ちくわブログ

ちくわの夜明け

覚醒

2008-05-29 13:24:11 | Weblog
ううううう・・・つらいー

乙)いいよ→甲)え、いいんだ
 ↓
乙)じゃあまたね→甲)うんまたね
 ↓
3日後
甲)じゃあよろしくね→乙)えー・・・ちょっと


という目に。

自分でも驚くほど傷つかなかったけど、ちょっとふらっとするくらいはへこんだ。
誰かに同情してもらいたくて、知り合いの女の子に話したら「赤目さんってロマンチストだねー」とか「ベッドの上でする会話を真に受けちゃダメだよ」とたしなめられた。

え、俺がロマンチストなんだ。そういうまぐわいって、そんな乾いた感覚で思い出にできるんだ。それが都会モンの感覚か。
「東京ラブストーリー」か。「か~んち、SEXしよ」か。


日に日になんとなく辛くなってきて、一人で飲む。
西口はいつも優しくてほっとする。あの人はいつもあそこに立ってて、この店ではいつもの通り、主人がうっとうしそうな顔でモツを焼いている。

火がない。
ご主人に「火を貸してください」言うと、これ使いな、と網の下から熱をはらんだ炭を差し出してきた。それに煙草をつけ、スパスパと火を移す。

飲み終わり、横丁の入り口で座り込む。
意味はない。ただ家に帰りたくなかった。酔うと寂しさが増幅し、「誰かはなしかけてぇー」という訳の分からない衝動にかられた。

しばらくするとホームレスのおっさんが声を。
「俺はコッチ(ホホに人差し指を走らす)の人間でよお。大阪じゃあいっつもスーツよ。でも嫌いなんだよな。こっちじゃあいつもこれよ」ヨレヨレのジャージ。
「すぐそこに若ぇもんがいっけどな。連れて歩くの嫌いなんだよ」とかそういう貴重なお話をうかがった。

話を聞いてるだけでもいろいろと紛れてよかった。ので、このおっさんに一服入れてもらおう。「ちょっとしょんべん行って来ます」とその場を離れた。
しょんべん横丁の名の通り、すぐそこにトイレがあるので、そこで済ませてから近くの自販機で煙草を買う。
戻るとおっさんはいなかった。
なんだ・・・・


喫茶店でコーヒーをすする。
そのまま西口へ。今ならまだ最終に間に合う。
あの人はもういない。
代わりに俺が、あの人がいつも立っている場所に立ってみる。

「そうか、こういう景色を見ていたんだ」

ややあってから、飲んできたような若い男女のサラリーマングループが目の前で「これからどうするー」的な話題で盛り上がり始めた。花金。
本当に、スレスレになるくらい近くにいるのに、みなさんわたしのこと、全く気にしてらっしゃらない。すげえ、透明人間になったようだ、と思った。
「お兄さん、火、ありますかね」と、先ほどの煙草を取り出す。
やっと俺という存在を認めたサラリーマン。「あ、はは・・・あります、どうぞ・・・・あ、火、でかいですよ」

ぼっとついたそれは、確かにでかかった。


最終には乗らなかった。なんかこれから電車に揺られて、自転車に乗って家に帰って、風呂入って、寝て・・・とか考えるとものすごく疲れた。
西武新宿駅沿いを歩くと、中国人か韓国人か知らないが、そういったお姉さん達が立ちんぼをやっている。
とにかく人と触れ合いたかったので、意味もなくあるってみた。
気付くともう、手を引っ張られていて、その手のぬくもりがいとおしかったので、店だかなんかの建物前までずっとついていった。そんで「お金ないんです。ごめんね。さようなら」とその場を去った。

歌舞伎町はずっと明るいのでいい。
今まで通ったことのないような通りを歩くと、ブラザーが「オニーチャン、ボインボインのとか、タクサンよ!」と、つかむ手の力が強い。さすが外人さん。
「手、いてえ。それから今日はもう終わったん」


これからどこで夜を明かそうか。
そうだ・・・ちょっと前、こんな感じで夜中の新宿を徘徊してたら、ゴールデン街を見つけた。「ああ、ここがあの・・・」と、場所を覚えていたので、行ってみた。

案の定、まだまだ店の灯はともっている。
常連とかにからまれるのが嫌だったので、まったく客の入っていない店にしけこむ。
ハスキーな声の、小柄なお姐さんが迎えてくれた。いかにもゴールデン街のママって感じ。

