桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

クモマグサ(雲間草)

2010年01月23日 22時11分45秒 | 

 自宅のパソコンテーブルに緑がほしいと思っていました。



 昨日、昼食を買いに出た帰り、花屋さんの店先にクモマグサ(雲間草)があるのを見つけたので買いました。花よりも、春菊を超コンパクトにしたような葉っぱがギッシリと詰まっているのが緑々していて好ましいと感じたのです。

 この花は自宅近くのダイエーの花売場で見かけていました。
 高山植物……というようなことが書いてあり、買おうか買うまいかと触手を伸ばしかけていたのですが、私が行けるのは勤め帰りの遅い時間だからでしょうか、この売場では店員の姿を見たことがありません。(店員がいないので)会計は20メートルほど離れた食品売場のレジですることになっているようです。
 会計はどこであろうが構わないのですが、珍しい花だと水のやり方や日光の当て方などを聞いておきたいと思います。レジの人が知っているわけはないと思うので、買おうかなと思う鉢植えがあっても、いつも逡巡したのち、諦めるのが常なのです。

 クリスマスのころにはヒメヒイラギの鉢植えが出ていて、手ごろな大きさだったので買おうかと思ったのですが、売場は例によって無人。買わずに帰って、二、三日後に見に寄ったら、姿を消していました。
 クモマグサを見かけたときも売り場は同じように無人。私が行くのは夜八時ごろですから、この時間には店員はもういないのだなと納得していて、気が向けばザッと花を見て廻りますが、ここで買うつもりは鼻からないのです。

 その花を普通の花屋さんで見つけたので、つい手を延ばしてしまったのです。何よりも……鉢の大きさはほとんど変わらず、ダイエーでは398円だったのに、こちらは210円。
 水の与え方、日光の当て方を訊ねると、年のころ四十ぐらいの女主人でしたが、懇切丁寧に教えてくれました。
 育て方だけでなく、クモマグサという名前の由来、日本のクモマグサは高山植物で、しかも絶滅に近い植物で、まず手に入らないこと。そもそも高山植物を低地で育てようとしても無理なこと。クモマグサとして売っているが、実際は西洋雲間草という近似種であること……などなど。わずか210円の買い物しかしないのが申しわけないほどに、たくさんのご教示を賜りました。

 自宅に持ち帰ってテーブルの片隅に置きました。
 Webで調べてみると、大体は女主人の教えてくれたとおりで、パソコンモニタの横に置くつもりで買ったのですが、結論としては室内に置くものではない、ということです。しかし、二、三日の間だけ近くで愉しませてもらおうと思って、室内に置くことにします。



 土曜日の電車の時刻は平日より少し早いので、出勤前にほんのちょっとだけ寄り道をする余裕があります。数日前、一電車早かったので通った道です。
 遠回りをした功徳があって、ある民家の玄関先にほぼ完全な形で種子を残しているツワブキ(石蕗)を見つけていました。木枯らしで飛ばされてしまう前に、もう一度見ておきたくて、今日も遠回り。

 タンポポ(蒲公英)を思わせるような、と聞いてはいましたが、目にするのは初めてです。確かに蒲公英そっくりな綿帽子です。
 ともにキク科の植物ですから、似ているのに不思議はありません。しかし、本家のキクのことを考えると、綿帽子を飛ばして子孫を増やす、というところに、本来は野生の逞しさ、強さを感じます。

 正月明けから我がベランダには家族が増えました。
 ツワブキです。関西に住む友人が宅配便で送ってくれたものです。
 ツワブキのことは私から聞くまでさほど関心がなかったので、実家にあったとは考えてもみなかったそうです。ところが、正月に帰省すると、庭にツワブキがある。私に送ってやろうと思って、二種類のツワブキを一株ずつ掘り起こしてくれたのです。

 わが家に到着したときは元気がありませんでした。送ってもらうことは前もって報されていたので、鉢と土を買って待ち構えていて、早速移し替えましたが、すぐには元気を取り戻してくれません。
 生命力の強そうな植物なので、いずれ茎がピンシャンと立つ日がくるでしょう。写真に撮るのは、そうなってから……。

 ツワブキは桔梗と同じく多年草です。初代は何年か花を咲かせて姿を消しますが、新しい種が芽生え、二代三代と受け継がれて行くのです。
 いま、わがものとなったツワブキも、友人の話によれば、元は三重県の伊賀にあったものだということです。それがなにゆえに伊賀にはまったく縁のないはずの松戸くんだりへきて、私の許にあるのか。ツワブキにしてみると摩訶不思議なことでありましょう。

 そうしてふと思ったこと。
 いつの日になるのかわかりませんが、私がアイルランドへ移住する日がきたら、植物検疫という面倒なことを前もって考えることはせずに、桔梗とツワブキを持って行こうと思いました。
 何十年かあと、アイルランドのどこかに咲くツワブキと桔梗の花を見た人の中に、なにゆえに縁なき欧羅巴の地にツワブキと桔梗があるのか、と首を傾げる人がいるかもしれません。
 人間には叶わないことではあるけれども、不思議に思って立ち止まっているアイルランド人がいたら、冥界から現われいでた私から経緯を縷々説明しようと思います。

 毎年いまごろの時期、私は軽い鬱状態に陥って鬱ぎ込むのですが、今年はなんとなく元気が出てきました。

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