本書は、北海道大学が07年以降、毎年開催している「サステナビリティ・ウィーク」のために編纂した「持続可能な低炭素社会」を、同大大学院教授の吉田氏が一般向けに執筆しなおしたものです。
人口減少と少子化社会、年金・医療などの社会保障制度の破綻、国と地方の累積債務、加えて東日本大震災と原発事故など、わが国をめぐる厳しい制約条件の下、「制約なくして革新なし」をスローガンに、「持続可能性」と「より良い生き方」をキーワードに社会の大胆な改革をめざす。
具体的には、温暖化対策とエネルギー環境政策、産業雇用政策と連携、統合した「グリーン・エコノミー」社会の推進が必要と説く。原発の段階的解消と太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーと省エネ技術の促進、東北地方を再生エネルギーセンターとして復興する等を提案している。一読をお勧めします。