時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

経団連が自民、民主に通信簿

2007年11月14日 | 政治問題
日本経団連が、会員企業・団体が自民、民主両党に政治献金する際の目安になる2007年の政策評価を正式発表した。自民党には、最高の「A」を昨年と同じく9ヵ所つけ、改革路線を高く評価した。一方、民主党は、下から2番目の「D」を昨年の2ヵ所から4ヵ所に増やした。
経団連の御手洗冨士夫会長は記者会見で、「自民支持」を鮮明にした理由について、「自民党の政策は経団連と総じて方向性が一致しているが、民主党は相反する分野がある」と述べた。経団連が今年8月下旬に開いた政治対策委員会では、参院第1党となった民主党の存在感が高まったことから、「民主党の政策を見極める必要がある」との声が出ていた。
しかし、臨時国会で与党との対決姿勢を崩さず、経団連は「中長期的にみて、(民主党の政策は)日本の発展、成長にプラスにならない」(大橋光夫政治対策委員長)と判断。ただ、経団連が、自民党が野党に転落した1993年、会員企業に対する自民党への献金のあっせんを中止し、自民党との関係が一時冷え込んだことも無関係ではない。今回、民主党に「辛口評価」したのは、「自民党からのしっぺ返しが怖いからだ」(産業界関係者)と見る向きもある。
経団連の会員企業・団体は2006年の献金額は、自民党向けの25億3000万円に対し、民主党向けは8000万円にとどまっていた。ただ、政策評価では、民主党に対し、自民党と政策協議して改革を進めるよう期待感も示したと報じられている。
さて、この通信簿であるが、経団連が両党の評価を勝手につけているわけではない。自民、民主両党から「頼まれて」つけているものだということを読者には理解してもらいたい。
経団連は、政治献金を斡旋して欲しい政党と「政策懇談会」を開いている。この懇談会への出席を名乗り出ているのは、自民党と民主党の2大政党しかないのである。毎年、経団連もうでをして、財界のお気に入りの政策をいかに作りあげるのか、汲々としているわけである。
以前から本紙で指摘しているように、これが2大政党の実態なのである。
経団連にすれば、財界、大企業に都合の良い政策を打ち出してくれるのであれば、献金先は自民党でなくともまったく問題はない。
むしろ、自民党が国民の支持を失い、政権を維持できなくなった場合、次の政権与党と目される民主党に「政治献金」というエサを与えておいて、いざ民主党が政権に就いた時には、財界言いなりの政策を実行してもらえばそれでよいのである。これが、先般の「大連立」の背景である。
さて、財界の評価が悪くなった民主党は、これからどのような政策を打ち出すのだろうか。
また、進んで経団連もうでを行っていることを、国民にどのように説明するのだろうか。
民主党が自民党と本当に対決するというのであれば、財界の影響を完全に断ち切って、国民からの浄財で党を運営しようという気持ちがなければなるまい。
民主党がいつまで自民党との対決姿勢を保ち続け、(一応)国民の味方のような顔をし続けるのか、その対応を注視したい。