁王のような顔で私を見下ろした。


キイキイと鳴く裸電球の下で、私は斎藤潤一郎氏とカミさんについての全てを聞いた。

何も、言うまい。

もはやここで語れることもない。
私はママさんの話を聞きながら、この口伝がどこがで発表するような内容ではない事を悟った。


店を出るとトップリ夜も更け、例の風が私の頬を叩きつけた。すっかりと酔ってしまったようだ。
狭い出入り口ですれ違いざま、常連らしき男が入っていった。

彼が斎藤潤一郎氏なのかも知れない。
しかし私の興味はとんと無くなり、詮索する気も失せていた。


街灯も乏しい商店街のシャッターに、その場に不釣り合いだが彩り豊かなグラフィティ・アートが描かれていた。

「C-TOWN STYLE」

何も無い場所に上書きされる記憶と情緒を巡って、私はまたこの街を訪れることだろう。


平成も終わろうとしている。



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