それからのことは、酔ってあまり覚えていない。でも思ってることを全部聞いてもらった。「あんたねぇ・・・いい年して・・・」とかいさめられたりもした。
ああ、しかし飲んでも飲んでも寂しさがくすぶる。なんだこれは。
「飲めば飲むほど 寂しいくせに」という曲があるが、嘘じゃねえな、と思った。

その店が閉まってから、お姐さんと一緒に違う店に行った。
そこのトイレで三度吐いた。
朦朧とした意識の中、夜が開けた。この店も閉まるよう。気付くと、隣にいたお姐さんがいなかった。勘定は俺持ち。

そこのママが「お尻のポケットに、なんか入れて帰ったよ」と。
まさぐると、金ではなく彼女の店のマッチが入っていた。ずっと火を借りていたからか。「来たら返す」とかそういう意味か。



何が悲しいって、ちゃんとした失恋さえしていないのにフラれたという・・・
そしてこの年でこの経験値の少なさから来るこのもろさ。
大人ってのは、クールってのは、こういうのを割り切る感覚のことをいうのか?
それは全然優しくはないよな。絶対俺のほうが真っ当だよ。

これでチンコでも痒くなった日にゃ、もう誰も信じない。
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遠くの街に立つ

2008-05-22 01:54:44 | Weblog
朝、八王子駅に出かけていました。

用事を済ませ、喫茶店で軽食をとり、西新宿の事務所へ向かおうとしたところ・・・
駅前に募金箱を抱えた女性が立っていました。

「四川のか・・・」
そう思っただけで、素通りしました。
募金というシステムが、信用できないからです。昔、いやな目にもあっているので。

でも、改札の前で、どうしても彼女の悲壮な表情が浮かび、そしてニュースで見たあの映像が浮かんできたので、また引き返しました。

募金をし、名刺を渡し、彼女の了解をとり、こうして写真をUPさせていただきました。



報道によると、死者は4万人を超え、行方不明者は3万人を超えているそう。
日本からは医療チームの他、神戸の“災害ボランティア”NGOが被災地に渡り、活動中とのこと。

このタイミングで中国批判をした都知事は、いったい何を見ているんだろう。
そして、故郷から遠くの地に立つこの人は、まぶたの裏に映る故郷を、どんな思いで見つめているのだろう。
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怒り

2008-05-12 02:44:29 | 映画制作
もともと学生運動について調べようと思ったきっかけは、それに対する怒りによるところが大きかった。
わたしを含め、同世代の人間が一気に右に傾いたという過去は、きっと彼らが作り上げてきた「環境」というものがわれわれへの「反動」という意味で大きく関与していると思った。
人間の個性は、ただ自分の中だけで作られるものではない。自身をはぐくむ環境から、多くのものを吸収して人格に影響する。

彼らについて、若い頃、いい意味であれだけのことをやっておきながら、今はのうのうと企業のイスに鎮座しているような連中が許せなかった。
結果的に自分達の子供世代がこういった状況に陥っていることに対して、なんら自責の念を抱かないのは、許せなかった。

そう思い始めてから、いろいろな体験をし、またさまざまな人に会った。
総括しきれてないと言うなら、死ぬ前に、俺がさせてやるんだ、と、会う人間会う人間を敵視した。
そういう姿勢で接するから、ある人からは「俺はあんたを心底軽蔑する!」と言われた。

あれからしばらくたって、今はそんな怒りも消えた。
それは、正体が分かったからだ。
実際会い、自分の中で人格化がなされると、霧のように不定形な怒りより、目に見える個人としての見方が強まってしまう。
そういったことは、往々にしてどんな人間に対しても、あると思う。


話はそれるが、ネタにしていたグラビアアイドルにひと目でも実際会ってしまうと、それから二度とおかずになり得なくなる。
人格化された女性に対し、相手の了承も得ないままいたすことを、身体が拒絶する。
ぶっちゃけて言えば、ただ単に、気おくれする。つまり勇気がないんです。

道理としては同じ。
しかし個人として見ても、いや、だからこそ許せない人間もいる。
そういう人に、最近会った。

ある会合にて。
その人は懇意にしてもらっているMさんの元同志だが、酔うと過去の遺恨について、口汚くののしるようになった。
そういった政治的な話題ならまだしも、ついには「こいつは俺よりモテねえんだ」なぞとくだらないことをぬかすようになる。

