時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

「シャトル」空白期5年に、後継機初飛行は2015年

2007年11月21日 | 社会問題
米航空宇宙局(NASA)のグリフィン長官は、スペースシャトルの後継となる有人宇宙機の初飛行が2015年3月になると議会で証言した、と報じられている。
シャトルの退役後、5年近い空白が生じるため、「その間、国際宇宙ステーション(ISS)へ人間を送れるのはロシアの宇宙船だけ。月には中国が先に到達する」と、危機感をあらわにした。
長官は「技術的には13年9月でも可能だが、予算が足りない」と説明。後継機関連の開発費は現在、年間30億ドル台で推移しているが、同席したNASA幹部は「(完成を)13年に前倒しするには、2009~2010会計年度に計20億ドルの追加が必要」と語った。
一方、シャトルの今後の飛行回数は従来、「最低11回、必要があればさらに2回」とされていたが、長官は「追加の2回も必要。最終飛行は2010年4月になる」と語った。3機のうち、来年に引退予定だったアトランティスを使い続ける方針という。
宇宙への夢は、子供ばかりでなく、われわれ大人にとっても日常の瑣末な出来事を忘れさせてくれるものである。
「予算がない」という言葉は、日本などでもよく耳にする言葉だが、要は、さまざまな政策の中で、どの項目を優先するかという問題にすぎない。
よその国の予算に口を挟むべきではないかもしれないが、イラクやアフガニスタンをはじめ、地球上のありとあらゆる所に強大な軍隊を派遣する余裕があるのならば、せめて、宇宙開発、しかも宇宙の平和利用のためにもっとお金をつぎ込むべきではないのか。
日本もそうだ。海外に自衛隊を送ることには国民の多くが反対しているが、日本人宇宙飛行士が乗り込むスペースシャトルの開発に日本として予算をつぎ込むことには、反対する国民はほとんどいないだろう。
お金の問題ではないのだ。
それぞれの国や世界が、どのような未来図を描いて、何にお金を使うのか、そのことが問われているのである。ないのはお金ではなく、夢を実現する心ではなかろうか。
シャトルの記事に接して、そのことを痛感した。