Mさんも最初はつられて「なに言ってやがんだ」と反論はしていたが、やがて「・・・いや、まぁいい」と何度も落ち着かせていた。下品な話に乗らないために。
しかし相手はエスカレートさせる一方で、話は年金にまで及んだ。
「Mさん、いくらもらってんのよ?え?○○万?いいねぇ~俺なんかたった○○万ぽっちだよ。いいご身分だ」
ここまで来ると酔いでは済まされない。社会性のあまりに乏しい言い回しに寒気すらおぼえる。これが本当に、かつての闘士か??

年寄りは、酔うと自慢話をよくする。
彼も例外ではない。それが、決定的だった。
「俺のやってるとこ(不動産業)に昔、麻原が来てよう。物件を世話してやったんだ」「そん時に革命やら闘争やらについてちょっと話したのよ。そしたらまさかあんなことになるなんてなぁ。あいつ、俺の話、本気にしやがって」

なんてつまらん人間だろう、と思った。
自分がオウムのイデオローグだとでも言いたいのか。だったらあんたは、裁かれて死ぬべきじゃないのか。
何より、そんなことを笑って話す神経が信じられなかった。どういう状況であれ、この話題は厳粛にならざるをえないものなのに。学生運動とは違う。過去のことではない。

ただ、目の前からいなくなって欲しかった。でも自分が立ち去るのは嫌だった。
「あなた、下品ですね」
そう言うと彼はやっとで下品な会話をやめ、「おあいそしてくる」と席を立ったまま戻らなかった。トイレにもいない。どうやら帰ったらしい。


わたしが一番嫌いなのは、口に思想がどうの、政治がどうのと言う奴が、人間的に不道徳だったり、不義理だったりすること。小学校の道徳の時間に習うような基本的な人間の道徳心を持っていない人間が、それより大きいことを言うのはあきらかな間違いだから。そんな悪辣ことやっていい人間は、そういう覚悟を決めた政治家だけだと思う。
市民であるのなら、絶対にやってはいけない。

わたしが本来持っていた興味の本質は、こういった人々に向けられるべきなのかもしれない。
しかし実際、身銭をきってつまらん人間の話を聞こうとは思わない。

結局、笑って話せるのは年寄りだからだ。年寄りだから、今のこと、未来のことなどどうだっていいのだ。自分はあと、死ぬだけだから。
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姫路小路

2008-05-03 23:47:39 | お仕事
おそらく今までで最長の「いってこい」でした。

いってこいとは日帰り出張のことで、映像業界ではわりとひんぱんに使います。
新幹線で約4時間で姫路。そこからまた地元線の2両車に乗ってやっと到着。

お仕事が重なり、運悪く2徹した後だったので、移動中はほとんど寝てました。
ただのロケハンなので一人。気は楽です。

現着し、紹介してくださる担当者と打ち合わせ、取材先へ。
2時間ほどいろいろ聞いたり写真撮ったり。
当日ディレクターが動きやすくなるような情報を探るだけ探る。この「ロケハン」って作業、実際の撮影よりぜんぜん面白いから個人的には好きな作業です。
なにより一人ですし。

帰ってからこれらの情報をテキストとしてまとめ、写真といっしょに吐き出し、ディレクターに献上。今回については撮影に参加できないのでそれはちょっと残念。

さて、ロケハンも終わり、すぐ帰るのはしゃくなので、小一時間ほど駅前をぶらつきます。
以前もロケで訪れたことがあるので、ある程度の地理は頭に入っています。

今回はあまり時間も無かったので、気になる小路に入って雰囲気を楽しみました。もちろんメシもそこで食べます。
昔からあるような定食屋が好きで、よくそういったお店に入ります。

こういうとこはだいたいハズレがありません。かと言ってアタリも少ないのです。
何のかんの言ってウチから歩いて3分の定食屋が、どこのよりもうまいっていうのはちょっとさびしい。

帰りはお菓子をお供に、再びうつらうつらとまどろみながら帰ります。
GWの穴なのか、車内はかなり空いていました。


往復約8時間強。
ほとんど移動がお仕事の、ある日でした。
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